慣用句である「後ろ髪を引かれる」。
髪の毛を引っ張られたら、痛いですよね…。
この「後ろ髪を引かれる」ですが、正しい意味をご存知でしょうか?
また、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「後ろ髪を引かれる」の意味と使い方を例文で解説していきます。
わかりやすく説明しますので、ご期待ください。
1.慣用句「後ろ髪を引かれる」の意味とは!
最初に、「後ろ髪を引かれる」の辞書の内容を紹介します。
【後ろ髪を引かれる】
・未練があって先へ進めない。心残りがする。「―思いで出発する」
引用元:旺文社国語辞典
辞書では、このとおり。
つまり、「どうしてもあきらめられない」「ここから先に進むことができない」という意味ですね。
ちなみに、「後ろ髪」というのは、人の後頭部の髪の毛のこと。
その、髪の毛を誰かにつかまれて、引っ張られたとしたらどうなるでしょう…。
前に進むことはできなくなりますよね…。
そういった情景を、気持ちとしてあらわした慣用句が「後ろ髪を引かれる」です。
2.慣用句「後ろ髪を引かれる」の例文を簡単な短文で!
・転校が決まっていよいよ今日が最後の登校日なのだが、今日になっても後ろ髪を引かれる思いだ。
・久しぶりの里帰りだったが、祖父母と私たちの子供とのお別れの抱擁を見たあとに後ろ髪を引かれる思いで故郷を去った。
・宴会が盛り上がり最高潮の時に、閉店時間となってしまった。みんな後ろ髪を引かれる思いでその場を去った。
・甲子園で敗戦が決まり、球場の土を抱えながら後ろ髪を引かれる思いで会場をあとにした。
・家の建て替えが決まって今日が古い家の解体の日。この家での数々の出来事を思い出しながら後ろ髪を引かれる思いで解体を見つめた。
・今日は、遠距離恋愛で3カ月に一度しか会うことができない彼と過ごす最終日。時間が進むにつれて後ろ髪を引かれる思いがつのる。
・転勤により、楽しかった思い出を胸に後ろ髪を引かれる思いで新任地に向かった。
・転職を上司に相談したが、最終的に現職場の退職を決めた。「残ってほしい」と懇願する上司の言葉に後ろ髪を引かれる思いで退職届を提出する。
・勝負の世界は必ず勝者と敗者が存在する。後ろ髪を引かれる思いは理解できるが、負けを受け入れなくては先がない。
まとめ
以上が、「後ろ髪を引かれる」の例文についてでした。
「後ろ髪を引かれる」ということは、言い換えるならば「踏ん切りがつかない」です。
決心できないという意味ですが、似ていますね。
あとは、「名残惜しい」という言葉があります。
「名残惜しい」は、人の「別れ」に対する心残りのこと。
意味は似ているのですが、「別れ」に限定している分、意味が狭くなります。