「嫌い」と「苦手」。
「あれ、嫌いなんだよね~」と言いますよね。
また「あれ、苦手なんだよね~」とも言います。
なんとなく、同じ意味なような気がします…。
これは、双方の違いをハッキリさせないといけませんね!
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、意外な注意点もあるのです!
本記事では、「嫌い」と「苦手」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「嫌い」と「苦手」の意味の違い!
まずは、「嫌い」と「苦手」の意味の違いを端的にお伝えします。
「苦手」とは、得意ではないことです。
しかし!実は「苦手」の言葉の持つ意味には「嫌い」という意味もあるので注意が必要!
微妙な違いを、一言にまとめるとこのとおり。
それでは、もっとわかりやすく詳細に紐解いていきますね。
①「苦手」と「嫌い」には微妙な違いが!
「嫌い」は、好きではないことで、「いやだな~」といった気持ちになること。
そして「苦手」は、得意ではないことであり、「いやだな~」という感情の有無は関係ありません。
たとえば、過去に溺れた経験があるA君と、水に入るのは好きなのですが全く泳げないB君がいたとしましょう。
A君は、過去の溺れたトラウマのせいで水泳の授業が「嫌い」です。
B君は、水泳の授業は好きなのですが、泳ぎ自体は「苦手」。
この場合、A君は水泳の授業は「嫌い」ですよね。
そしてB君は、水泳の授業は「嫌い」ではないのですが、「苦手」ということになります。
B君は、水泳の授業に対し「いやだな~」という感情もなく、むしろ「好き」なわけですね。
ですが、泳ぐことが得意ではない、「苦手」ということになります。
これが、「嫌いではないが苦手」という言葉の持つ意味。
ただし、言葉の持つ意味で注意点がありますよ!!
②実は「苦手」と「嫌い」には共通の意味も!
実は、正確に「苦手」の言葉の意味を調べると、「嫌い」の意味があるのです!!
こうなると、「苦手」と「嫌い」は同じ意味ということ。
たとえば、「野菜が苦手」といった場合は「野菜が嫌い」と同じことになるのです。
「野菜」は、技術的な「得意」や「不得意」は関係ありませんので。
ややこしいのですが、「苦手」を使う際は注意が必要ですよ。
具体的には、「嫌いじゃないけど、苦手だ」という使い方は誤解を与えません。
この場合は「嫌いじゃない」とハッキリ宣言していますから。
つまり、この時の「苦手」は「嫌い」の意味ではなく「得意でない」という意味であることが伝わりますよね。
ただ単純に「苦手」という言葉を使う際は、「嫌い」の意味なのか「得意でない」意味なのかが伝わりにくいです。
「得意でない」意味で「苦手」を使う時は、「嫌いじゃない」「好きなのだが」というフォローの言葉を付け加えるようにしましょう。
③「嫌い」と「苦手」の違いを整理!
ということで、ここで一旦「嫌い」と「苦手」の違いを整理します。
好きではないことで、「いやだな~」といった感情を持つのが「嫌い」。
得意ではない、上手でないことを意味する言葉が「苦手」です。
ただし、気を付けなければならないのが、「苦手」には「嫌い」という意味もあること。
「苦手」を使う際は、「得意でない」のか「嫌い」なのか、どちらなのかフォローが必要ですよ。
2.「嫌い」と「苦手」の辞書での意味!
続いて、辞書による「嫌い」と「苦手」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「嫌い」の辞書での意味!
【嫌い】
①好みに合わないこと。いやだと思うさま。「―な食べ物」「練習が―」「食わず―」↔好き
②(「きらいがある」の形で)好ましくない傾向があること。「彼は人に厳しすぎる―がある」
③区別をつけること。「男女の―なく」
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明どおりの内容です。
ただし、意味②と意味③のように、微妙な使い方もありますので覚えておいてください。
②「苦手」の辞書での意味!
【苦手】
①扱いにくく、いやな相手。「―のピッチャー」
②自分にとって得意でないこと。また、そのさま。「どうも英語は―だ」
引用元:旺文社国語辞典
意味①は「いやな相手」とありますが、「好きではない」「いやな感情」がありますので、ほぼ「嫌い」のことですね。
ちなみに、「人」以外にも使われています。
意味②は「得意でない」こと。
意味①と意味②、2つの意味があるということです。
3.「嫌い」と「苦手」の使い方!
最後に、「嫌い」と「苦手」の使い方を例文で紹介します。
①「嫌い」の使い方!
・嫌いな食べ物。
・あの人と5年も一緒に仕事をしてきたがどうしても嫌いだ。
・ピアノが嫌いだ。
・犬の散歩は嫌いだ。
・英語は嫌いだ。
②「苦手」の使い方!
・苦手な食べ物。
・あの人と5年も一緒に仕事をしてきたがどうしても苦手だ。
・ピアノは好きだが演奏は苦手だ。
・犬は大好きだが散歩は思い通りに歩いてくれないので苦手だ。
・英語は好きなのだがテストは苦手だ。
まとめ
以上が、「嫌い」と「苦手」の意味の違いと使い分けについてでした。
「嫌い」は、好きではないこと。
「苦手」は、得意でないこと、また嫌いな意味もあります。
つまり「苦手」には、2種類の意味があるということ。
「苦手」を使う際は、相手に誤解を与えないような工夫が必要ですよ。