四字熟語の「二束三文」、全然価値がないといった意味で使う言葉。
でも、この「価値」っていったいどの程度なのだろうか??
現在の価格で、本来いくらの物がどの程度の価値があるということなのか?
と、気になりましたので、この「二束三文」の意味を徹底的に調査してみましたよ!
ということで、本記事では「二束三文」が表している「価値」、つまり現在で何円なのか、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「二束三文」はいくらのことなのか?
「二束三文」の価値を理解してもらうには、「二束」と「三文」を別々に分析していく必要があります。
では、最初は「二束」から解説していきますね。
①「二束」とは?何のこと?
まず何が「二束」なのか、その品物。
これは、草履の説が有力です。
草履は草履でも、金剛草履という通常の物より大きく丈夫なもの。
つまり、高級な草履ということですね。
では、この草履がどの程度の量なのか?ということが問題。
この「二束」は、「二足」という説もあります。
「二束」は「ふたたば」のことなので、「二足」とは全く量が違ってきます。
多くの辞書では、「二足」ではなく「二束」で記載していますので、自分は「たば」ではないかと思います。
また、「二束三文」は「大量の物を、儲けがでないほどの安値で売る」ということ。
たくさん売るということから、「二足」ではなく、「たば」つまり「二束」なのではないかと推測されます。
では、この「束」の量がどの程度なのか?
米だと籾米が一斗、一斗缶の一斗です。
よく女子プロレスラーが、頭を「ガン」とたたく一斗缶ですね。
また、稲を親指と中指で掴む量、これの10回分であるという説もあります。
それから、魚が一束だと100匹だそうです。
では、草履の一束がどのくらいなのか??
残念ながら、明確な資料はありませんでした。
人によっては「草履、数百分である」といった説もありますが謎です。
もしかしたら、「二束」が「二足」と同じ量なのかもしれませんし「二十足」なのかもしれません…。
謎ですね…。
②「三文」はいくら?現在の価値ではいくら?
江戸時代は、「金貨」「銀貨」「銭貨(銅製)」の3種類の貨幣が使われていました。
金貨は1両で、銀貨は1匁、銭貨は1文といった単位。
では、この当時の貨幣が現在の価値にするとどの程度なのか?
江戸時代でも価値は変動しますが、江戸時代の初期で1両約10万円、中期以降で1両約4~6万円、幕末で1両4千円~1万円ということです。
ということで、計算すると以下のようになります。
100,000円(1両)÷4,000=25円(1文)
【江戸時代中期以降】
40,000円(1両)÷4,000=10円(1文)
60,000円(1両)÷4,000=15円(1文)
【幕末】
4,000円(1両)÷4,000=1円(1文)
10,000円(1両)÷4,000=2.5円(1文)
こんな感じですね。
1文は1円~25円ということになります。
「二束三文」という言葉がいつ頃使われていたかで、金額が違ってきます。
ですが、江戸時代の初期だとすると「三文」は「75円」ということになります。
江戸時代の中期だとすると、「三文」は「45円」ということ。
この貨幣の価値については、「日本銀行金融研究所貨幣博物館」で解説してくれています。
詳細については、以下をご覧ください。
Q4.江戸時代のお金の単位はどのようなものですか?
A4.江戸時代には、金貨、銀貨、銭貨の3種類の貨幣が使われていました(三貨制度)。
金貨は小判1枚=1両を基準として、それ以下を4進法の単位で表す貨幣(1両=4分=16朱)、銀貨は重さで価値を表す貨幣で基本単位は匁(1匁≒3.75g)でした。
銭貨(銅)は1枚=1文とする貨幣でした(1,000文=1貫文)。三貨間の交換は幕府による公定相場(18世紀の公定相場:金1両=銀60匁=銭4,000文)がありましたが、 実際には時価相場で交換されていました。
引用元:日本銀行金融研究所貨幣博物館
Q5.江戸時代の一両の現在価値はどのくらいですか?
A5.江戸時代における貨幣の価値がいくらに当たるかという問題は、大変難しい問題です。
世の中の仕組みや人々の暮らしが現在とは全く異なり、現在と同じ名称の商品やサービスが江戸時代に存在していたとしても、その内容に違いがみられるからです。
ただし、1つの目安として、いくつかの事例をもとに当時のモノの値段を現在と比べてみると、18世紀においては、米価で換算すると約6万円、大工の賃金で換算すると約35万円となります。
なお、江戸時代の各時期においても差がみられ、米価から計算した金1両の価値は、江戸初期で約10万円前後、中~後期で4~6万円、幕末で約4千円~1万円ほどになります。
引用元:日本銀行金融研究所貨幣博物館
③「二束三文」の価値を整理!
では、「二束三文」の価値を一旦まとめます。
まず、草履ですがこの商品で税抜き3000円です。
こ商品が 2足だとすると6000円で、10足だと30000円。
これが、江戸時代初期だと、75円で売れたことになります。
そして、江戸時代中期だと、45円ということ。
まあ、100分の1くらいの安値で売れるということでしょうか。
ただし、「束」がもし10足ならば400分の1で、100足ならば4000分の1ということになります。
2.「二束三文」の辞書での意味と使い方!
「二束三文」の辞書による意味と、実際の使い方についてご紹介します。
①「二束三文」の意味!
【二束三文】
・数を多く集めても値打ちが低いこと。きわめて値段が安いこと。また、その値段。「花材を―で売りとばす」
引用元:旺文社国語辞典
「安い値段で売る」というよりも、「価値が凄く低い」といった意味ですね。
②「二束三文」の使い方!
・遺産の家と土地を売りに出したが、二束三文だったよ。
・昔のVHSビデオを売るにしても、今や二束三文でしょ。
・進歩が早すぎて10年前に買ったパソコンは、現在は二束三文。
・車を売りに出すにしても、これだと古すぎるし二束三文だと思うよ。
・本は買い取りしてくれるのは間違いないが、二束三文なので価格は期待しないことだ。
まとめ
以上が、四字熟語「二束三文」の価値についてでした。
「三文」は、現在の価値では45円~75円くらいです。
ただし、「二束」については草履の正確な数量が不明ですので、何円のものが45円~75円なのかは不明です。
ちなみにこの「三文」、「早起きは三文の徳」やハンコの「三文判」、低級な小説の「三文小説」といったように、きわめて価値が低いものをたとえる言葉として使われます。