故事成語である「蛍雪の功」。
「苦労して学問に励んだ、その成果」という意味です。
つまりは、一生懸命に勉強を頑張って、最後には難関大学などに合格するということ。
また、成果は抜きにして、ただ「苦労して学問に励む」という意味もあります。
では、この「蛍雪の功」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「蛍雪の功」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.故事成語「蛍雪の功」の例文を簡単な短文で!
・この校歌の光の意味は、努力を重ねて蛍雪の功となってほしいという願いを込めています。
・集中力も続かず、夏休みの宿題は2学期初日に間に合わない、蛍雪の功とは無縁でした。
・本校で勉学されていたお子様には蛍雪の功なり、めでたくご卒業となりました。
・皆様におかれましては蛍雪の功成り、いよいよ実社会に旅立たれようとする人生で最も大切な時期です。
・受験生の皆様はセンター試験が終わっても「蛍雪の功」で頑張ってください!
・鈴木氏は早くに父親を亡くし、貧しい生活の中、母親の手で6人兄弟が育てられ、鵡川町の二宮金次郎と呼ばれていたという、蛍雪の功とはまさにこのこと。
・諸君が希望にもえて当大学に入学してから4年あるいは6年間、蛍雪の功なって今日ここに新しく学土号を得られたのであります。
・将来は高校卒業後に直ちに社会に出る人や、さらに大学に進み蛍雪の功を重ねる人もいると思います。
・学生等が数年間勤学し、蛍雪の功をつみ業成り事遂げて学校を去るに当り、別れを同窓の友につげる。
2.故事成語「蛍雪の功」の由来とは!
「蛍雪の功」の由来は、中国の史書である「晋書」。
車胤(しゃいん)と孫康(そんこう)という、2人の若者がいました。
彼らは、ともに官僚になるために学問に励んでいたのですが、実は彼らは貧しかったせいで灯油を買うお金がありません。
そのため、真っ暗になる夜は明かりをともすことができず、夜の勉強はあきらめていたのです。
そこで車胤は、ホタルの光を使って勉強をすることを思いつきます。
車胤は、何十匹もホタルを集めて袋に入れ、その光を使い勉強に励みました。
一方の孫康は、雪が反射する光が意外に明るいことに気付きます。
孫康は、雪を窓の外に積み、その反射で部屋を明るくして勉強に励みました。
やがて2人は、その努力が報われ、無事官僚になることができたのです。
この史書にある、蛍と雪を合わせて「蛍雪」という言葉が生まれました。
そして、「功」は成し遂げた仕事や功績のこと。
余談ではありますが、卒業式でよく歌われる「蛍の光」には「蛍の光、窓の雪」という歌詞がありますよね。
「蛍の光、窓の雪」は、実はこのエピソードがもとになっているのですよ。
まとめ
以上が、「蛍雪の功」の例文についてでした。
ぜひ、ご参考にどうぞ。
ちなみに、「蛍雪の功」と同じエピソードからできた四字熟語として、「蛍窓雪案(けいそうせつあん)」「雪案蛍窓(せつあんけいそう)」「孫康映雪(そんこうえいせつ)」「車胤聚蛍(しゃいんしゅうけい)」といったものがあります。
「孫康映雪」は孫康が雪を積んで勉強したエピソード、「車胤聚蛍」は車胤がホタルを集めて勉強したエピソードですね。
「車胤聚蛍」の「聚」は集めるという意味です。