部屋をしっかりと掃除をすると、「綺麗」になります。
また、美しい花などは「綺麗」な花といいますよね…。
ただし、パソコンなどで「きれい」と入力して変換ボタンを押すと「奇麗」という漢字も現れます…。
なぜ、漢字が2種類存在するのかも不思議なのですが…。
新聞やテレビの報道などでは、「綺麗」や「奇麗」といった漢字をみかけません…。
報道などでは、なぜかひらがなか、カタカナで「きれい」とか「キレイ」と表記されます…。
ということで、この「綺麗」の漢字を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「綺麗」の漢字の違いや使い分け方法、また、ひらがなやカタカナ表記が多い理由について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「綺麗」の漢字の違いと使い分け!
最初に、「綺麗」と「奇麗」の漢字の違いと使い分けを簡潔にお伝えします。
ですが、「綺麗」は常用漢字ではないため公用文などに使うことはできません。
「奇麗」は、常用漢字であるため公用文含めどのような文書に対して使うことが可能。
個人で作成する文書には、「綺麗」「奇麗」どちらも使うことができます。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①個人で発信する文書の場合!
「奇麗」は常用漢字ですが、「綺麗」はそうではありません。
そもそも、常用漢字とは数多くある漢字の中で、「この範囲内で使いましょう」と国が定めた漢字のこと。
同じ意味の漢字が数限りなく乱立すると、混乱が生まれますからね…。
ただし、定めるといってもあくまでも「目安」としただけであって、使用を禁じるものではありません。
ですから、個人で何かを発信する場合には、「綺麗」「奇麗」どちらを使っても大丈夫です。
②「綺麗」は公用文などでNG!
「綺麗」は常用漢字表にはない漢字。
ですから、公用文などで常用漢字ではない「綺麗」は使用不可。
したがって、公用文で漢字表記する場合は「奇麗」の方を使わなくてはいけません。
また、新聞やテレビなどは公的な機関ではありませんが、独自に使用できる漢字を定めています。
その漢字のほとんどが常用漢字となっているために、新聞報道では常用漢字ではない「綺麗」は使われません。
2.「綺麗」の漢字ではなくひらがなが使われる理由!
さてさて、「綺麗」は常用漢字ではないため、新聞やテレビなどでは基本的に使われません。
ただし、だからといって新聞などでは、「奇麗」の方を見たことがありません…。
その理由を説明します。
①「綺」と「奇」の漢字の意味!
普段、目にすることが多いのは「綺麗」の方。
「キレイ」といえば「綺麗」の方がふさわしいような気がします。
それもそのはず、「綺麗」の「綺」は「うつくしい」「きらびやか」「はなやか」「あや」「あやぎぬ」「あや織りの絹」といった意味。
まさに「綺」という漢字は、「綺麗」という言葉の意味にピッタリです。
一方の「奇麗」の「奇」は、「めずらしい」「ふつうでない」「あやしい」「ふしぎな」という意味。
なんとなく、美しいことを意味する言葉として「奇」はズレがあります。
おそらくは、「普通でないほど、美しい」ということで「奇麗」なのだと思いますが…。
なんとなく、しっくりきません…。
②新聞報道でひらがなが使われる理由!
新聞やテレビなどでは、なぜ「奇麗」ではなく「きれい」「キレイ」が使われるのか?
その真相については、正直わかりません。
ですが、前項で説明したとおり「奇」という漢字の持つ意味が大きく関係していると思います。
そもそも、「奇」という字は「美しい」というイメージとはかけ離れた漢字。
「怪奇現象」「奇声」「奇襲攻撃」「奇怪」「奇形」「奇想天外」「奇妙」、といった使い方をします。
なんとなく、「美しい」とはかけ離れた嫌なイメージですよね…。
また、新聞やテレビ以外にも…。
想像ではありますが…公用文であっても、もしかしたら「奇麗」よりも「きれい」「キレイ」が使われているのではないでしょうか…。
3.「綺麗」の辞書での意味!
最後は、辞書に「綺麗」と「奇麗」の漢字が使われているのか、確認します。
【きれい(奇麗・綺麗)】
①(見て)美しいさま。「―な花」
②(聞いて)心地よいさま。「―な声」
③汚れがないさま。清潔なさま。「手を―に洗う」
④上手で整っているさま。「―な字」
⑤潔いさま。「引き際が―だ」
⑥(「きれいに」の形で)あとに何も残さないさま。すっかり。「―に忘れる」
引用元:旺文社国語辞典
ということで、「奇麗」と「綺麗」両方ともキチンと記載されていました。
それにしても、意味の種類がたくさんあります。
ただ「美しい」だけではなく、「心地よい」や「整っている」「潔い」など様々。
普段は、あまり気にすることなく使う言葉ではありますが…。
意味的にはかなり幅広いということです。
まとめ
以上が、「綺麗」の漢字の違いや使い分け方法、また、ひらがなやカタカナ表記が多い理由についてでした。
「綺麗」と「奇麗」の意味に違いはありませが、「綺麗」は常用漢字ではなく「奇麗」は常用漢字。
したがって、公用文などで漢字表記をする場合は、「奇麗」を使わなくてはいけません。
個人で作成する文書の場合は、「綺麗」「奇麗」どちらも使うことができます。
常用漢字である「奇麗」は、普段はあまり目にしません。
それは「奇麗」の「奇」の漢字の持つ意味が関係し、敬遠されているものと思われます。
「奇」という漢字は、「めずらしい」「ふつうでない」「あやしい」「ふしぎな」という意味。
「怪奇現象」「奇声」「奇襲攻撃」といった使い方をします。