「相違」と「齟齬」。
似ています…。
「同じ意味では?」と思っていましたが…。
ニュアンスに微妙な違いがあるようです…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「相違」と「齟齬」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「相違」と「齟齬」の意味の違い!
最初に、「相違」と「齟齬」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「齟齬」とは、AとBがかみ合わない、ずれているということ。
短くまとめると、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「相違」の意味とは!
「相違」は、「違う」「異なる」ことです。
たとえば、下の例文のとおり。
A:「私は果物の中ではリンゴが大好きです。Bさんは果物では何が好きですか?」
B:「私は果物ではリンゴは嫌いです。ミカンが大好きです」
Aさんはリンゴが好きで、Bさんはミカンが好きということです。
つまり、AさんとBさんの好きな果物が違いますよね。
これが、「相違」です。
AさんとBさんの好きな果物は「相違」しているということ。
②「齟齬」の意味とは!
「齟齬」は、「かみ合わない」「ずれている」ということ。
「相違」の「違う」と似ているのですが、微妙に違いますよ。
たとえば、下の例文です。
A:「私は果物の中ではリンゴが大好きです。Bさんは果物では何が好きですか?」
B:「私は牛肉が好きです。特に焼き肉屋で食べるのが大好きです」
Aさんは、Bさんに対して、「果物の中で」何が好きかたずねています。
それに対して、Bさんは「果物ではない」牛肉が好きであると答えました。
つまり、2人の会話がかみ合っていないということ。
「かみ合ってない」「くいちがっている」から、質問とは「ずれた」回答が生まれるのですね。
これが「齟齬」です。
③「相違」と「齟齬」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「相違」と「齟齬」の意味の違いを整理します。
意見や物事などが違うこと、異なるのが「相違」。
意見や物事などがかみ合わない、くいちがうのが「齟齬」。
「違う」と「かみ合わない」の違いですね。
2.「相違」と「齟齬」の辞書での意味!
続いて、辞書による「相違」と「齟齬」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「相違」の辞書での意味!
【相違】
・比べ合わせて違いがあること。異なること。「事実と―する」
引用元:旺文社国語辞典
「異なること」ですので、説明どおりの内容です。
②「齟齬」の辞書での意味!
【齟齬】
・(上下の歯がくいちがう意から)意見や物事がくいちがって合わないこと。「意見に―をきたす」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりの内容ですね。
3.「相違」と「齟齬」の使い方!
最後に、「相違」と「齟齬」の使い方を例文で紹介します。
①「相違」の使い方!
・被告人の証言と証人の証言に明らかな相違がある。
・通信販売で届いた商品が注文したものと相違していた。
・ご希望の車の色はブラックマイカで相違ないですね。
②「齟齬」の使い方!
・あおり運転はドライバー同士の気持ちの齟齬が発端となることがある。
・実行委員会側との間に認識の齟齬があったことが原因。
・国民の常識と憲法の文言に齟齬が出てきている。
まとめ
以上が、「相違」と「齟齬」の意味の違いと使い分けについてでした。
「相違」は、意見や物事などが違うこと、異なること。
「齟齬」は、意見や物事などがかみ合わない、くいちがうこと。
微妙な違いなのですが、実際の使われ方を見ると、「相違」と「齟齬」の境界は曖昧になっているのが実情です。