相手に理由をきかれた時に「だから」という言葉を使います。
「~だから、遅刻した」
こんな感じですね。
そして、似たような場面で使う「から」があります。
「寝坊したから、遅刻した」
この「だから」と「から」、無意識に使っていましたが、よく見るとまぎらわしいですね…。
ということで、この2つの言葉の使い分け方法を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「から」と「だから」の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「から」と「だから」の違いと使い分け!
最初に、「から」と「だから」の違いと使い分けを簡潔にお伝えします。
「だから」とは、前に述べたことに対する原因や理由をあらわす言葉です。
「から」は意味が広いことから、「だから」の比較対照である接続助詞の「から」の意味を短くまとめました。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「から」と「だから」の使い分けのポイント!
「から」と「だから」の意味はどちらも同じ、理由や原因を表す時の言葉です。
「~から、できません」
「~だから、できません」
といった使い方ですね。
「から」と「だから」は、同じ意味を持ちながら、使い方には決まりがあります。
a.「から」のポイント!
接続助詞としての「から」は、前の文が必ず「終止形」でなくてはいけません。
「終止形」とは、句読点の「。」を付けても文章が成立する形のこと。
つまり、それで終わっても意味が通じる言葉ですね。
具体的には「~だ」「~しい」や、動詞の終止形であれば「蹴る」「飛ぶ」「打つ」「打った」など様々。
必ず、「終止形」であることがポイントですよ。
そして、「から」の前につく終止形の語は「形容詞」「形容動詞」「動詞」だけ。
「美しい」「から」「写真を撮ろう」
「うっとうしい」「から」「早く行こう」
【形容動詞の終止形】
「危険だ」「から」「避難しよう」
「綺麗だ」「から」「うっとりした」
【動詞の終止形】
「走る」「から」「疲れる」
「争う」「から」「関係が悪くなる」
b.「だから」のポイント!
一方の「だから」は接続詞であり、「しかし」「そこで」「また」などと同じ役割。
前の文と、その後の文とをつなぐ役割をしているのです。
そして「だから」は、他の接続詞と同様に、前が句読点の「。」や「、」で終わっている場合もあります。
先ほどの「から」は終止形につくと説明しましたが、「だから」の場合は終止形の後につける場合は必ず句読点で句切らなくてはいけません。
「美しい。」「だから」「写真を撮ろう」
【形容動詞の終止形】
「危険だ。」「だから」「避難しよう」
【動詞の終止形】
「走る。」「だから」「疲れる」
こういった形ですね。
そして、句読点が不要となるケースは、「名詞」につなぐ時です。
「テレビ」「だから」「画像が見えるのは当然」
「花」「だから」「花びらはいつか散る」
「一時停止」「だから」「止まった」
こういった使い方ですね。
ちなみに、名詞だからといって必ず直接つながなくてはいけないというものではありませんよ。
名詞の後に句読点が入っても問題はありません。
②接続助詞以外の「から」とは!
接続助詞の「から」とまぎらわしいのが、格助詞の「から」です。
格助詞の「から」は、ある物事の「起点」を表す言葉。
「18時から開始する」
(時間が起点)
「あなたから聞いた話」
(人が起点)
「魚のすり身からかまぼこをつくる」
(原料が起点)
「駅から近い」
(場所が起点)
こういった使い方をしますが、接続助詞の「理由」「原因」とは全く意味合いが違いますよ。
③実は「だから」の起源は「から」?
「だから」は、実は「~だ」という断定の助動詞に接続助詞の「から」を合わせた言葉が「自立語化」した言葉。
そもそも「から」だったのが、変化した結果「だから」が自立してしまったということですね。
「壊したのは君だ」「から」「弁償しなさい」
元々は、こういった文章だったものが、下のように変化したということ。
「壊したのは君。」「だから」「弁償しなさい」
④「から」と「だから」の違いと使い分けを整理!
それでは、ここで一度「から」と「だから」の使い分けを整理します。
接続助詞としての「から」は、「~しい」「~だ」などの終止形の後につき、原因や理由をあらわす言葉。
そして、「から」の前は必ず「形容詞」「形容動詞」「動詞」になります。
「だから」は、前に述べたことに対する原因や理由をあらわす言葉。
「だから」の前が終止形の時は句読点をつけますが、名詞の後につける時はその限りではありません。
2.「から」と「だから」の辞書での意味!
続いて、辞書による「から」と「だから」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「から」の辞書での意味!
【から】(接助)
①原因・理由を表す。「雨が降りそうだ―遠足は取りやめる」「悲しい―泣くのだ」
②(「に」を伴って)「…しただけで」の意を表す。「見る―に速そうな飛行機」
(参考)①は「ので」に比べて主観的な意を持つといわれる。また、「からといって」「からとて」などの形で、打ち消しの語と呼応し、逆接の条件となるものがある。「雨が降るからといって、あわてるな」
引用元:旺文社国語辞典
意味②については、説明しませんでしたが「見るからに強そう」の「から」。
この場合も、「見るだけの理由で」という意味で、理由や原因を表しているといえます。
②「だから」の辞書での意味!
【だから】(接)
・前に述べたことを原因・理由として述べる文の文頭におく語。そういうわけで。それゆえ。「彼はなまけた。―失敗した」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
「そういうわけで」「それゆえ」と置き換えることができますね。
3.「から」と「だから」の使い方!
次に、「から」と「だから」の使い方を例文で紹介します。
①「から」の使い方!
・勉強したから、成績が上がった。
・暑いからといって、裸で寝ると風邪をひく。
・写真を撮るから、笑顔を!
・信号が青に変わったから、進んだ。
・薄着をしたから、風邪をひいたんだよ。
②「だから」の使い方!
・勉強した。だから、成績が上がった。
・暑い。だからといって、裸で寝ると風邪をひく。
・写真を撮る。だから、笑顔を!
・信号が青だから、進んだ。
・薄着だから、風邪をひいたんだよ
4.「から」や「だから」以外の使い方がまぎらわしい言葉!
「から」や「だから」のように、使い方がまぎらわしい言葉はたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「から」と「だから」の違いと使い分けについてでした。
接続助詞としての「から」は、「形容詞」「形容動詞」「動詞」の終止形の後につき、原因や理由をあらわす言葉。
「だから」は、前に述べたことに対する原因や理由をあらわす言葉で、使い方によっては前に句読点が必要になります。
「だから」は元々「から」から変化した言葉であり、意味はどちらも同じということ。