「観察」と「観測」。
まぎらわしい、2つの言葉。
「観」が共通していますので、つまりどちらも「観る」ということなのか?
「川の水位を観察する」
「川の水位を観測する」
なんだか、どっちもアリの使い方ですね。
ですが、「観察」と「観測」では微妙な違いがあるようで…。
しかも、切っても切れない関係が!
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「観察」と「観測」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「観察」と「観測」の意味の違い!
まずは、「観察」と「観測」の意味の違いを端的にお伝えします。
「観測」とは、自然現象の変化などを詳しく見て測ること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「観察」の意味とは!
「観察」は、物事を注意深く詳しく見ること。
ありのままを、詳しく見るということですね。
ですから、「昔の写真を眺めて懐かしむ」という行為は、注意深く見ていませんので「観察」ではありませんよ。
たとえば、風呂場に黒い汚れがあった時、「これはカビなのか?それとも、汚れなのか?」と注意深く見る行為、これが「観察」です。
ちなみに、「観察」は観察日記のように、記録をつけることでも測定や分析をすることでもありませんよ。
ただ、注意深く見ること、これが「観察」です。
②「観測」の意味とは!
「観測」は、自然現象の変化などを詳しく見て測ること。
主に、天体や気象などの自然現象に対して多く使われる言葉。
そういった自然現象などを、「詳しく見て測ること」、つまり「観察」した後に測定するということです。
要するに、「観測」するためには「観察」が必要不可欠であるということ。
具体的には、たとえば大雨が過去にないほど続いたとしますね。
すると、当然ですが川が増水します。
そうなると、災害に備えて河川の管理個所では「川の水位を観測」するわけですね。
川を注意深く「観察」して、水位の変化を測定します。
この行為が「観測」。
それから、「観測」には全く違う別の意味もあります。
それは、ある物事を注意深く見て、変わっていく様子を推測するという意味。
自然現象を見て測定する意味とは、雲泥の差ですよね…。
具体的には、「政府の観測では…」とか、「希望的観測です…」といった使い方をする「観測」です。
この「観測」は、全て物事のなりゆきを推測する意味として使われています。
③「観察」と「観測」の違いを整理!
それでは、ここで一度「観察」と「観測」の違いを整理します。
物事を注意深く詳しく見ることが「観察」。
自然現象の変化などを観察して測定することが「観測」。
「観測」するためには、まずは「観察」が絶対必要です。
2.「観察」と「観測」の辞書での意味!
続いて、辞書による「観察」と「観測」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「観察」の辞書での意味!
【観察】
・物事のありのままを詳しく見ること。注意深く見ること。「―日記」「自然―」
引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりの内容です。
②「観測」の辞書での意味!
【観測】
①天体・気象など、自然現象の変化を観察し測定すること。「気象―」
②ある物事を観察して、そのなりゆきを推測すること。「希望的―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりの内容ですね。
意味が2種類あります。
3.「観察」と「観測」の使い方!
次に、「観察」と「観測」の使い方を例文で紹介します。
①「観察」の使い方!
・アサガオの成長を観察し日記をつける。
・すごく不可解な行動をとる彼の行動を観察する。
・空港での入国審査では表情なども観察される。
・この仕事をこなすには観察力を鍛えなくはいけない。
②「観測」の使い方!
・気象観測所を見学する。
・観測気球をあげて大気の状態を調査する。
・巨大な天体望遠鏡で天体観測を体験した。
・温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」。
4.「観察」や「観測」には似た意味の言葉がたくさんある!
「観察」や「観測」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「観察」と「観測」の意味の違いと使い分けについてでした。
「観察」は、物事を注意深く詳しく見ること。
「観測」は、自然現象の変化などを観察して測定すること。
「観測」するためには「観察」が必要不可欠、「観測」には「観察」がセットであるということですね。