「異議」と「異論」。
この違い、まぎらわしいですよね…。
噂では、その内容を「言葉にする」か「言葉にしない」かの違いであるという説があるのですが…。
本当なのだろうか…???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「異議」と「異論」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「異議」と「異論」の意味の違い!
最初に、「異議」と「異論」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
ただし、「異議」は法律用語として使われ、「異なる意見」の他に「反対の意見」「不服の意見」という意味があります。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「異議」の「異論」の共通の意味とは!
「異議」と「異論」はどちらも、他の人と違う意見のことであり意味は同じ。
噂では、心の中にある意見と、言葉として表に出す意見の違いであるという説があるようですが…。
厳密には、そういった違いはありません。
その理由について、漢字の持つ意味で説明していきます。
「異議」は「異なる議」で、「異論」は「異なる諭」ですので、「議」と「論」の違いですが…。
「議」には、「考えをめぐらす」という意味がありますが「論じ合う」という意味もあります。
そして「論」も、「説く」「述べる」という意味もあれば「考え」という意味も含んでいます。
つまり「異議」と「異論」は、どちらも「心の中にある意見」と「言葉として表に出す意見」という両方の意味があるということ。
ということで双方とも、他の人と違う意見という意味で違いはありません。
②法律用語としての「異議」とは!
法律用語としての「異議」は、「異なる意見」の他に「反対の意見」「不服の意見」という意味で使われます。
「異なる意見」と「反対の意見」や「不服の意見」では全く意味が違ってきます。
たとえば、「リンゴとミカンではどっちが好きですか?」という質問に対し…。
A氏は「リンゴ」とこたえ、B氏が「ミカン」とこたえました。
これが「異なる意見」であり、A氏とB氏の間に摩擦がうまれることはありません。
これが、「今日のおやつはリンゴにしましょう!」というA氏の意見に対して…。
B氏は「リンゴはやめてくれ!」「リンゴは嫌いだ、食べたくない!」とこたえました。
この場合は、「反対の意見」であり「不服の意見」です。
そして、A氏とB氏の間に不穏な空気がうまれますよね…。
また、「反対だ!」「不服だ!」という意見がでることで、公的機関に対する「異議申立」という行動が発生します。
これが法律用語としての「異議」。
ちなみに、「異議申立」という言葉がありますが、「異論申立」という言葉はありません。
ところで、「異なる意見」「反対の意見」「不服の意見」を説明しましたが…。
「異なる意見」とは、つまりは「違う意見」のこと。
厳密には、「反対の意見」「不服の意見」ともに「違う意見」の一つということも覚えておいてください。
③「異議」と「異論」の違いを整理!
それでは、ここで一度「異議」と「異論」の違いを整理します。
「異議」と「異論」は、言葉の意味は同じ。
どちらも、他の人と違う意見のこと。
ただし、法律用語としての「異議」には、「異なる意見」の他に「反対の意見」「不服の意見」という意味があります。
2.「異議」と「異論」の辞書での意味!
続いて、辞書による「異議」と「異論」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「異議」の辞書での意味!
【異議】
①他人と異なる議論。反対の意見。「―をとなえる」
②[法]他人の行為、あるいは裁判機関や行政庁などに対する不服を意思表示すること。
引用元:大辞林 第三版
ほぼ、説明したとおりの内容です。
②「異論」の辞書での意味!
【異論】
・別の意見。異なった論。異議。「―を差しはさむ」「計画案に―を唱える」
引用元:大辞林 第三版
こちらも、説明どおりですね。
3.「異議」と「異論」の使い方!
次に、「異議」と「異論」の使い方を例文で紹介します。
①「異議」の使い方!
・当事者同士の話し合いにより、早期に異議の決着をつけることができます。
・在宅勤務が増えていますが、オフィス不要論には異議があります。
・検査を受けさせる予定はないとしていることに「僕は異議がある」とコメントした。
・合法性を明確化するために正式に異議申立を行うことを決定した。
②「異論」の使い方!
・井上尚弥は「異論なしの王者と呼べない」テテが口撃。
・お寺の地図記号変更に対し、記号は日本文化に根ざしたものだという異論もある。
・自民党内では政府の現行計画に異論を唱える声が上がっている。
・小学校に対し、エアコンを配備する方針を巡り疑問や異論が噴出している。
4.「異議」や「異論」には似た意味の言葉がたくさんある!
「異議」や「異論」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「異議」と「異論」の意味の違いと使い分けについてでした。
「異議」と「異論」はどちらも、他の人と違う意見のことで意味は同じ。
ただし、「異議」は法律用語として使われ、「異なる意見」の他に「反対の意見」「不服の意見」という意味があります。
法律用語の「異議」は、公的機関に対する「異議申立」といった使い方をします。