「処置」と「処理」。
似ています…。
「置」と「理」の違いなのですが、この漢字だけでは意味の違いがわかりませんよね。
まぎらわしい「処置」と「処理」なのですが、実は意外な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「処置」と「処理」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「処置」と「処理」の意味の違い!
最初に、「処置」と「処理」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「処理」とは、物事をとりさばいて始末をつけること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①対極する意味の「処置」と「処理」の違い!
「処置」は、その場の状況に応じた取り扱いを決めること、また、その扱いのこと。
たとえば、危険な場所があった場合。
「立入禁止の処置を講ずる」
といった使い方をしますよね。
この意味は「立入禁止という取り扱いとすることとした」という意味です。
つまり、「取り扱いを決めた」ということであり、「人が立ち入らないようにフェンスや金網を張る」ことではないのですね。
ですから、この「状況に応じた取り扱いを決める」こと、またその「取り扱いそのもの」が「処置」ということです
「処理」は、物事をとりさばいて始末をつけること。
たとえば、「立入禁止の処理をした」といった場合。
「取り扱いを決めた」上で、「人が立ち入らないようにフェンスや金網を張る」ということです。
物事の始末をつける、決着させるということですね。
「取り扱いを決める」までが「処置」、最初から最後まで、つまり「始末をつける」のが「処理」です。
②医療の「処置」は少し意味が違う!
「処置」は医療の中でも使われる言葉です。
「応急処置」の「処置」ですね。
この医療の「処置」は、怪我や病気などの手当てをするという意味。
ですから、この場合の「処置」は前の項目で説明した意味とは違います。
「取り扱いを決める」という意味と同じだとすると、「1週間後に手術するという取り扱いに決定」というのが「処置」ということになってしまいますが、これとは違いますよ。
医療の「処置」とは、ただ取り扱いを決めるだけではなく、最後まで手当てをすること。
つまり、「始末をつける」「決着をつける」のが、医療の「処置」ということです。
③「処置」と「処理」の違いを整理!
それでは、ここで一度「処置」と「処理」の違いを整理します。
その場の状況に応じた取り扱いを決めること、また、その扱いが「処置」。
物事をとりさばいて始末をつけるのが「処理」。
「処置」は取り扱いを決めるまでで、ここで終わり、そして始末をつけるのが「処理」です。
ただし、医療における「処置」は始末をつけますよ。
2.「処置」と「処理」の辞書での意味!
続いて、辞書による「処置」と「処理」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「処置」の辞書での意味!
【処置】
①物事の取り扱いにきまりをつけること。また、その扱い。「―無し(=どうすることもできない)」「適切な―を講ずる」
②傷や病気の手当てをすること。「応急―」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2つありますが、内容は説明どおりです。
②「処理」の辞書での意味!
【処理】
・物事をとりさばいて始末すること。「事故―」「情報―」「汚水の―」「未―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容ですね。
3.「処置」と「処理」の使い方!
次に、「処置」と「処理」の使い方を例文で紹介します。
①「処置」の使い方!
・再発防止を防ぐ意味で是正処置を講ずる。
・法的処置を検討するほかないと判断しました。
・大きな水害が発生しため新たな処置を検討する。
・病院の処置室へ移動する。
・火傷の処置をする。
②「処理」の使い方!
・業務処理取扱基準を確認する。
・未処理がこんなに多いとは思わなかった。
・ボランティアで水害の復興処理にあたる。
・調理に入る前に下処理を終わらせておく。
・材料にブラスト処理を施す。
4.「処置」や「処理」には似た意味の言葉がたくさんある!
「処置」や「処理」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「処置」と「処理」の意味の違いと使い分けについてでした。
「処置」は、その場の状況に応じた取り扱いを決めること、また、その扱いのこと。
「処理」は、物事をとりさばいて始末をつけること。
取り扱いを決めるまでが「処置」であり、決着をつけるのが「処理」です。
ただし、医療における「処置」は手当てをすることですので、始末をつけます。