故事成語である「塞翁が馬」。
「人間万事塞翁が馬」ともいいます。
意味は、「人生の幸や不幸は変転するものであり、予測できないもの」ということのたとえ。
つまりは、人生はいつでも幸せが不幸に、また不幸が幸せに転じるものであり、安易に喜んだり悲しんだりしてはいけないということを意味しています。
では、この「塞翁が馬」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「塞翁が馬」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.故事成語「塞翁が馬」の例文を簡単な短文で!
・足を複雑骨折して入院というどん底を味わったが、その病院で看護師をしていたのが現在の妻。もし骨折しなかったら妻に出会うことはなかったわけで、まさに塞翁が馬でしょ。
・誰もがうらやむ美しい女性と結婚して浮かれていたが、女は3ヶ月後にほとんどの財産を持ち逃げして行方不明…。塞翁が馬だよ…。
・就職氷河期で就職浪人した。結局就職はあきらめて、自分で事業を始め現在では巨額の富を得ることができたのは塞翁が馬のような話。
・宝くじで1等当選して大喜びだったのが、その金が原因のトラブルで親族がバラバラになってしまったのは悲しいこと…。塞翁が馬といいましょうか…。
・ホテルにチェックインしようとしたら、ホテル側の手違いで「予約がされていない」とのこと…。結局普通の部屋に空きがなく、普通の部屋と同じ価格でスイートルームに泊まれることになったのは塞翁が馬だ。
・就職の内定が取り消しされて、仕方なく第2希望の会社に就職した。でも3年後に内定を取り消した会社が倒産した。今思えば取り消ししてくれた方が良かったわけで、塞翁が馬だよ。
・「人間万事塞翁が馬」という言葉のように、現在の「禍」の騒ぎは、よくとらえれば必ず終わりがくる。始まりがあれば終わりはある。とにかくみんな健康で元気でいるしかない。
・日銀総裁候補に挙がりながら国会の同意が得られなかったことについて、「人間万事、塞翁が馬」と述べて現在の気持ちを語るとともに、今後は民間の立場でより自由に情報発信していくと、抱負を語りました。
2.故事成語「塞翁が馬」の由来とは!
「塞翁が馬」の由来は、中国の思想書「淮南子(えなんじ)」。
要塞に住んでいた、占いの力がある老人の物語です。
ある日、老人の馬が逃げてしまいました。
周囲の人々は老人の不運に同情してくれたのですが、老人本人はこの不幸が幸福に転じるかもしれないと発言します。
それからしばらくして、逃げた馬がなんと戻ってきました。
しかも、馬はもう1頭足の速い優れた馬を連れて戻ってきてくれたのです。
周囲の人々は老人の幸運をお祝いしてくれたのですが、老人本人はこの幸運が不幸に転じるかもしれないと発言します。
その後、老人の息子がこの足の速い馬に乗っていたのですが、落馬により足を骨折しました。
周囲の人々は息子の怪我をお見舞いしましたが、老人はこの怪我が幸運に転じるかもしれないと発言します。
ちょうどその頃、戦乱により徴兵が行われたのですが、息子は骨折により徴兵を免除されました。
多くの兵士は戦争により命を失ってしまった中、老人の息子は命拾いをしたのです。
といった、不幸が幸福に、幸福が不幸に転じるというエピソードです。
まとめ
以上が、「塞翁が馬」の例文についてでした。
ぜひ、参考にしてください。
「塞翁が馬」は、言いかえるならば「雨降って地固まる」「怪我の功名」とか、「人生楽ありゃ苦もあるさ」といったものです。
まあ、ちょっとした状況の変化で、喜んだり悲しんだりしてはいけないということですね。
周りの状況に、簡単に振り回されてはいけないということ。