「最中」と「途中」。
似ていて、まぎらわしいですよね…。
といいますか…、同じ意味では??
でも、冷静に考えてみると…。
「途中下車」「途中で下車する」といいますが…。
「最中下車」「最中で下車する」とはいいません…。
ということは、「最中」と「途中」は意味が違うということか??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「最中」と「途中」には確かな違いがありました!
本記事では、「最中」と「途中」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「最中」と「途中」の意味の違い!
最初に、「最中」と「途中」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「途中」とは、物事が行われてまだ終わらない段階のこと、また、出発してから目的地に着くまでの間のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「最中」の意味とは!
「最中」には、2種類の意味があります。
1つ目が、物事が行われてまだ終わらない段階のこと。
たとえば、収益金額を集計し始めたとしましょう。
その計算がまだ終わらない段階、これが「最中」です。
「今計算している最中なので少し待って」
といった使い方をします。
2つ目が、物事が行われて盛り上がっている段階のこと。
つまり、単に物事が終わらない段階ではなく、その物事が丁度盛り上がっている段階のことです。
言い換えるならば、「真っ盛り」「たけなわ」の時ですね。
たとえば、ボクシングの世界タイトルマッチが丁度盛り上がっている時、これが「最中」です。
具体的には、「タイトルマッチの最中に、リングにパラグライダー男が乱入しました」といった使い方をします。
ちなみに、このパラグライダー男の乱入は実際にあった事件ですよ。
②「途中」の意味とは!
「途中」にも、2種類の意味があります。
1つ目が、物事が行われてまだ終わらない段階のこと。
この意味は、前の項「最中」の1つ目の意味と同じです。
ですから、収益金額の集計にたとえることが可能。
「今計算している途中なので少し待って」
というように、全く同じ使い方ができます。
ただし、「最中」にある「盛り上がっている段階」「真っ盛り」「たけなわ」という意味はありませんので気をつけましょう。
2つ目が、出発してから目的地に着くまでの間のこと。
移動することに限定した使い方になります。
たとえば、「学校へ向かう途中で転んでしまった」といった使い方をします。
あくまでも、出発地点から目的地までの、ある場所・時点を指しているのですね。
ですから、これを「最中」に置き換えることは不可能ですよ。
「学校へ向かう最中で転んでしまった」
これだと、少し変ですよね…。
「最中」に無理矢理言い換えるならば下のようになります。
「歩いている最中、転んでしまった」
つまり、出発地点から目的地までの間のことではなく、「歩く」という行動に対して使っているわけですね。
③「最中」と「途中」の違いを整理!
それでは、ここで一度「最中」と「途中」の違いを整理します。
①物事が行われてまだ終わらない段階。
②物事が行われて盛り上がっている段階。
この2つの意味を持つのが「最中」。
①物事が行われてまだ終わらない段階。
②出発してから目的地に着くまでの間。
この2つの意味があるのが「途中」です。
①の物事が行われてまだ終わらない段階という意味は、「最中」と「途中」の共通の意味です。
2.「最中」と「途中」の辞書での意味!
続いて、辞書による「最中」と「途中」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「最中」の辞書での意味!
【最中】
・物事が行われていて、まだ終わらない段階。また、それがたけなわのとき。さなか。「試合の―に倒れる」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおり、意味が2つあります。
②「途中」の辞書での意味!
【途中】
①目的地へ向かっていく間。「東京へ行く―」
②物事を始めてまだ終わらないうち。中途。「話の―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容です。
3.「最中」と「途中」の使い方!
次に、「最中」と「途中」の使い方を例文で紹介します。
①「最中」の使い方!
・タイヤを外している最中にジャッキから落ちたら大きな事故になる。
・信頼され、活躍していた最中のオファーにかなり頭を悩ませた。
・有識者が韓国大統領の弾劾について解説している最中に子どもが乱入。
・事件の最中あるいは直後に公開された情報源でのみ報道された。
②「途中」の使い方!
・番組の途中から見始めた場合でも、ボタンひとつで番組の冒頭に巻き戻せます。
・治ったことを確認しないで途中で治療をやめてしまわないようにすることが重要。
・目的地の途中で立ち寄りたい場所がある場合、知っておくと便利な制度。
・越冬地に渡る途中で羽を休めるコハクチョウが飛来。
4.「最中」や「途中」には似た意味の言葉がたくさんある!
「最中」や「途中」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「最中」と「途中」の意味の違いと使い分けについてでした。
「最中」は、①物事が行われてまだ終わらない段階のこと、また、②物事が行われて盛り上がっている段階のこと。
「途中」は、①物事が行われてまだ終わらない段階のこと、また、②出発してから目的地に着くまでの間のこと。
微妙な意味の違いがありますので、その状況を判断して使い分けしてください。