「住居」と「居住」というと…。
漢字の前後を入れ替えた言葉です。
同じような意味に見えるこの2つの言葉なのですが…。
よく見てみたら、キチンとした違いがあるようです。
ということで、「居住」と「住居」の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「居住」と「住居」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「居住」と「住居」の意味の違い!
最初に、「居住」と「住居」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「住居」とは、人が住むための建物のことです。
一言で表現すると、こういった違いになります。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①一般的な「居住」と「住居」の違い!
冒頭で説明したとおり、一般的な「居住」と「住居」の意味は全く違います。
「居住」は住むことで、「住居」は住む建物のこと。
「住む」と「建物」の違いですね。
しかし、実は「居住」と「住居」には他の意味もあります。
②「居住」の意味は幅が広い!
実は、「居住」には「住むこと」という意味の他に「住んでいる家」という意味があります。
これだと、「住居」が「建物」のことなので同じ意味に思えてしまいますよね。
ですが、微妙な違いがあります。
「居住」は「住んでいる家」のことなので、人が既に住んで生活している家のことを指しているのです。
ですから、まだ人が住んでいない家のことを「居住」とは言いません。
一方の「住居」は、「人が住む建物」のことであり、まだ人が住んでいなくても、既に住んでいても関係ありません。
③「居住地」と「住居地」の違いとは!
「住居」が「住むこと」、「住居」は「人が住む建物」といった違いであると説明しました。
しかし、「居住」と「住居」に「地」を付け加えると全く意味合いが違ってきます。
「居住地」とは、「住んでいる住所」のことで、住民登録がなくても構いません。
たとえば、持ち家を住民登録しているのですが、単身赴任で他県に住んでいるケースなどが該当します。
一方の「住居地」とは、「外国籍の人が登録した住所」のこと。
わかりやすくいえば、外国籍の人の住民登録した住所のことですね。
外国籍の人が、単身赴任した場合は「居住地」と「住居地」両方存在することになります。
④「居住」と「住居」の違いを整理!
ということで、ここで一度「居住」と「住居」の違いを整理します。
ある一定の場所に住んで生活することが「居住」。
人が住むための建物が「住居」です。
「住むこと」が「居住」で、「人が住む建物」が「住居」。
ただし、「居住」には「人が住んでいる家」という意味もあるので気をつけてくださいね。
2.「居住」と「住居」の辞書での意味!
続いて、辞書による「居住」と「住居」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「居住」の辞書での意味!
【居住】
・一定の場所に住むこと。また、住んでいる家。「―地」「―者」
引用元:旺文社国語辞典
「住むこと」以外に「住んでいる家」と記載されていますね。
②「住居」の辞書での意味!
【住居】
・人の住む建物。住まい。住宅。
引用元:旺文社国語辞典
前項で説明したとおりの内容です。
3.「居住」と「住居」の使い方!
最後に、「居住」と「住居」の使い方を例文で紹介します。
①「居住」の使い方!
・居住権は住んでいる人の生存権のためにある。
・居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例。
・郵便配達員が初めての宛名へ居住確認することがある。
・アパートの全居住者へ工事の説明をする必要がある。
・被告人が保釈される条件として居住制限される場合がある。
②「住居」の使い方!
・他人の家に勝手に入ると住居侵入罪となる場合がある。
・住居表示とは法律に基づく住所の表し方。
・公務員の住居手当とは。
・離職等により住む場所を失った人は住居確保給付金を受け取れることがある。
・住居型老人ホームは介護を受けながら生活ができる施設。
まとめ
以上が、「居住」と「住居」の意味の違いと使い分けについてでした。
「居住」は、ある一定の場所に住むことであり、住んで生活することです。
そして「住居」は、人が住むための建物のこと。
ただし、「居住」には「住んでいる家」という意味もありますので、気をつけてくださいね。