「単純」と「簡単」。
一見、同じ意味に思えてしまいます…。
だって、「単純な仕組み」と言いますし、「簡単な仕組み」とも言いますよね…。
しかし、「解答に1時間もかかった。簡単ではなかった…」とはいいますが…。
これが、「解答に1時間もかかった。単純ではなかった…」となるとなんだか変です…。
ということは、「単純」と「簡単」には違いがあるということ…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「単純」と「簡単」には明確な違いがありました!
本記事では、「単純」と「簡単」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「単純」と「簡単」の意味の違い!
まずは、「単純」と「簡単」の意味の違いを端的にお伝えします。
「簡単」とは、込み入ってなくわかりやすいさまのこと、また、手数や時間がかからないさまのこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「単純」の意味とは!
「単純」は、込み入ってなくわかりやすいさまのこと。
つまり、「複雑じゃない」ということです。
たとえば、「パソコンの仕組み」と「割り箸の仕組み」で説明しますね。
「パソコンの仕組み」はとても複雑で、どういった仕組みになっているかということを素人が説明するのはまず無理。
「パソコンの仕組み」と比較して、「割り箸の仕組み」はわかりやすいです。
割り箸は、20センチくらいの木製の棒。
さらにその棒が、真っ二つに割れるように切り込みが入っているだけ。
といった具合に、説明も可能です。
こういった、込み入っていない、わかりやすいさまが「単純」ということ。
ですから、「割り箸の仕組みは単純です」という例文が成り立ちます。
さらに、「パソコンの仕組みは単純ではない」ということ。
「単純」は、人間の考えが浅い、また、混じりけがないという意味でも使われます。
よく女性の間で、「男って、どうしてこうも単純なんだろう…」といった使い方をしますよね。
込み入っていないということではなく、物事を深く考えないといった意味で使われています。
それから、混じりけがないという意味では、「単純林」といった使い方があります。
「単純林」とは、一種類の樹木で成り立っている森林のこと。
まさに、他の種類の木が混じっていないということです。
これも、込み入っていないということではありません。
②「簡単」の意味とは!
「簡単」は、込み入ってなくわかりやすいさまのこと、また、手数や時間がかからないさまのこと。
意味が2つあるということです。
最初の「込み入ってなくわかりやすいさま」というのは、「単純」と意味が全く同じ。
ですから、「割り箸の仕組みは単純です」といった例文を「簡単」に置き換えることができます。
「割り箸の仕組みは簡単です」で、違和感がありませんよね。
さらに、「パソコンの仕組みは単純ではありません」を「パソコンの仕組みは簡単ではありません」と置き換えても間違いではありません。
ただし、「人間の考えが浅い」「混じりけがない」という意味は、「簡単」にはありませんよ。
もう一つの、「手数や時間がかからないさま」は「簡単」独自の意味です。
この意味は、「単純」にはありません。
たとえば、難しいテスト問題を解いたとします。
「問題を解くのに1時間もかかった。簡単ではなかった」
といった使い方をします。
つまり、手数や時間がかからない問題ではなかったということ。
この例文を「単純」に置き換えることはできません。
「問題を解くのに1時間もかかった。単純ではなかった」
となると、なんとなく変です。
つまり、「簡単な問題」=「単純な問題」ではないということ。
③「単純」と「簡単」の違いを整理!
それでは、ここで一度「単純」と「簡単」の違いを整理します。
込み入ってなくわかりやすいさまという意味は、「単純」と「簡単」の共通の意味。
手数や時間がかからないさまという意味は、「簡単」独自の意味。
また「単純」は、「込み入ってなくわかりやすいさま」という意味から、「考えが浅い」「混じりけがない」という意味でも使われます。
2.「単純」と「簡単」の辞書での意味!
続いて、辞書による「単純」と「簡単」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「単純」の辞書での意味!
【単純】
①仕組みが簡単なさま。「―な構造」↔複雑
②まじりけのないさま。「―林」
③考え方が一面的で浅いさま。「―な男」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおり、意味が3種類あります。
②「簡単」の辞書での意味!
【簡単】
①こみいっておらず、わかりやすいさま。↔複雑
②時間・手数のかからないさま。「夕食は―にすます」
引用元:旺文社国語辞典
意味が、2種類。
内容も説明どおりですね。
3.「単純」と「簡単」の使い方!
次に、「単純」と「簡単」の使い方を例文で紹介します。
①「単純」の使い方!
・一番にゴールした人が優勝という単純明快なレースです。
・「校則なら、なんでもかんでも廃止しろ」という単純な流れになっていきかねない。
・単純な動作であっても、いくつかの筋肉と関節が連続的に動く。
・正義か悪かという単純な構図でしか考えられません。
・「薄い」「効き目がなさそう」など誤解を受けやすい単純温泉だが…。
②「簡単」の使い方!
・つくりも簡単で掃除がしやすい形状になっている。
・構造も複雑ではなく簡単にできている。
・ユニットバスはお手入れが簡単で清潔感がある。
・切り替えをWEBブラウザ画面から簡単に行うことができる。
・自宅でできる、超簡単トレーニングをご紹介します。
4.「単純」や「簡単」には似た意味の言葉がたくさんある!
「単純」や「簡単」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「単純」と「簡単」の意味の違いと使い分けについてでした。
「単純」は、込み入ってなくわかりやすいさまのこと。
「簡単」は、込み入ってなくわかりやすいさまのこと、また、手数や時間がかからないさまのこと。
シンプルが「単純」と「簡単」、イージーが「簡単」です。