「限度」と「限界」。
似ていて、まぎらわしいですよね…。
といいますか、同じ意味では?と思ってしまいます。
しかし…、「クレジットカードの限度額」といいますが、「クレジットカードの限界額」とはいいません。
また、「体力の限界」とはいいますが、「体力の限度」って聞いたことがありません…。
ということは、「限度」と「限界」には何らかの違いがあるということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「限度」と「限界」には微妙な違いありました!
本記事では、「限度」と「限界」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「限度」と「限界」の意味の違い!
最初に、「限度」と「限界」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「限界」とは、ここから先はないというギリギリの境のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「限度」の意味とは!
「限度」は、これ以上はないと限られている程度や範囲のこと。
「限界」は「境」ですが、「限度」は「程度」や「範囲」を意味しています。
図形の「辺」と「面積」の違い、といえばわかりやすいでしょうか?
「限度」は「面積」の方です。
「限度」の「限」は、「かぎり」のことで、これ以上はないという意味です。
「限度」の「度」は、「ものさし」「めもり」「はかる」という意味。
つまり、「ものさし」で「範囲」「程度」を「はかる」ですから、その「量」を表現しています。
ということで、「限度」は、「ここから、ここまで!」という「程度」「範囲」のこと。
たとえば、「クレジットカードの限度額」といった使い方をします。
これは、クレジットカードで買い物できる金額の「範囲」のこと。
仮にこの「限度額」が50万円の場合、買い物は1円~50万円の「範囲」で買い物をしなくてはいけません。
ちなみに、「クレジットカードの限度額」とはいいますが、「クレジットカードの限界額」とはいいません…。
②「限界」の意味とは!
「限界」は、ここから先はないというギリギリの境のこと。
「限度」は「程度」や「範囲」でしたが、「限界」は「境」を意味しています。
図形にたとえると、「限度」は「面積」でしたが「限界」は境界線なので「辺」が該当。
ですからその「境」、最終ラインのことですね。
「限界」の「限」は、前項でも説明しましたが「かぎり」のことで、これ以上はないという意味。
「限界」の「界」は、「さかい」「くぎり」「くぎる」という意味で、境界線をあらわしています。
ということで「限界」は、「ここが最終ライン」という「境」のこと。
たとえば、「体力の限界」といった使い方をします。
これは、「まだ体力が残っている」と「もう無理」との間の境界線のこと。
それを超えたら、もう動けないということです。
この「体力の限界」は、「体力の限度」とはいいません。
ですが、「限界」と「限度」の双方とも当てはまる使い方もあります。
具体的には、「我慢の限界」といった使い方。
これは、我慢できる部分と、我慢できない部分の境界線のこと。
要するに、その境界線を超えると我慢ができなくなってしまうということです。
「我慢の限界」と言う人の方が多いと思いますが、「我慢の限度」といった使い方もあるのは事実。
ちなみに、「我慢の限界」は境界線のことですが、「我慢の限度」となると我慢ができる範囲を指しています。
言っていることはどちらも同じなのですが、捉え方に違いがあるということ。
③「限度」と「限界」の違いを整理!
それでは、ここで一度「限度」と「限界」の違いを整理します。
これ以上はないと限られている程度や範囲が「限度」。
ここから先はないというギリギリの境が「限界」。
すごく似た意味なのですが、捉え方に微妙な違いがあります。
2.「限度」と「限界」の辞書での意味!
続いて、辞書による「限度」と「限界」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「限度」の辞書での意味!
【限度】
・物事の範囲や程度が、これ以上はないというところにあること。「―を超える」「がまんにも―がある」
引用元:旺文社国語辞典
「範囲」「程度」ですので、説明したとおりの内容です。
②「限界」の辞書での意味!
【限界】
・ここから先はないというぎりぎりの境。「能力の―」「我慢も―になる」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも「境」で、説明どおりですね。
3.「限度」と「限界」の使い方!
次に、「限度」と「限界」の使い方を例文で紹介します。
①「限度」の使い方!
・申込書ご提出により振込限度額を変更することができます。
・一年間に受ける放射線量の限度を250ミリシーベルトに特例的に引き上げた。
・均等割と所得割に対して、非課税限度額がもうけられています。
・今後の感染拡大のリスクが最小限度に抑えられるよう、これからも経過を観察する。
・サーバー増強の対応をしているが、民間企業なので限度がある。
②「限界」の使い方!
・果たすべきタイヤのグリップ力の限界値を導き出すセンシング技術を構築。
・既存システムの限界と、その解決策としてのブロックチェーン活用法。
・魚類の生息限界深度に近い水深8,178mで、魚類の存在が確認されました。
・この噴火は、予測の難しさと情報発表の限界を改めて知ることになる出来事だった。
・IDとパスワードを個人で管理する方法に限界があるのではないか。
4.「限度」や「限界」には似た意味の言葉がたくさんある!
「限度」や「限界」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「限度」と「限界」の意味の違いと使い分けについてでした。
「限度」は、これ以上はないと限られている程度や範囲のこと。
「限界」は、ここから先はないというギリギリの境のこと。
同じような意味でありながら、「限度を超える」の場合は許容の「範囲」、「限界を超える」はその「境界線」を指しています。