故事成語である「朝三暮四」。
四字熟語でもあります。
「表面的な違いにとらわれてしまって、実は結果が同じことに気が付かない」という意味です。
また、言葉を巧みに使って結果が同じことを違うように見せかけるように、「うまい言葉で人をだます」という意味でも使われます。
では、この「朝三暮四」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「朝三暮四」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、短いものを簡単にわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.「朝三暮四」の例文!短いものを簡単にわかりやすく!
・店員に「値下げしたのでぜひ!」と言われて買ったドーナツセット、今まで5個入りだったのに4個入りになっていた…。値下げだと思ったら別に前と変わらない…朝三暮四だよ…。
・インターネット通販で全品送料無料と宣伝していたが、送料分が商品の価格に上乗せして値上がりしていた。これは朝三暮四だよね…。
・大安売りのスーパーがあるのでわざわざ遠出してきたのに、ガソリン代が余計にかかったので、結局は朝三暮四だな…。
・大安売りのスーパーに来たら、つい余計なものまで買ってしまい、結局出費はいつもと変わらない…。朝三暮四だよ。
・消費減税を公約に選挙を勝った政党が、裏で所得税を増税してしまった…。まったく朝三暮四だ…。
・高速道路の無料化を選挙公約にしていたのに、無料にはならずにETCの設置で安くなっただけ。だがETCを購入するための出費があったので結局は朝三暮四だな。何も得はなかった。
・あのクレーマーはまた店員の態度が悪いと苦情を言っていたがその後どうした…。今日は疲れているせいかわからないけど、ひたすら謝ったすぐに帰ったよ。いつもと同じ対応なのに朝三暮四だな。
・ダイエットといって食事の量を減らしているのに、食後にお菓子をそんなに食べたらダメじゃないの?朝三暮四だよ。
2.「朝三暮四」の由来とは!
「朝三暮四」の由来は、中国の思想家である列禦寇(れつぎょこう)の著書「列子(れっし)」。
また、実は同じ中国の思想家である荘子(そうし)の著書「荘子」にも同じ内容で登場します。
なぜか、「列子」と「荘子」に同じ内容の話が書かれているのですが、その理由はわかりません…。
内容は以下のとおりです。
狙公(そこう)の生活が貧しくなったことから、飼っていたサルのエサを減らさなくてはいけなくなります。
ちなみにこの狙公とは、名前ではなく「サル回し」「サル使い」「サル好きの人」という意味。
ですが、サルにしてみればエサを減らされてしまっては困ります。
そこで、狙公は言い方を工夫してサルを言いくるめようと考えました。
「今まで4つだった朝のエサを、今日から3つに減らす。夕方は今までどおり4つだ」と言ったのです。
やはり、減らされて困るサルは怒りました。
そこで、「わかった。そうであれば朝のエサを4つにして、夕方のエサを3つにするのはどうか?」といいました。
エサは減らされているのを気づかずに、サルは喜んで了承したのです。
要するに、サルはまんまとだまされてしまったということ。
これが、「朝三暮四」の由来です。
「表面的な違いにとらわれてしまって、実は結果が同じことに気が付かない」ということと、「うまい言葉で人をだます」という2とおりの意味があります。
まとめ
以上が、「朝三暮四」の例文についてでした。
参考にしてください。
ちなみに、「朝三暮四」の他に「朝四暮三(ちょうしぼさん)」があります。
これは、実は双方とも意味は全く同じで、使い分けの必要はありません。
それから、「朝三暮四」と似た言葉で「朝令暮改」があります。
「朝令暮改」は、朝に出した命令を夕方に改めるという意味で、つまりは方針がコロコロ変わって定まらないということ。
「朝三暮四」とは違いますので、気を付けましょう。