結婚式などの式典でお決まりなのが「挨拶」。
でも、「挨拶」の他に「祝辞」というものがありますよね。
一見、同じ意味に思えてしまう両者なのですが…。
実は、似てはいるものの微妙に違いがあります!
そういった曖昧な部分をハッキリとするために、「祝辞」と「挨拶」を徹底的に調査しましたよ!
ということで、本記事では「祝辞」と「挨拶」の意味の違いについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「祝辞」と「挨拶」の意味の違い!
最初に、「祝辞」と「挨拶」の意味の違いを端的にお伝えします。
「挨拶」の意味は幅が広いため、「祝辞」と対極にある「挨拶」の意味で比較します。
「挨拶」とは、様々な儀式や会合、就任や離任などの場面で、①尊敬する気持ち②喜び祝う気持ち③感謝の気持ち④お詫びの気持ちを述べること、またその言葉のこと。
簡単にまとめると、こういった違いになります。
では、さらにわかりやすく紐解いていきますね。
①「挨拶」と「祝辞」の意味とは!
「挨拶」には、①尊敬する気持ち②喜び祝う気持ち③感謝の気持ち④お詫びの気持ちといった主に4種類の言葉があります。
一方の「祝辞」は、お祝いの言葉ただ1つ。
つまり、「挨拶」の中に「祝辞」があるということですね。
「挨拶」の②喜び祝う言葉と、「祝辞」が共通している部分です。
②「祝辞」には述べる意味がない!
「挨拶」には、言葉そのものの意味と、その言葉を述べるといった意味があります。
ですから、お祝いの言葉そのものも「挨拶」だし、その言葉を発言することも文書に書きあらわすことも「挨拶」ということ。
一方の「祝辞」には、述べる意味はなく、「お祝いの言葉」の意味しかありません。
ですから「祝辞」の場合は、「祝辞を述べる」といった表現で初めて「お祝いの言葉を発言する」意味になります。
③「挨拶」の意味は幅が広い!
「挨拶」は、①尊敬する気持ち②喜び祝う気持ち③感謝の気持ち④お詫びの気持ちを述べることと説明しました。
ですが、これは「祝辞」に対極する部分の意味。
「挨拶」には、まだ他の意味もあるのです。
上の4種類の気持ちがなくても、挨拶はします。
1つめは、社交的な礼儀。
たとえば、会社に出社して仲間に会った時、また退社時間になって別れる時などの挨拶です。
これは、社交的な礼儀として行うもので、会うたびに感謝の気持ちなどを表明しているわけではありません。
2つめは、返答としての挨拶。
別の人の言動に対する返事のことです。
たとえば、「手紙を送ってから2カ月になるが、なんの挨拶もない…」といった使い方をする「挨拶」のこと。
3つめが、相手を皮肉ったあきれた言いようのこと。
たとえば、失礼な言い方をした相手に対し、「これはとんだご挨拶だ…」と言ったりします。
④「祝辞」と「挨拶」の違いを整理!
ということで、ここで一度「祝辞」と「挨拶」の違いを整理します。
お祝いの言葉を意味するのが「祝辞」です。
儀式や会合の他、様々な場面で①尊敬する気持ち②喜び祝う気持ち③感謝の気持ち④お詫びの気持ちを述べることと、その言葉が「挨拶」です。
大きな「挨拶」があり、その中の「お祝いの言葉」が「祝辞」ということになるのですね。
2.「祝辞」と「挨拶」の辞書での意味!
続いて、「祝辞」と「挨拶」の意味が辞書ではどうなっているのか確認していきます。
①「祝辞」の辞書での意味!
【祝辞】
・祝いのことば。祝詞。「来賓の―」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
「祝詞」ともいいます。
②「挨拶」の辞書での意味!
【挨拶】
①人に会ったときや別れるときにかわす社交的な言葉や動作。「初対面の―」「時候の―」
②儀式・就任・離任などのとき、敬意・祝意・謝意などを述べること。また、その言葉。「来賓の―」
③他人の言動への応対や返事。うけこたえ。「なんの―もない」
④(「ごあいさつ」の形で)相手の失礼な言動を皮肉っていう語。あきれた言いよう。「これはご―だね」
引用元:旺文社国語辞典
大きく4種類の意味が掲載されています。
説明通りの内容ですね。
3.意味以外の「祝辞」と「挨拶」の違い!
ここまで、「祝辞」と「挨拶」の意味の違いを解説してきました。
この「祝辞」と「挨拶」、特に結婚式では両者が混在します。
ということで、結婚式における「祝辞」と「挨拶」の意味以外の違いを説明します。
①「祝辞」と「挨拶」の順番の違い!
「祝辞」は通常、来賓の中で最も主になる人物からいただくもの。
たとえば、勤務している会社であるならば役職が最上位の人になります。
そしてこの「祝辞」が、来賓が行う最初のプログラムになるのですね。
一方の「挨拶」は、「乾杯の挨拶」や「友人代表スピーチ」などがあります。
「乾杯の挨拶」も「友人代表スピーチ」も、お祝いの言葉を述べる部分は共通していますが、こちらは「祝辞」ではなく「挨拶」。
そして、「挨拶」のタイミングは「祝辞」よりも後になります。
「祝辞」は、代表者である主賓たった1人だけなのですね(新郎側新婦側各1人)。
②「祝辞」と「挨拶」の状況の違い!
「祝辞」の際は通常、新郎新婦、新郎新婦の両親が起立した状況で行われます。
しかも、飲酒飲食は厳禁。
「祝辞」を述べる人は、起立している新郎新婦とご両親に対し「どうぞ、おかけください」と着席を促してくれます。
それでも、厳粛な雰囲気の中で行われるのですね。
「乾杯の挨拶」も全員が起立しますが、雰囲気は少し和やかになります。
そして、グラスを手にしていますのでなるべく短めの挨拶になるのが「乾杯の挨拶」の特徴。
「友人代表スピーチ」の時は、お酒も入っていますし場も和やかな雰囲気になっています。
まとめ
以上が、「祝辞」と「挨拶」の意味の違いについてでした。
「祝辞」は、お祝いの言葉のことです。
「言葉」のことなので、「祝辞」単独では「述べる」意味はありません。
「挨拶」は、様々な儀式や会合、就任や離任などの場面で、①尊敬する気持ち②喜び祝う気持ち③感謝の気持ち④お詫びの気持ちを述べること、またその言葉のこと。
「挨拶」は「述べる」意味もありますし、「言葉」そのものの意味もあります。