「安全」と「安定」。
どちらも「安」が付いて、見た感じが似ていますよね…。
よく考えてみると、「安全」は「安定した状態」のことではないのか??
また、「安定」は「安全な状態」であるからこそ保てるのではないか??
そう考えると、何となくではありますが「安全」と「安定」って、意味も似ています…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
併せて、「安全」と「安定」の漢字の成り立ちも調べてみました!
本記事では、「安全」と「安定」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「安全」と「安定」の意味の違い!
最初に、「安全」と「安定」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「安定」とは、激しい変化がなく、落ち着いた状態であること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「安全」の意味とは!
「安全」は、危ないこともなく、平穏無事のこと。
危なくないということは、怪我をする可能性がないこと、また、命の危険がないことです。
言い換えるならば、「やすらかに、穏やかに過ごすことができる状態」ということ。
「安全」の「安」は、「家」の意味がある「うかんむり」の下に「女」、つまり家で女性がやすらいでいるさまから、「やすらか」という意味を持っています。
「安心」や「安寧」「安泰」といった言葉も、そういった意味を含んでいますよね。
そして「安全」の「全」は、「すべて」という意味。
「全部」や「全体」の「全」です。
これは、つまり「やすらか」でいられる要素が「すべて」揃っているということ。
要するに、「やすらか」でいられる要素が「すべて」揃っているということは、危なくないということです。
②「安定」の意味とは!
「安定」は、激しい変化がなく、落ち着いた状態であること。
たとえるならば、綱渡りをする人が左右にグラグラしない状態が、「安定」した状態といえます。
要するに、綱渡りをする人が、落ち着いて激しく変化しないということ。
「安定」の「安」も、「安全」と同じで「やすらか」という意味。
「安定」の「定」は、「さだまる」「動かない」という意味です。
「定着」や「固定」という言葉があらわすとおり、「動かない」といった意味が含まれていますよね。
要するに「安定」は、「やすらか」でいられる状態が「動かず」に続くということ。
ということは、激しい変化がなく、落ち着いた状態ということです。
③「安全」と「安定」の違いを整理!
それでは、ここで一度「安全」と「安定」の意味の違いを整理します。
危ないこともなく、平穏無事であるのが「安全」
激しい変化がなく、落ち着いた状態であるのが「安定」。
どちらも、「やすらか」という言葉が関係していますので、見方によってはすごく似た言葉ということもできますね。
2.「安全」と「安定」の辞書での意味!
続いて、辞書による「安全」と「安定」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「安全」の辞書での意味!
【安全】
・危なくないこと。また、そのさま。無事。「身の―をはかる」「―な場所」↔危険
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「安定」の辞書での意味!
【安定】
①激しい変化がなく、落ち着いた状態であること。「物価が―する」「不―」
②⦅物・化⦆物体・物質に変化を与えたとき、元の状態に戻ろうとすること。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明どおりですね。
意味②は説明しませんでしたが、「物理用語」「化学用語」です。
3.「安全」と「安定」の使い方!
最後に、「安全」と「安定」の使い方を例文で紹介します。
①「安全」の使い方!
・安全基準を満たしたように装って、車のタイヤホイールを販売したとして逮捕。
・来年度に幼稚園や保育園周辺の道路の安全対策を強化することを決めた。
・試合を中止したのは選手や観客らの安全を第一に考えた苦渋の決断。
・調査の結果、漁場への影響は確認されなかったとして「安全宣言」を出した。
②「安定」の使い方!
・監督は、変化球に「制球も安定感もそこまでなかった」と苦言を呈した。
・両国関係は新たな安定と発展向けさらなる進化を遂げている。
・水害の危険性を減らしつつ、安定した用水供給が可能となった。
・生活の安定と被災地の速やかな復興に資することが、この法律の目的である。
まとめ
以上が、「安全」と「安定」の意味の違いと使い分けについてでした。
「安全」は、危ないこともなく、平穏無事のこと。
「安定」は、激しい変化がなく、落ち着いた状態であること。
「平穏無事」と「落ち着いた状態」は似ていますが、「危なくない」と「激しい変化がない」では全く意味が違ってきます。