「削減」と「減少」。
この2つ、まぎらわしいです…。
仕事でもよく使いますよね…。
「経費を削減」
「経費が減少」
どちらも、正解のような気が…。
しかし、似ている「削減」と「減少」、実は意外な違いがあるらしい…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「削減」と「減少」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「削減」と「減少」の意味の違い!
まずは、「削減」と「減少」の意味の違いを端的にお伝えします。
「減少」とは、減って少なくなること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「削減」と「減少」の違いのポイント!
「削減」と「減少」の違いの最大のポイントとなるのは、「意識的に減らす」のか「結果的に減る」のかというところ。
「削減」は、減らすという目的のもと、意識的に減らすことです。
そして「減少」は、様々な減り方全て含め、結果的に減ること。
ですから、「減らす」のか「減る」のかの違いですね。
「削減」は大きくなり過ぎてなんとかしないといけない場面で使われます。
たとえば、大きくなり過ぎた「予算」など。
予算が膨らみ過ぎて、減らさなくてはいけない場面で「予算を削減」します。
一方の「減少」は結果的に減ることなのですが、たとえば魚の量などが当てはまります。
「サンマの水揚げが減少する」といった使い方をしますよね。
サンマは様々な理由で減ったと思われますが、結果的に減ったので「減少」です。
ちなみに冒頭で触れた「経費」ですが、「経費を削減」は、意図的に経費を減らすことなので正解。
そして「経費が減少」は、結果的に経費が減ったことなので、こちらも正解です。
②「削減」の意味のもう一つのポイント!
「削減」は、意図的に減らすことなのですが、その減らし方もポイントです。
「削減」は、削って減らすこと。
削り取るということですね。
たとえば、鉛筆を削る時は、木の部分を削って芯の部分を残しますよね。
これが削り取るイメージ。
「予算を削減する」といった場合は、無駄なものがないか徹底的に検証します。
そして、無駄と判断された仕事を減らすことで、予算を減らしていくということ。
これが「予算の削減」です。
ですから、「削減」は削ることが可能なもの、たとえば「量」「数」「お金」などに対して多く使われます。
③「削減」と「減少」の違いを整理!
それでは、ここで一度「削減」と「減少」の意味の違いを整理します。
削って減らすのが「削減」。
減って少なくなるのが「減少」。
意識的に減らすのが「削減」で、減り方はどうあれ結果的に減るのが「減少」です。
2.「削減」と「減少」の辞書での意味!
続いて、辞書による「削減」と「減少」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「削減」の辞書での意味!
【削減】
・数・量・金額などをけずって減らすこと。「予算を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「減少」の辞書での意味!
【減少】
・数量や程度がへって少なくなること。また、へらして少なくなること。「犯罪の―」「輸入量が―する」↔増加
引用元:旺文社国語辞典
「減少」も、前の項目で説明したとおりの内容ですね。
3.「削減」と「減少」の使い方!
最後に、「削減」と「減少」の使い方を例文で紹介します。
①「削減」の使い方!
・今年度は人員削減に取り組まなくてはいけない。
・食品ロス削減推進法が施行された。
・コスト削減のため希望退職者をつのる。
・二酸化炭素排出量を削減できる手段を検討する。
②「減少」の使い方!
・希望退職者が増えたことで従業員が減少した。
・コンビニエンスストアの来客数が減少傾向。
・生産量の減少に歯止めをかける。
・生態系がくずれて日本古来の淡水魚が減少している。
まとめ
以上が、「削減」と「減少」の意味の違いと使い分けについてでした。
「削減」は、削って減らすこと。
減らす目的のもと、意識的に削って減らすことです。
「減少」は、減って少なくなること。
どのような減り方があったとしても、結果的に減ることが「減少」です。