慣用句である「棚に上げる」。
「物を棚に上げることで、下からは見えなくなる」ということ。
つまりは、「自分の不利な点や欠点など、不都合なことにはわざと触れないでおく」という意味です。
では、この「棚に上げる」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「棚に上げる」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.慣用句「棚に上げる」の例文を簡単な短文で!
・人間であれば誰だって失敗はするもの。あなただって、昔失敗したではないか!そういった自分の失敗を棚に上げて、今失敗した彼を批判するのはどうかと思う。
・報道機関は「大臣の女性登用が少なすぎる!」と政権批判する。しかし報道機関の役員の女性比率は決して多くない。自分達の女性登用が少ないことを棚に上げて、政権批判するのはおかしい。
・自分の妻が専業主婦であることを棚に上げて、「女性は社会で活躍すべき!」と訴える評論家。いったい何を考えているのだろう。
・「強い農家づくり」を目指す政府だが…。減反政策を棚に上げておいていったい何をしたいのだろうか?そもそも減反政策のせいで、米の生産が自由にできない…。
・先日テレビに、「動物を自由にすべき!」と訴える動物園廃止論者が出演していた。よくよく話をきいていたら本人は猫を飼育しているらしい…。自分の行為を棚に上げて動物を自由にすべきという訴えは意味がわからない。
・ある政党は「最低賃金を1500円以上にするべき!」と訴えているが、その政党のアルバイト募集広告を見ると、時給800円となっている。こういった現状を棚に上げて訴える政策は全く信用できない。
・何やらやたらと技術的な指摘が多いのだが、指摘してくる人物は別に技術的に優れているわけではない。自分の技術を棚に上げて他人を指摘するのはどうなのか?
・寝坊して髪の毛ボサボサ状態の夫が、自分の寝坊を棚に上げて妻である私に遅刻の原因があると言ってきた…。もうやってられない…。
・自分よりも人脈が広い人がいて羨ましく思うこともありますが、人脈を拡げる努力が足りない自分を棚に上げて、その人に対してイライラしていても仕方がないでしょう。
2.慣用句「棚に上げる」の類義語!
続いて、「棚に上げる」に似た意味の言葉を紹介します。
四字熟語では、「言行相反」「言行齟齬」。
「言行相反」の「言行」は、言っていることと行動のこと。
そして「言行相反」の「相反」は、そのとおり相反するということ。
つまり、発言と行動が相反しているということです。
「言行齟齬」の「言行」は、同じ発言と行動。
「言行齟齬」の「齟齬」は、食い違うということ。
ですから、発言と行動が食い違うということで、「言行相反」と同じ意味ですね。
四字熟語以外では、「目糞鼻糞を笑う」があります。
これは、自分に欠点があるにもかかわらず、他人の欠点をあざ笑うという意味。
「棚に上げる」とほぼ同じ意味ですね。
まとめ
以上が、「棚に上げる」の例文についてでした。
参考にしてください。
「棚に上げる」と似た言葉で、「棚上げ」があります。
同じようにみえて、意味は微妙に違いますよ。
「棚に上げる」は、自分の不都合なことに触れないこと。
「棚上げ」は、一時的に保留する、後回しにするという意味です。
使う際は、気を付けましょう。