慣用句である「拍車をかける」。
そもそも「拍車」とは、靴のかかとに取り付けられたギザギザの歯車状の金具のことで、乗馬の際に使うもの。
この拍車を馬の腹に当てることで、馬を刺激してスピードを制御します。
ですから「拍車をかける」ということは、「馬の走行スピード上げる」ということ。
つまりは、「物事の進み具合を、一気に速める」という意味です。
では、この「拍車をかける」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「拍車をかける」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.慣用句「拍車をかける」の例文を簡単な短文で!
・期限まであと3日しかなく、このままではおそらく間に合わない。今日からは他課より応援を加えて作業に拍車をかけることにした。
・県会議員の政治資金規正法違反疑惑は、テレビ放送されてから騒ぎが広がった。まさに、テレビが彼の辞任に拍車をかけたといえるだろう。
・前から噂になっていた社長交代劇だが…。社長秘書の不祥事がこの社長交代に拍車をかけたのではないだろうか…。
・トラブルは何度もありながら夫婦関係は良かったようだ。しかし、ワイドショーで夫の不倫疑惑が報道されたせいで、夫婦間は一気に冷え込んだ。まさに、テレビがこの離婚劇に拍車をかけたと言っても過言ではない。
・株ブームのせいもあり、IT系企業の株価は劇的に上昇している。雑誌で話題のIT社長の出現も、株価の上昇に拍車をかけたのだろう。
・ただでさえ出生率が低い日本だが…。ここしばらくの自粛ムードが日本の少子化にさらに拍車をかけている。
・日本中で医師不足が叫ばれている中で、増えているのが医師に対する訴訟。この訴訟は医師不足にさらに拍車をかけている。
・クリスマスはなんとなく気分が高揚する。町中のお店でイルミネーションやクリスマスソングが流れているのだが、それもそういった気分高揚へ拍車をかけているのではないか。
・冬は乾燥しやすい季節。実は冷たいコップに水滴がつくように、冬の低い気温が飽和水上量を減らし乾燥に拍車をかけている。
2.慣用句「拍車をかける」の類義語!
続いて、「拍車をかける」の類義語を紹介しますね。
同じ慣用句では、「火に油を注ぐ」があります。
これは、火の勢いに油を注ぐことで、さらに勢いを激しくさせるという意味。
よくSNSで「炎上」といいますが、何かの一言でそれがさらに激しくなる場合に、「火に油を注ぐ」といった使い方をします。
その他は、以下のとおり。
「促進させる」
「進捗を促す」
「進展させる」
「加速させる」
「助長させる」
「奮い立たせる」
「奮起させる」
「鼓舞する」
などがあります。
まとめ
以上が、「拍車をかける」の例文についてでした。
参考にしてください。
この「拍車」ですが、西部劇などでみることができますが、最近はほとんどみることがなくなりました。
現在は、馬のスピードをコントロールする方法として、足で蹴るか手綱、ムチなどが使われます。
拍車はギザギザがあるため、もしかしたら刺激が強すぎということで、廃止されたのかもしれません…。
確かに、ヨーロッパなどでは競馬の際のムチを打つ回数も規定があるらしいので…。
でも、馬は拍車やムチが本当に痛いのだろうか??
仮に苦痛なのであれば、馬の反応は違ってくると思うのですよ…。
正直疑問です…。