「選抜」と「選考」。
似ています…。
といいますか、違いはあるのだろうか…???
しかし、よく考えたら「文芸コンクールの選考会」とはいいますが、「文芸コンクールの選抜会」とはいわないような…。
ということは、「選抜」と「選考」には違いがあるということか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「選抜」と「選考」には確かな違いがありました!
本記事では、「選抜」と「選考」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「選抜」と「選考」の意味の違い!
最初に、「選抜」と「選考」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「選考」とは、多くの中から適・不適などを考えて選ぶこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「選抜」の意味とは!
「選抜」は、多くの中からよいものを選んで、抜き出すこと。
「選抜」の意味のポイントは2つあります。
それは、「考える」という工程がないことと、「抜き出す」ということ。
まず、「考える」という工程がないということに関して説明していきますね。
「選考」の方は「考える」のですが、「選抜」は「考える」ということに重点は置かれていません。
たとえば、「選抜試験」といえば、その試験の成績で選ばれる人物が決定します。
基本的には試験の成績で自動的に決まりますので、考える余地がありません。
これは、スポーツにおける「選抜大会」も同様。
出場チームは、試合の勝敗で選ばれます。
ただし、「考える」要素が全くのゼロなのか?といえば必ずしもそうではありません。
「世界選抜チームに選ばれた」といった場合は、テストなどで選ばれたわけではありません。
その人たちの実力をよく考えて選ばれたということ。
この場合は「選抜」と「選考」が同じ意味なってしまいますが、そういったケースもあるということです。
あくまでも、「考える」ことに重点がおかれていないということですね。
それから、意味のもう一つのポイントである「抜き出す」ということについて説明します。
「抜き出す」ということは、「引き抜く」「取り出す」「引っ張り出す」ということ。
これはつまり、「抜き出された物や人」が別のステージに進むということです。
ただ単に「選ぶ」ということではなく、その選ばれた人には別のステージが待っているのですね。
たとえば、「本大会に出場する選手11名を決めるため、30人の部員全員で選抜テストを行う」といった使い方をします。
この場合は、抜き出された11人は「本大会」という別のステージが待っています。
また、「留学希望者の中から、試験の成績で2名を選抜する」といった使い方も。
この場合、抜き出された2人には別のステージとして「留学」が待っています。
②「選考」の意味とは!
「選考」は、多くの中から適・不適などを考えて選ぶこと。
「選考」の意味のポイントは、「考える」という部分です。
しかも、「別のステージ」があるかどうかということについては、触れていません。
つまりは、「別のステージ」がある場合もあれば、ない場合もあるということ。
「考える」というポイントについて詳しく説明しますね。
「考えて選ぶ」ということは、試験の成績や勝敗などで自動的に選ぶということではありません。
適正があるのかどうかを、よく考えて選ぶのです。
場合によっては調査する場合もあるでしょう。
気をつけなくてはいけないのが、その「考える」ための手段の一つとして「試験」や「勝敗」などが採用されることもあるということです。
ただし、これは「考える」ための参考資料という位置づけであり、「選抜」のように「成績」や「勝敗」で自動的に選ぶということではありません。
あと、「別のステージ」に関する説明をします。
たとえば、「文芸コンクールの選考会」というものがありますが、この場合は「別のステージ」に進むというものではありません。
あくまでも、優秀賞や最優秀賞などを選ぶということです。
ただし、こういった「選考会」は何度も行われるケースがありますよね。
たとえば「一次選考」となれば、次は「二次選考」や「最終選考」といったように「別のステージ」が待っていることになります。
別のステージがない場合もあれば、ある場合もあるということ。
③「選抜」と「選考」の違いを整理!
それでは、ここで一度「選抜」と「選考」の違いを整理します。
多くの中からよいものを選んで、抜き出すのが「選抜」。
成績や勝敗などで自動的に選ぶのが基本で、そして選ばれた人は別のステージに進みます。
多くの中から適・不適などを考えて選ぶのが「選考」。
成績や勝敗などで自動的に選ぶのではなく、様々な面をよく考えて選びます。
2.「選抜」と「選考」の辞書での意味!
続いて、辞書による「選抜」と「選考」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「選抜」の辞書での意味!
【選抜】
・多数の中からよいものをよりぬくこと。選び出すこと。「―チーム」「試験で―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「選考」の辞書での意味!
【選考】
・(多くの中から)人物・才能・適否などを調べて、適任者やそれに最適のものを選ぶこと。「書類―」「後任を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「選抜」と「選考」の使い方!
次に、「選抜」と「選考」の使い方を例文で紹介します。
①「選抜」の使い方!
・2021年度入学者選抜試験の日程および方法等の一部変更について。
・高校留学生入試IIの選抜をオンラインで実施することを公表した。
・中高世代のバスケットボールU18の各カテゴリで15人ほどを選抜する。
・全日本学生選抜卓球選手権大会が行われ、本学からも4名の選手が参加しました。
②「選考」の使い方!
・東京五輪代表6人については選考を見直さない方針を明らかにした。
・学芸部門の責任者となる芸術監督を十月ごろに選考すると発表した。
・ミス日本のゆかた2019選考オーディションが開催された。
・サッカースクール生徒募集及び選考会のご案内。
4.「選抜」や「選考」には似た意味の言葉がたくさんある!
「選抜」や「選考」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「選抜」と「選考」の意味の違いと使い分けについてでした。
「選抜」は、多くの中からよいものを選んで、抜き出すこと。
「選考」は、多くの中から適・不適などを考えて選ぶこと。
選んで引き抜く「選抜」と、考えて選ぶ「選考」の違いです。