故事成語である「推敲(すいこう)」。
「文章を十分に吟味して、何度も練りなおすこと」という意味です。
つまりは、文章において最適な言葉を考えなおしたり、表現方法を考えなおしたりしてより良い文章にするということ。
では、この「推敲」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「推敲」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.故事成語「推敲」の例文を簡単な短文で(ビジネス編)!
・この企画の提案理由の部分は、もう少し推敲し心にささる文章にしてほしい。
・推敲前のプレゼン資料では相手は飽きてしまうと思ったが、だいぶ良くなった。
・この提案書は一度でも推敲した?全然思いが伝わらないのだけれど…。
・社外向けのプレゼンテーションなのだから、もう一度推敲した方がよい。
・この企画書は単なるテンプレートの書き写し、きちんと自分の言葉となるよう推敲するべき。
・契約書、言葉の選定が今一つでわかりにくい、推敲しなおしてみて。
・お客さま宛のメールでこの表現は不適切、推敲した方がよい。
2.故事成語「推敲」の例文を簡単な短文で(その他)!
・就職内定のお礼の手紙を推敲したけど、この内容をどう思う?
・この原稿は、まだ推敲の余地がありますね。
・結婚披露宴で読んだ手紙は、1カ月くらい前から推敲を重ねたものです。
・編集担当としては、推敲する力をつける必要がある。
・この論文は、最後の最後まで推敲を重ねた自信作なのですが。
・すみません、原稿の方はまだ推敲中です…。
・書いてからすぐに推敲するよりも、一度時間をおいた方がより良い文章になると思う。
まとめ
以上が、「推敲」の例文についてでした。
「推敲」の由来は、中国の故事「唐詩紀事(とうしきじ)」。
唐の国の詩人である賈島(かとう)が、詩の一文の「僧は推す月下の門」を「推す」にするか「敲く」にするか迷っていました。
ちなみに、「推す(おす)」は「門を前に押し出す」ことで、「敲く(たたく)」は「門をたたき衝撃を与える」という意味。
迷っていると、たまたま役人たちの列に突き当たってしまいました。
賈島は、その列の中に有名な詩人の韓愈(かんゆ)がいることに気づきます。
その韓愈は賈島に対し、なぜ列に突き当たったのか?とたずねました。
賈島は経緯を説明し、「僧は推す月下の門」の「推す」と「敲く」ではどちらが良いかたずねたのです。
それに対し韓愈は、「『敲く』の方だろう。月下に音を響かせるのは風情があっていい」と助言しました。
このことから、文章の字句や表現を十分に吟味して、何度も練りなおすという意味として「推敲」という言葉が誕生したのです。