日本語は、その言葉の意味を強めるために、あえて同じ言葉を重ねることがあります。
たとえば、「見ているうちに」を強調する言葉として「見る見る」がありますし…。
その他に、「繰り返す」を強調した言葉で「返す返す」があります。
「返す返すも残念でなりません…」といった使い方をしますが、これは「何度思い出してみても、残念でなりません…」ということ。
そして、こういった場合に下のような記号が使われることがあります。
上の「見る見る」の方は、ひらがなの「く」を長く伸ばしたような記号で…。
下段の「返す返すも」は、濁点が付いた「ぐ」を伸ばしています。
この「く」記号なのですが、繰り返し符号として使われる「踊り字」の一つで、「人々」「久々」で使う「々」と同じたぐいのもの。
それはそうとして、この「く」記号をパソコンにどうやって出すのかがわからない…。
ということで、こういった記号の入力方法を徹底的に調べてみました。
本記事では、「く」記号をパソコンなどに表示させる方法について、わかりやすく解説していきます。
「横書き」への対応方法も調べましたので、ご期待ください!
1.「く」記号を入力する方法!変換できるの?
「く」記号は、「々」と同じ「踊り字」の一つで、「くの字点」というのが正式な名称です。
そして、この「くの字点」、変換によって簡単に表示させることが可能。
具体的には、「おなじ」という言葉で変換できます。
その他に、「どう」や「くりかえし」でも変換が可能。
そうはいっても、この記号の大きさなのですが、画像で紹介したとおり一文字分よりも長いですよね。
実はこの「くの字点」は、下の画像の「く」の上半分を最初に表示させてから…。
その下に、下の画像の「く」の下半分を表示させて組み合わせて使う記号なのです。
どちらも、「おなじ」「どう」「くりかえし」で変換すると出てきます。
そして、濁点付きの「ぐ」は下ですが、これも同様に「おなじ」などで変換可能。
つまり、二つのパーツを組み合わせて、一つの記号にするということ。
したがって、縦方向につなぎ合わせる「くの字点」は、基本的に「縦書き」の文章にしか使えません…。
では、「横書き」の場合はどうしたらいいのか…?ですが…。
「くの字点」は基本的に「縦書き」用の記号ですので、「横書き」では使わない方が良いでしょう。
ですから、横書きの場合は、漢字であれば「々」、ひらがなであれば「そのひらがな」を使う方が良いと思います。
余談ですが…、どうしても横書きで「くの字点」を使う手法として…。
「すらっしゅ」で変換した「/」と「\」を組み合わせる、といった方法が紹介されています…。
濁点付きの「/\」は、キーボードの「2」や「ふ」のキーにある「″」を間に入れて「/″\」といった使い方ですね…。
こういった方法もあるにはあるのですが…。
個人的には、「々」や「そのひらがな」の方が読みやすいと思いますし、見た目も良いと思います。
2.「く」記号を入力する方法!文字コードで!
前項で説明したとおり、「くの字点」は変換で簡単に表示させることができますが、それ以外に「文字コード」を使った方法もあります。
ただし、圧倒的に変換の方が簡単ですので、この方法は実用的とはいえません…。
ですが、出しにくい「旧字」などに応用できますので、「おまけ」的な情報として覚えておいていただければ幸いです。
ということで、文字コードの使い方を説明します。
最初に、「くの字点」の各パーツの文字コードから。
ご覧のように、「く」の上半分の文字コードが「3033」。
上半分の、濁点付きの文字コードが「3034」。
そして、「く」の下半分が「3035」です。
たとえば「上半分」を表示させるのであれば、ワードなどに「3033」と打ち込み、そのままの状態でキーボードの「F5」キーを押すだけ。
この操作で、「くの字点」の「く」の上半分が表示されます。
ちなみに、「3033」と打った後は「F5」の前に「エンター」キーを押してはいけません。
「3033」と打った後は、変換可能な状態を保ったまま「F5」キーを押してください。
ですから、変換不可能となる「直接入力」ではなく、「全角英数」の設定で打ちましょう。
まとめ
以上が、「くの字点」をパソコンに表示させる方法についてでした。
「くの字点」は、「おなじ」「どう」「くりかえし」で変換し、各パーツをそれぞれ組み合わせて表示させてください。
「くの字点」は、基本的に縦書きで使う記号です。
したがって横書きの場合は、漢字であれば「々」、ひらがなであれば「そのひらがな」を選択すべきではないでしょうか。
それから、「文字コード」を使った方法もありますので、頭の片隅にでも置いておいてください。