「御礼」と「感謝」。
違う言葉ですが、意味合いが似ていますね…。
でも、「御礼メール」といいますが、「感謝メール」って聞いたことがない…。
ということは、「御礼」と「感謝」は似ているようで意味が違うということですね…。
と思ったら、「御礼の言葉」っていうし、「感謝の言葉」ともいいます…。
つまり、同じ意味??
これは、ハッキリさせなくてはいけませんね。
ということで、「御礼」と「感謝」の違いについて徹底調査しましたよ!
本記事では、「御礼」と「感謝」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「御礼」と「感謝」の意味の違い!
最初に、「御礼」と「感謝」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「感謝」とは、ありがたいと感じた気持ちそのものと、ありがたいと感じた気持ちを言葉や品物で表すこと。
簡単に表すならば、こういったことです。
では、ここからは更にわかりやすく紐解いていきますね。
①行動が伴わなくても成立する「感謝」!
「感謝」という言葉の意味の最大のポイントは、行動が無くてもよいという部分。
つまり、「ありがたい」と心の中で思っただけで「感謝」ということなのです。
たとえば、重い荷物を他人に持ってもらったとします。
この時に、荷物を持つのを手伝ってもらった人が「ありがたいな~」と思います。
この「思った」ことが「感謝」なのですね。
②必ず行動が必要な「御礼」!
一方の「御礼」は絶対に行動が必要になります。
「ありがたいな~」と思っただけでは「御礼」とはいいません。
「ありがたいな~」と感じた後で、その気持ちを伝えるための行動が必要になります。
たとえば、前項と同様に重い荷物を他人に持ってもらったとします。
この時に、荷物を持つのを手伝ってもらった人が「ありがたいな~」と思いますよね。
そして、「ありがたいな~」という気持ちを伝えるために「ありがとうございました」と発言します。
この発言が「御礼」ということ。
また、「ありがたいな~」という気持ちを伝えるために「私のジュースをもらってください。私の気持ちです」と品物を渡します。
この品物を渡す行動も「御礼」ですね。
③「御礼」と「感謝」は共通している意味もある!
ありがたいという気持ちを感じるだけの場合は「感謝」。
そして、その気持ちを伝える行動が必要なのが「御礼」と説明しました。
ですが、この「感謝」と「御礼」は共通している部分があります。
ありがたいという気持ちを感じてから、その気持ちを伝えることも「感謝」といいます。
つまり、この部分は「御礼」と同じ意味になるのですね。
ですから、重い荷物を持ってくれた相手に「ありがとうございました」と発言するのは「御礼」であり、また「感謝」でもあるのです。
④「御礼」と「感謝」の違いを整理!
ここで一旦、「御礼」と「感謝」の違いを整理します。
「感謝」とは、「ありがたい」と心の中で思うこと。
思うだけで、行動は不要です。
「御礼」とは、「ありがたい」と心の中で思ってから、その気持ちを伝えること。
ですから、伝えるための行動である「ありがとうございました」という発言が必要です。
もちろん、発言以外に品物を渡す行為も「御礼」ですよ。
ただし、気をつけなくてはいけないのが、「ありがたい」という気持ちを伝えるための行動は「御礼」ですが、「感謝」でもあります。
大きな「感謝」という意味の中に、「御礼」の意味が含まれるイメージですね。
2.「御礼」と「感謝」の辞書での意味!
続いて、一応「御礼」と「感謝」の意味が辞書ではどうなっているのか、確認していきます。
①「御礼」の辞書での意味!
【御礼】
・感謝の意を表すこと。また、その言葉や品物。「―を述べる」「心ばかりの―の品」
引用元:旺文社国語辞典
「感謝の意を表すこと」となっていますので、「表す」ための行動が必要です。
②「感謝」の辞書での意味!
【感謝】
・自分が受けた好意や親切を、ありがたく感じること。また、その気持ちを表して礼を言うこと。「―の意を表す」「ご好意に―します」「―の念」
引用元:旺文社国語辞典
「感じること」となっていますので、「感じる」だけで「感謝」になります。
そして、「礼を言うこと」となっていますので、この部分は「御礼」と同じ意味ですね。
3.「御礼」と「感謝」の使い方!
最後に、「御礼」と「感謝」の使い方を例文で紹介します。
①「御礼」の使い方!
・気持ちを伝えるために御礼状を書いて郵送した。
・取引先に、とりあえず御礼メールを送信した。
・御礼が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
・御礼をするために、本日上京しました。
・あなたにこれまで尽くしてきたのは、私の御礼です。
②「感謝」の使い方!
・周囲の人たちに対する感謝の気持ちを忘れてはいけない。
・その涙は感謝の気持ちのあらわれだろう。
・毎日のように感謝の祈りを捧げている。
・あの人にどうしても感謝の気持ちを伝えたい。
・これは、日ごろの感謝の気持ちなので受け取ってください。
まとめ
以上が、「御礼」と「感謝」の意味の違いと使い分けについてでした。
他人に親切にしてもらうと「ありがたい」という気持ちが芽生えます。
これが「感謝」。
そして、「ありがたい」という気持ちが芽生えた後に、その気持ちを相手に伝えること。
これが「御礼」ですね。
「感謝」から始まり、「御礼」へと進む順番です。
ただし、「御礼」をすることを「感謝」ともいいますので気をつけましょう。
「感謝」の意味が広いということです。