果物などの等級を表す、「秀」や「優」などの漢字…。
大学の成績を表す時も使われます。
問題は、この「秀」と「優」の違いで…どっちが上なのか判断しにくいところ…。
実は、この順位は「秀」が上で、その下が「優」です。
学業の成績も果物も、上から「秀」→「優」→「良」の順位。
このとおりで、どっちが上なのかであればこれで解決なのですが…。
でも、全ての漢字が「良い」意味で、覚えにくいですよね…。
しかも覚えにくいことに加え、人は意味や成り立ちが不明な言葉は、どうしても忘れてしまうものです…。
そこで記憶を植え付けるためにも、漢字の「秀」と「優」の意味などを紐解いてみました。
本記事では、「秀」と「優」の違いと、等級順位の理由についてわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、どうぞご期待ください!
1.「秀」と「優」の違い!どっちが上?
果物などの等級を、高い方から低い方へ並べると…。
ですから、この場合は「秀」が最も高級な果物ということ。
そして、大学などの成績の場合は下です。
この場合は、「秀」の成績がナンバーワンということ。
このように、基本的には「秀」が果物・学業ともに最上級ということになります。
ただし、果物などに関しては「秀」よりも上位の等級がある場合もあるのですが…。
その件については、次項で詳しく解説します。
そして、多くの人が間違ってしまうのが、「秀」と「優」の順位。
「秀」が最上位なのですが、言葉の意味をご理解いただくことで、なぜ最上位なのかがわかりますよ。
ということで、以下の辞書の内容をご覧ください。
最初は、「優」から。
【優[ユウ・やさ(しい)・すぐ(れる)・まさる]】
①やさしい。上品で美しい。
②ゆたか。㋐てあつい。「優待・優遇」㋑ゆったりした。「優游・優長」
③まさる。すぐれる。「優秀・優位・優等」↔劣
④判断力がとぼしい。「優柔不断」
⑤役者。「俳優・男優・女優・名優」
引用元:旺文社国語辞典
色々と意味がありますが、この中の③「まさる」「すぐれる」という意味が、等級に採用される理由です。
この、「さまる」「すぐれる」の意味は以下のとおり。
【まさる】
・他とくらべて上等である。程度が上である。すぐれる。「-とも劣らない(=同等以上である)「聞きしに-(=評判で聞いた以上の)才能」
引用元:旺文社国語辞典
【すぐれる】
・他よりまさる。「-・れた作品」「話術に-」
引用元:旺文社国語辞典
このように、「まさる」と「すぐれる」はほぼ同じ意味で、どちらかというと「あなたより上ですよ」的な意味です。
ですから、「グループ中で断トツのナンバーワン」といったニュアンスではありません。
では、「秀」の方はどうか?ですが…。
【秀[シュウ・ひい(でる)]】
・ひいでる。ぬきんでる。他のものよりすぐれる。すぐれたもの。「秀逸・秀才・秀麗・英秀・優秀」
引用元:旺文社国語辞典
「優」と同じ、「他のものよりすぐれる」「すぐれたもの」という意味がありますが…。
ポイントは、「ひいでる」「ぬきんでる」という部分。
ということで、「ひいでる」「ぬきんでる」の意味をご覧ください。
【ひいでる】
①非常にすぐれる。ぬきんでる。「一芸に-」
②はっきりと目立つ。「-・でた眉」
引用元:旺文社国語辞典
この中の①の意味、「非常にすぐれる」とあるとおり…。
ただ「すぐれる」だけではなく、「非常に」が加わっています。
下は「ぬきんでる」ですが…。
【ぬきんでる】
①他のものよりひときわ高く現われ出る。「-・でた高い塔」
②他よりとびぬけてすぐれる。「才能は衆に-」
引用元:旺文社国語辞典
この中の②の意味で、「他よりとびぬけてすぐれる」となっています。
ただ単に「すぐれる」のではなく、「他よりとびぬけている」ということ。
まとめると、「優」は「すぐれる」に対し、「秀」は「非常にすぐれる」「とびぬけてすぐれる」です。
「非常に」「とびぬけて」が加わる「秀」の方が、ただ「すぐれる」の「優」を上回るということ。
したがって、基本的に「秀」は最上級ということになります。
2.等級には「秀」より上がある?
前項では、等級の順位とその理由をお伝えしました。
「秀」→「優」→「良」→「無」
これは果物ですが、上のように「秀」が最上位。
ただし、果物に関してですが、地域によってはこの「秀」をさらに細分化している場合もあります。
それが下。
これは、「秀」の上に「特秀」があります。
そして、下のように違ったパターンも。
これは「秀」がなくなり、この「秀」が「特秀」「赤秀」「青秀」に3分割されています。
この「特秀」「赤秀」「青秀」の扱いは固定可されており、順位は必ず上から「特秀」→「赤秀」→「青秀」となっています。
また、地域によっては「特秀」「赤秀」「青秀」に「秀」が加わっていることもあるようですが…。
その場合、「秀」の位置については、その地域によって色々あるようです。
たとえば、「特秀」の次が「秀」でその次が「赤秀」など…。
「特秀」はわかりやすいのですが、そこに「秀」が加わるとまぎらわしくなります…。
まとめ
以上が、「秀」と「優」の違いと、等級に使われる理由などについてでした。
「秀」と「優」では、「秀」が上です。
違いは、「優」は「すぐれる」に対し、「秀」は「非常にすぐれる」「とびぬけてすぐれる」。
「非常に」「とびぬけて」が加わる「秀」の方が、ただ「すぐれる」の「優」を上回るということです。
したがって、最上級に位置するのは「秀」ということ。