「責任」と「責務」。
似ていますよね…。
使う場面も、ほぼ同じだと思います。
しかし、この「責任」と「責務」、実は若干の違いがあるようで…。
しかも、「責任」の方が、意味が広いらしい…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「責任」と「責務」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「責任」と「責務」の意味の違い!
最初に、「責任」と「責務」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「責務」とは、果たさなくてはならない、し終えなくてはならないつとめのことです。
簡単にまとめると、こういった違いです。
なんとなく同じような意味合いですが、さらに詳細にわかりやすく紐解いていきますね。
①「責任」と「責務」の微妙な違い!
「責任」も「責務」も、しなくてはならないつとめという部分は共通しています。
そして違いは、「まだ結果を求めていない」「責任」、「果たすべきもの」の「責務」、ということ。
「果たす」とは「するべきことをし終える」ということですね。
若干ですが「果たすべきもの」の「責務」の方が、結果が求められる分その荷が重いということです。
「責任」の「任」は、「まかせられた役目」という意味。
つまり「責任」は、わかりやすく言うと「○○を、まかされた!しっかりやらなくては」ということですね。
まかされた段階であり、その結果まではまだ触れていない状態。
一方の「責務」の「務」は、「精一杯力を尽くし当たるべき役目」という意味。
ですから、「まかされた」だけではなく、さらに全力で取り組みより良い結果を残さなくてはいけません。
要するに「責務」は、「○○に対し、力を尽くして果たさなくては」ということですね。
「しっかりと、一生懸命頑張ります」が「責任」、「力を尽くして頑張って、結果を残します」が「責務」ということ。
ほぼ同じような意味ではありますが、若干「責務」の方がその荷が大きいということです。
②「責任」のもう1つの意味!
「責任」には、「しなくてはならないつとめ」という意味の他に、「損失や失敗などの罰を引き受ける」といった意味もあります。
たとえば、事故を引き起こした際は、被害者に対して賠償しなくてはならない時があります。
この賠償金を支払うこと、これが「責任」。
賠償金の支払いという「罰」を引き受けるのですね。
また、飲食店などで、お客様が何かの理由で憤慨したとします。
従業員の対応ではらちがあかず、支店長が責任者として対応しますよね。
この場合は、支店長がお客様の「怒り」という「罰」を引き受けます。
これも「責任」。
この「罰を引き受ける」という意味の「責任」は、「しなくてはならないつとめ」とはやや違いがありますよ。
③「責任」と「責務」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「責任」と「責務」の意味の違いを整理します。
しなくてはならないつとめが「責任」で、まだ結果には触れていません。
果たさなくてはならないつとめが「責務」、果たす、つまり結果が伴うということ。
通常は、「責任」と「責務」はほぼ同じような意味で使われますが、厳密には「責務」の方がより困難であるということですね。
また、「責任」には悪いことが起きた時に罰を受けるという意味もあります。
2.「責任」と「責務」の辞書での意味!
続いて、辞書による「責任」と「責務」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「責任」の辞書での意味!
【責任】
①しなくてはならないつとめ。「―を果たす」「無―」
②悪い結果が生じたとき、その原因にかかわった者として損失や罰などを引き受けること。「事故の―をとる」「―を転嫁する」
③[法]自分の行為について負わされる法律的な制裁。
引用元:旺文社国語辞典
意味①と意味②は前の項目で説明したとおりの内容ですね。
意味③は意味②の法律用語です。
②「責務」の辞書での意味!
【責務】
・責任と義務。果たすべきつとめ。「―を果たす」
引用元:旺文社国語辞典
「果たすべきつとめ」ということで、説明したとおりです。
それから、「責任」と「義務」を合わせた意味ということ。
「義務」も「しなくてはならないつとめ」ではありますが、その物事がハッキリしていて少し強めです。
ちなみに、「責任」と「義務」の違いについては、下の関連記事をご覧ください。
ぜひ、参考にしてみてください。
3.「責任」と「責務」の使い方!
最後に、「責任」と「責務」の使い方を例文で紹介します。
①「責任」の使い方!
・ペットを飼うのであればキチンと世話をしていく責任がある。
・あなた方は今日から社員であり法令を遵守しながら働く責任があります。
・この借金は責任を持って私が必ず全額返済します。
・大臣が責任をとって辞任することになった。
・車を相手車両にこすった責任をとって弁償しなくてはいけない。
②「責務」の使い方!
・あなたは十分にその責務を果たした。
・国務大臣としてその責務をまっとうしなくてはいけない。
・重い責務から解放されてすぐに体調を崩した。
・看護師の基本的責務とは。
・一人で背負っていた責務を分散するしかない。
まとめ
以上が、「責任」と「責務」の意味の違いと使い分けについてでした。
「責任」も「責務」も、ともにしなくてはならないつとめのこと。
しかし、「果たす」という結果も関係してくるのが「責務」の方です。
同じような意味で使われる「責任」と「責務」ですが、厳密には「責務」の方がより重いということ。
また、「責任」には悪いことが起きた時の損失や罰を引き受けるという意味もあります。
「責任をとって、辞任すべき」の「責任」ですね。