「偽装」と「偽造」。
この違いって、まぎらわしいですよね…。
もしかして、同じ意味なのでしょうか?
たとえば、「札束に似せて偽装する」と「札束に似せて偽造する」では何がどう違う?
なんとなく、どちらもありそうです…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「偽装」と「偽造」では明確な違いがありました!
本記事では、「偽装」と「偽造」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「偽装」と「偽造」の意味の違い!
最初に、「偽装」と「偽造」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「偽造」とは、本物をまねてにせものをつくること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「偽装」の意味とは!
「偽装」は、だますことを目的に、ある物事をおおい隠すためによそおうこと。
「偽装」と「偽造」はどちらも、「だますこと」です。
ですから、どちらも「にせもの」の「偽(にせ)」という字が使われています。
そして、「偽装」は「にせもの」を「よそおう」こと。
つくることではなく、おおい隠してよそおうのです。
たとえば、よくニュースになるのが「食品の産地偽装」。
これは、実は外国産でありながら、「日本産ですよ」とよそおうこと。
つくることではありません。
あとは、冒頭で紹介した「100万円の札束に似せて偽装する」。
これは、偽札をつくることではありません。
たとえば、100万円の札束の一番上と下だけ本物の1万円札にして、残りの98枚を紙きれだけにするイメージです。
つまり、本物の1万円札でにせもののお金をおおい隠し、よそおうということ。
ちなみに、「偽装」して相手に損害を与えると犯罪になります!
絶対にやめましょうね。
②「偽造」の意味とは!
「偽造」は、本物をまねてにせものをつくること。
「にせもの」を「つくる(造る)」で、「偽造」です。
「偽造」は「おおい隠す」必要も「よそおう」必要もありません。
本物に似せて、つくってしまっていますので、おおい隠す必要がないのです。
たとえば、冒頭で紹介した「100万円の札束に似せて偽造する」といった場合。
これは、本物の1万円札に似せて、にせものの1万円札100枚を印刷してしまうこと。
実際に、印刷してつくらなくてはいけませんので、よそおうだけの「偽装」に比べて「偽造」の方が労力が必要になります。
ちなみに、偽札をつくる行為は犯罪ですよ!
絶対にやってはいけません!
③「偽装」と「偽造」の違いを整理!
それでは、ここで一度「偽装」と「偽造」の違いを整理します。
だますことを目的に、ある物事をおおい隠すためによそおうことが「偽装」。
そして、本物をまねてにせものをつくることが「偽造」。
「よそおう」のが「偽装」、「つくる」のが「偽造」です。
2.「偽装」と「偽造」の辞書での意味!
続いて、辞書による「偽装」と「偽造」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「偽装」の辞書での意味!
【偽装】
・人や敵の目をあざむくために、ほかの物と見分けがつかないようにすること。また、そのもの。カムフラージュ。「―工作」「―した兵士」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「偽造」の辞書での意味!
【偽造】
・にせ物を造ること。「―紙幣」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「偽装」と「偽造」の使い方!
次に、「偽装」と「偽造」の使い方を例文で紹介します。
①「偽装」の使い方!
・建物の揺れを抑える免震ゴムの、性能データの偽装が発覚した。
・外国産牛肉に「和牛」と偽装表示したとして神戸の食肉卸会社の元社長が逮捕された。
・超有名なホテルレストランでは、食品偽装を自主的に報告し社長は辞任した。
・外国人女性に在留資格を取得させるため、偽装結婚したとみられる男女らが逮捕された。
②「偽造」の使い方!
・女は詐欺と公文書偽造の容疑で逮捕され、起訴手続きに入っている。
・収入印紙は、新たな偽造防止加工を施したデザインに一新する。
・ブレーキパッドの正規品と偽造品を同条件で比較した結果、大きな違いがあった。
・愛知県警がBBSホイールの偽造品をネット等で販売した男を逮捕。
4.「偽装」や「偽造」には似た意味の言葉がたくさんある!
「偽装」や「偽造」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「偽装」と「偽造」の意味の違いと使い分けについてでした。
「偽装」は、だますことを目的に、ある物事をおおい隠すためによそおうこと。
「偽造」は、本物をまねてにせものをつくること。
ちなみに、「偽」は「いつわる」「だます」「にせ」「にせもの」という意味があります。
「偽善」「虚偽」といった使い方をします。