「公演」と「講演」。
漢字の読み方は、どちらも「こうえん」です。
まぎらわしですよね…。
日本語は、「科学」と「化学」のように、こういった言葉が多いです…。
そして、この「公演」と「講演」では実は全く意味が違うようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「公演」と「講演」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「公演」と「講演」の意味の違い!
最初に、「公演」と「講演」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「講演」とは、多くの観客に向かってある題目についての話をすること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、微妙な部分を含めさらに詳しく紐解いていきますね。
①「公演」の意味とは!
「公演」も「講演」も、どちらも多くの観客に向かって行うということは共通の部分。
しかし、「公演」で行うことは「演じる」です。
「演じる」というのは、「芝居」「音楽」「舞踏」などをやって見せること。
たとえば、「コンサート」や「サーカス」「バレエ」などがあります。
そして、実際にやって見せるという部分がポイント。
ですから、「映画」の場合は「公演」ではありませんよ。
確かに「映画」は、俳優が演じます。
ただし、演じたものを撮影し、そして収録したものを後日観客に見せますよね。
この場合は、直接やって見せるというものではありません。
ですから、「映画」の場合は「公演」ではなく「上映」となります。
②「講演」の意味とは!
「講演」も、多くの観客に向かって行います。
ただし、「講演」ですることはあるテーマに関するお話。
「演じる」のではなく、「話す」のです。
たとえば、「経済評論家の○○氏講演会、テーマは『リフレ政策の必要性』」といったもの。
必ず「テーマ」が存在します。
そして、ただ「話す」のではありません。
「話す」ことで、多くの観客が「知識」や「見聞」を広げるものでなくてはならないのです。
ですから、「漫才」や「落語」「講談」も話すことではありますが、これは「講演」とはいいません。
「漫才」も「落語」「講談」も、観客を楽しませるための「芸」であり、知識や見聞を広げる目的のものではありません。
つまり、「落語」も「漫才」も「公演」ということになります。
③「公演」と「講演」の違いを整理!
それでは、ここで一度「公演」と「講演」の違いを整理します。
多くの観客の前で劇や音楽などを演じるのが「公演」。
直接やって見せることなので、「映画」は「公演」とはいいません。
多くの観客に向かってある題目についての話をするのが「講演」。
「漫才」や「落語」は話すことですが、知識や見聞を広げるためのものではありませんので、「講演」ではなく「公演」です。
2.「公演」と「講演」の辞書での意味!
続いて、辞書による「公演」と「講演」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「公演」の辞書での意味!
【公演】
・多数の観客の前で劇・音楽・舞踏などを演じること。「追加―」
引用元:旺文社国語辞典
「演じる」とあります。
説明どおりの内容ですね。
②「講演」の辞書での意味!
【講演】
・ある題目について大勢の人に向かって話をすること。また、その話。「―会」
引用元:旺文社国語辞典
その目的までは記載されていませんが、前の項目で説明したとおりの内容です。
3.「公演」と「講演」の使い方!
次に、「公演」と「講演」の使い方を例文で紹介します。
①「公演」の使い方!
・宝塚歌劇団の公演スケジュールを確認する。
・歌舞伎座の公演チケットを購入した。
・ヴァイオリンリサイタルの公演情報。
・「シカゴ」のニューヨーク公演の日程。
②「講演」の使い方!
・講演会の講師に対し謝礼をお渡しする。
・スケジュールの都合で講演依頼をお断りする。
・講演会の司会進行役をつとめる。
・育児をテーマにした講演の講師適任者をさがす。
4.「公演」や「講演」には似た意味の言葉がたくさんある!
「公演」や「講演」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「公演」と「講演」の意味の違いと使い分けについてでした。
「公演」は多くの観客の前で劇や音楽などを演じることで、「講演」は多くの観客に向かってある題目についての話をすること。
「演じる」と「話す」の違いです。
ただし、「漫才」も話すことに違いないのですが、「漫才」は「話芸」ですので「演じる」「公演」が当てはまります。
ただし、「漫才師」や「落語家」が話芸を披露するのではなく、自分の人生経験についての話をするのは「公演」ではなく「講演」ですよ。