「おれい」と発言する場合は問題ないのですが…。
「おれい」と書く時に、「お礼」と書くべきか「御礼」と書くべきか、悩みますよね…。
「お礼」も「御礼」も、どちらもよく目にしますので、おそらくはどちらも正解なのだと思うのですが…。
これでは、いけませんね!
「お礼」と「御礼」の使い方にルールがあるのか、ハッキリと白黒つけなくてはいけなせん!!
ということで、「お礼」と「御礼」の違いについて徹底調査しましたよ!
本記事では、「お礼」と「御礼」の違いと使い分け方法について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「お礼」と「御礼」の使い分けは必要?違いはあるの?
最初に、「お礼」と「御礼」の使い分けについて端的にお伝えしますね。
ですから、「お礼」と「御礼」を使い分ける必要もありません。
ただし、公用文に限っては若干気をつけなくてはいけないことがあります。
それでは、使い分けが不要である根拠や公用文の決まりなどについて、さらにわかりやすく紐解いていきますね。
①「お礼」と「御礼」の使分けには決まりはないの?
「お礼」と「御礼」の使い分けのルールがあるのは、公用文だけです。
公用文以外、つまり一般的な文書に対する「お礼」と「御礼」の使い分けに関する文献は存在しません。
ですから、公的機関が発信する文書以外であれば「お礼」と「御礼」はどちらを使っても問題ありませんよ。
では、次項では公用文における「お礼」と「御礼」の使い分けについて解説します。
②文化庁発「お」と「御」の使い方!
公用文に限定した「お」や「御」の使い方については、文化庁が公開しています。
平成22年11⽉30⽇発の、「公⽤⽂における漢字使⽤等について」で解説されています。
公⽤⽂における漢字使⽤等について
1 漢字使用について
(2) 「常用漢字表」の本表に掲げる音訓によって語を書き表すに当たっては、次の事項に留意する。ウ 次の接頭語は、その接頭語が付く語を漢字で書く場合は、原則として、漢字で書き、その接頭語が付く語を仮名で書く場合は、原則として、仮名で書く。
例 御案内(御+案内) 御挨拶(御+挨拶)
ごもっとも(ご+もっとも)
引用元:公⽤⽂における漢字使⽤等について
要するに、「お」「御」を付ける時に、その後の言葉がひらがなであれば「お」を使い、漢字であれば「御」を使うということ。
「あんない」→「ごあんない」
「礼」→「御礼」
「れい」→「おれい」
「挨拶」→「御挨拶」
「あいさつ」→「ごあいさつ」
こういった使い分けということですね。
ただし、繰り返しますがこれはあくまでも公用文に限ったことです。
③「お礼」と「御礼」の使い方を整理!
ということで、一旦「お礼」と「御礼」の使い方を整理しますね。
「お礼」と「御礼」の使い分けの決まりはありません。
ですから、どちらを使っても正解です。
それから、公用文に限っては「御礼」を使いましょう。
「礼」が漢字なので、「お」ではなく「御」を使うのが公用文の決まりです。
2.「お礼」と「御礼」は一つの文書では統一しよう!
「お礼」と「御礼」の使い分けについては、公用文以外は決まりがありません。
ただし、使い方については注意が必要です。
一つの文書で「お礼」と「御礼」が混在してしまっては、読み手側にしてみれば「あれっ?」となってしまう人もいます。
数字やカタカナが、全角のものと半角のものが混在した場合、違和感を覚えませんか?
感覚的な問題ですので、違和感がない人もいるかもしれませんが「お礼」と「御礼」は統一した方が無難です。
あくまでも、「無難」というレベルですが…。
3.「御礼」の読み方は「おれい」?「おんれい」?
ところで、漢字の「御礼」の方ですが、どういった読み方をしていますか?
「おれい」でしょうか?それとも「おんれい」?
これ、実は辞書に「おんれい」という読み方は載っていません。
ですから、正確には「おれい」です。
では、「おんれい」は間違いなのか?
と言われれば、間違いということでもありません。
「満員御礼」は一般的に「まんいんおんれい」と読みます。
「まんいんおれい」とは言いませんよね。
つまり、「おんれい」は今や完全に市民権を得た読み方です。
これは、「新しい」が「あたらしい」と読むようになったのと似ています。
「新しい」は正確には「あらたしい」なのです。
「新」は「あらた」と読みますよね。
「新しい」が、「あらたしい」から変化して「あたらしい」となったのは江戸時代。
前後を入れ替えて発言することが流行った時期があったのです。
いつの間にか、「あたらしい」が根付いてしまいました。
そして、誤った読み方である「あたらしい」が現在まで引き継がれているのです。
言葉は、時代の流れとともに変化するものなのですね…。
「御礼」の読み方は、正確には「おれい」であることを覚えておきましょう。
まとめ
以上が、「お礼」と「御礼」の使い分けについてでした。
公用文以外では「お礼」と「御礼」、どちらを使っても大丈夫です。
ただし、公用文に限っては「御礼」を使いましょう。
漢字の「礼」には、漢字の「御」を使うのが決まり。
それから、一つの文書に「お礼」と「御礼」を混在させるはやめた方が無難です。
なんとなく、違和感を覚える人もいますよ。
ところで、この「お礼」や「御礼」、「御礼申し上げます」といった使い方をしますよね。
これ、よく考えてみてください。
自分が「御礼」する立場でありながら、自分の行為を尊敬語にするのは何だか変だと思いませんか?
似たような使い方をする「ご挨拶」という言葉もあります。
これは「○○様より、ご挨拶をいただきたく存じます」であれば、○○様に対する尊敬語なので問題ありません。
でも、自分で「ご挨拶申し上げます」と言った場合は???