「改善」と「対策」。
違いは、理解しているつもりですが…。
やることは同じこと?のような…。
「暗い部屋を改善するため照明をつけた」
「暗い部屋の対策のために照明をつけた」
やっていることは、同じですよね…。
ですが、この「改善」と「対策」には根本的な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「改善」と「対策」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「改善」と「対策」の意味の違い!
まずは、「改善」と「対策」の意味の違いを端的にお伝えします。
「対策」とは、相手の出方や事態の成り行きに応じてとる処理の手段。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「改善」の意味とは!
「改善」は、悪いところを改めてよくすること。
ただ悪いものをよくする、これが「改善」です。
誰かが文句をつけたからよくする、問題が発生するからよくする、というのではなく、ただ悪いものをよくするのが「改善」。
たとえば、少し仕事場が薄暗かったとしますね。
そして、仕事場をもう少し明るくしようと思い、照明器具を増やして明るくすること、これが「改善」です。
薄暗い仕事場という「悪いところ」を、明るくする、つまり「よくする」ということ。
これが、「仕事場が明るくなり『改善』された」ということですね。
②「対策」の意味とは!
「対策」は、相手の出方や事態の成り行きに応じてとる処理の手段。
何かに応じて、それなりの手段を講じること、これが「対策」です。
「改善」には「悪いものをよくする」という目的が最初にあったのですが、「対策」は違います。
「対策」の最初にあるもの、それは「相手の出方」や「事態の成り行き」。
たとえば、少し仕事場が薄暗かったとします。
そして、従業員が「薄暗くて文字が読みにくく、仕事の能率が悪いです」といった意見を述べたとしましょう。
そういった意見のもと、仕事場に照明器具を設置すること、これが「対策」です。
従業員の意見に「応じ」て、照明器具を増やすという「手段」を講じたのですね。
これは、従業員の意見でなくても、たとえば従業員の視力が低下する問題が起きたことを発端に手段を講じても同じこと。
視力低下という問題に「応じ」て、照明器具を増やすという「手段」を講じる、これも「対策」です。
③「改善」と「対策」の違いを整理!
それでは、ここで一度「改善」と「対策」の意味の違いを整理します。
悪いところを改めてよくするのが「改善」。
相手の出方や、事態のなりゆきに応じてとる処理の手段が「対策」。
「改善」も「対策」も、職場に照明器具を増やしましたので、結果は同じ行動をしています。
しかし、ただ悪いものをよくする「改善」と、従業員の意見や問題に応じて行った「対策」とでは、出発点が違うということですね。
冒頭の「暗い部屋を改善するため照明をつけた」は、暗い部屋という悪いところよくするために照明をつけたということ。
「暗い部屋の対策のために照明をつけた」は、暗い部屋という問題に応じ照明をつけるという手段を講じたということです。
2.「改善」と「対策」の辞書での意味!
続いて、辞書による「改善」と「対策」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「改善」の辞書での意味!
【改善】
・悪い点を改めてよくすること。「生活の―」「待遇―」↔改悪
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「対策」の辞書での意味!
【対策】
・相手の言動や事態のなりゆきに応じてとる手段や方法。「―を立てる」「―を講じる」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりの内容です。
3.「改善」と「対策」の使い方!
最後に、「改善」と「対策」の使い方を例文で紹介します。
①「改善」の使い方!
・まずはその堕落した生活を改善することからだ。
・部内の業務改善提案を行った。
・運転労働者の労働時間改善基準のポイント。
・改善活動の考え方と進め方。
②「対策」の使い方!
・台風に備えて暴風対策をとる。
・社内で迷惑メール対策を検討する。
・腰痛の対策としてストレッチを行う。
・汚染防止対策に関する会議を開催する。
まとめ
以上が、「改善」と「対策」の意味の違いと使い分けについてでした。
「改善」は、悪いところを改めてよくすること。
「対策」は、相手の出方や事態の成り行きに応じてとる処理の手段。
ちなみに、「改善対策」という言葉もありますが、これは「悪いものをよくする」といった課題に「応じ」て、そのために講じる「手段」のことです。