「管理」と「管轄」。
この2つ言葉、まぎらわしいです。
なんとなくではありますが、自分なりに違いのイメージはあるのですが…。
仕事でよく出てくる言葉ですので、曖昧なままにしておくのはよくないですね。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「管理」と「管轄」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「管理」と「管轄」の意味の違い!
最初に、「管理」と「管轄」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「管轄」とは、官民問わず、組織などが権限で事務処理などをとりしきること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「管理」の意味とは!
「管理」は、事務処理などをとりしきること。
「管理職」「設備管理」「システム管理」といった使い方をします。
これはつまり、「部下の業務」「設備」「システム」など、それぞれの業務をとりしきるということ。
そして、「管理」の方は「誰が」という定義はありません。
たとえば、子供がお手伝いで洗濯を担当していたとしますね。
この場合、「子供が洗濯全般を管理している」ということもできます。
ちょっと、極端ですが…。
あと組織的な「管理」では、「学校の管理」という言葉があります。
学校を管理運営するのは、公立の場合は教育委員会。
教育委員会が、各学校をとりしきっている、ということができるのです。
②「管轄」の意味とは!
「管轄」は、組織などが権限で事務処理などをとりしきること。
「管理」と違うのは、「組織が権限で」という部分。
普通「管轄」は組織、個人には使いません。
そして、この組織は官民問わないのですが、比較的官公庁が多く当てはまります。
たとえば、国税局。
東京国税局は、東京都・神奈川県・千葉県・山梨県の税金に関する業務をとりしきっています。
これは、国税局という「組織」が、納税に関する法律という「権限」に則りとりしきっているのですね。
ちなみに、「管轄」には特有の意味もあります。
これまで、「管理」も「管轄」も「とりしきること」という説明をしてきました。
ただし、「管轄」には、その「とりしきる区域」「とりしきる範囲」という意味もあります。
この意味は「管理」にはありません。
この「区域」「範囲」の意味としての「管轄」の使い方は、たとえば以下のとおり。
「神奈川県は東京国税局の管轄です」といった使い方をします。
あとは、「すみませんが、そこは管轄外です」といった使い方もしますよね。
ということで、「管轄」には「区域」「範囲」の意味もありますので、覚えておいてください。
③「管理」と「管轄」の違いを整理!
それでは、ここで一度「管理」と「管轄」の意味の違いを整理します。
事務処理などをとりしきることが「管理」。
組織などが権限で事務処理などをとりしきることが「管轄」。
ただし「管轄」には、そのとりしきる範囲という意味もあります。
2.「管理」と「管轄」の辞書での意味!
続いて、辞書による「管理」と「管轄」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「管理」の辞書での意味!
【管理】
①保管・運用などをとりしきること。よい状態を保つようにとりさばくこと。「品質―」「財産を―する」
②事務処理や経営をとりしきること。「―部門」
引用元:旺文社国語辞典
2種類の意味がありますが、大きく「たもつ」と「とりしきる」に分かれるということ。
ですが、ほぼ説明したとおりの内容ですね。
②「管轄」の辞書での意味!
【管轄】
・官庁や機関などが権限で支配すること。また、その支配の及ぶ範囲。「―が違う」
引用元:旺文社国語辞典
「機関などが権限で」とありますので、説明どおりの内容ですね。
ちなみに、「支配」は「管理」と意味が近いです。
3.「管理」と「管轄」の使い方!
最後に、「管理」と「管轄」の使い方を例文で紹介します。
①「管理」の使い方!
・従業員の労働時間管理。
・細胞などのサンプルを管理する仕事です。
・栄養士の中でも献立や食材といった食事全体を管理する資格もある。
・書籍管理アプリを試す。
②「管轄」の使い方!
・新宿区保健所は主に新宿区が管轄です。
・石川県の管轄する営業所を現在の大阪営業所から名古屋営業所へ変更します。
・水銀などを含むゴミは、管轄の清掃事務所にご相談ください。
・そういった案件ですと市役所が管轄です。
まとめ
以上が、「管理」と「管轄」の意味の違いと使い分けについてでした。
「管理」は、事務処理などをとりしきること。
「管轄」は、組織などが権限で事務処理などをとりしきること。
ただし、「管轄」にはそのとりしきる「区域」「範囲」という意味もあります。