「協力」と「団結」。
この違いって…、似ていてまぎらわしいですよね…。
「選挙で協力する」ともいいますし、「選挙で団結する」ともいいます…。
でも、よく考えると「甲子園出場を目指して部員が団結する」とはいいますが、「甲子園出場を目指して部員が協力する」だと何か違うような…。
これはつまり、「協力」と「団結」には違いがあるということか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「協力」と「団結」には決定的な違いがありました!
本記事では、「協力」と「団結」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「協力」と「団結」の意味の違い!
まずは、「協力」と「団結」の意味の違いを端的にお伝えします。
「団結」とは、多くの人が同じ目的のもとに、しっかりとまとまること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「協力」の意味とは!
「協力」は、力を合わせて何かを行うこと。
「協力」は、「団結」との違いのポイントが2つあります。
ポイントの1つが、「団結」は「多くの人」が対象でしたが、「協力」は最低2人でもオッケー。
つまり、「私はあなたに協力します」といいますが、「私はあなたと2人で団結します」だと何かおかしいですよね…。
「団」は「劇団」や「軍団」という言葉に使われますが、「劇団」や「軍団」が2人だけだと少し不釣合いです…。
その点では、「協力」は2人だけでも違和感なく使うことが可能。
「2人で協力して仕事をする」といった使い方をします。
もう1つのポイントが、「団結」は「しっかりとまとまる」ことでしたが、「協力」はまとまる必要がありません。
たとえば、わかりやすいたとえが「選挙協力」。
現在は「自民党」と「公明党」が連立政権である関係上、選挙ではお互いの党を助けます。
これが、選挙の当選を目指した「協力」。
ですが、「自民党」と「公明党」はあくまでも別々の政党であり、まとまっているわけではありません。
それは、お互いの政党の「政策」に違いがあるから。
あくまでも、「選挙」に限った「協力」ということであり、まとまるわけではないということです。
②「団結」の意味とは!
「団結」は、多くの人が同じ目的のもとに、しっかりとまとまること。
「団結」のポイントは、前の項目でも触れたとおり「多くの人」が「しっかりとまとまる」ことです。
この、「しっかりとまとまる」ためには、全員が同じ目的を持っていなくてはいけません。
たとえば、高校の野球部員全員が一生懸命練習したとしても、各自の目的が「体力づくり」などバラバラだったらどうなるでしょうか?
キャプテンが「甲子園出場を目指すぞ!」といったとしても、実現は難しいのではないでしょうか…。
全員が「甲子園出場を目指す」という同じ目的があって、はじめて「団結」できるということ。
そして「団結」することで、よりその目的の実現に近づくのです。
ということで「団結」は、「協力」と比べてかなりハードルが高くなり、簡単ではないということです。
野球部員が「協力」しただけでは、甲子園にはいけません。
③「協力」と「団結」の違いを整理!
それでは、ここで一度「協力」と「団結」の違いを整理します。
力を合わせて何かを行うことが「協力」。
多くの人が同じ目的のもとに、しっかりとまとまることが「団結」。
目的が違っていたとしても気軽にできるのが「協力」ですが、「団結」は共通の目的を持つ人どうしでなくてはいけません。
2.「協力」と「団結」の辞書での意味!
続いて、辞書による「協力」と「団結」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「協力」の辞書での意味!
【協力】
・力を合わせて行うこと。「―を求める」「仕事に―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「団結」の辞書での意味!
【団結】
・多くの人が、同じ目的のもとに信頼し合い、しっかりとまとまること。「一致―」「固い―」
引用元:旺文社国語辞典
「団結」についても、説明したとおりの内容ですね。
3.「協力」と「団結」の使い方!
次に、「協力」と「団結」の使い方を例文で紹介します。
①「協力」の使い方!
・国交省がJAFの協力を得て「自動車の路上故障」についてまとめた調査結果。
・繁華街などで外出自粛への協力を呼びかけている。
・日本郵便株式会社のご協力下で行うもの。
・セキュリティ確保へご理解とご協力をお願いします。
②「団結」の使い方!
・ラグビーは全ての人々を団結させる力がある。
・出場国が団結力の強さやチームワークの良さを生かし競い合う。
・能力を存分に発揮できるよう、全社員が一致団結すべきとき。
・働く人たちが団結して、労働条件の改善などを交渉する。
4.「協力」や「団結」には似た意味の言葉がたくさんある!
「協力」や「団結」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「協力」と「団結」の意味の違いと使い分けについてでした。
「協力」は、力を合わせて何かを行うこと。
「団結」は、多くの人が同じ目的のもとに、しっかりとまとまること。
「協力」にくらべて、「団結」は簡単ではありません。
ただし、ひとたび「団結」が実現すれば大きな力を発揮します。