「執着」と「こだわり」。
まぎらわしいです…。
ほとんど同じような意味で使われる言葉ですが…。
でも同じようで、「ウナギの品質にこだわり続ける」とはいいますが、「ウナギの品質に執着し続ける」だとなんとなく違和感が…。
これはつまり、「執着」と「こだわり」には違いがあるということか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「執着」と「こだわり」には確かな違いがありました!
本記事では、「執着」と「こだわり」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「執着」と「こだわり」の意味の違い!
まずは、「執着」と「こだわり」の意味の違いを端的にお伝えします。
「こだわり」とは、ある物事に心がとらわれること。
ただし「こだわり」には、物事に妥協することなく、とことん追求するという意味もあります。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「執着」の意味とは!
「執着」は、一つのことに心がとらわれて、それから離れることができないこと。
「こだわり」も同じように「心がとらわれる」ですので、この部分の意味は共通しています。
ただし「こだわり」の方は、心がとらわれることではありますが、「離れられなくなる」という意味までは含んでいません。
ですから、「執着」の方がより「しつこい」という意味合いが強いということ。
たとえば、ゴルフで「飛距離を出すことだけに執着する」といった使い方をします。
ゴルフでは、飛距離を出すことも大切ですが、その他にボールコントロールや、芝を読む力なども大切なこと。
ですが、「飛距離を出すことだけに執着する」となると、分かってはいても飛距離アップ以外の練習がおろそかになってしまうということです。
しかも、分かってはいても、飛距離を出す練習から離れることができなくなってしまうのですね。
これが、飛距離アップに心がとらわれて、離れられなくなる、つまりは「執着」ということ。
②「こだわり」の意味とは!
「こだわり」には、悪い意味と良い意味の2つの意味があります。
最初に、悪い意味の方から説明しますね。
悪い意味の「こだわり」は、ある物事に心がとらわれること。
これは、前項の「執着」とよく似ています。
ただし、「執着」のように「離れられなくなる」という意味は含んでいません。
ですが、「こだわり」から「執着」に発展するということはあります。
たとえば、ゴルフで「飛距離を出すことだけにこだわり続ける」といった使い方をします。
この場合も前項と同じように、飛距離アップの練習ばかり行い、それ以外の練習がおろそかになってしまうということ。
ただし、文章の意味はここまで、その事から離れられなくなるということではありません。
ですから、飛距離アップの練習から離れられなくなった場合は「飛距離を出すことだけに執着する」になります。
それから「こだわり」は、些細なことにとらわれて、物事が一時的にストップしてしまうという意味でも使われますよ。
たとえば、「大臣の些細な言い間違いにこだわり、審議が中断する」といった使い方。
この場合は、発言自体は問題がなかったものの、小さな言葉の使い方を間違ったことにとらわれてしまい、その結果最も大事な審議が止まってしまうということです。
次に、良い意味の方。
良い意味の「こだわり」は、物事に妥協することなく、とことん追求するということ。
たとえば、「ウナギの品質にこだわり続ける」といった使い方をします。
こういった意味で使う「こだわり」は、有名な飲食店などでよく使われますよね。
「ウナギの品質にこだわり続ける」ということは、そのウナギの産地や鮮度などに妥協することなくとことん追求するということ。
そのおかげで、美味しいウナギが食べることができます。
ちなみに「執着」の方は、こういった良い意味で使われることは滅多にありません。
③「執着」と「こだわり」の違いを整理!
それでは、ここで一度「執着」と「こだわり」の違いを整理します。
一つのことに心がとらわれて、それから離れることができなくなるのが「執着」。
ある物事に心がとらわれるのが「こだわり」で、離れられなくなるという意味は含みません。
ですが、「こだわり」から「執着」に発展することは実際にあることです。
それから「こだわり」には、物事に妥協することなく、とことん追求するという意味もあります。
2.「執着」と「こだわり」の辞書での意味!
続いて、辞書による「執着」と「こだわり」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「執着」の辞書での意味!
【執着】
・深く思いをかけてなかなか断念できないこと。しゅうじゃく。「―心」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「こだわり」の辞書での意味!
自分の辞書には、「こだわり」での掲載はありませんでした。
インターネット上の辞書によると、「こだわり」の意味が「こだわること」となっていましたので、「こだわる」の意味を紹介します。
【こだわる】
①わずかのことに心がとらわれ、進展できないでいる。拘泥(こうでい)する。「形式に―必要はない」
②(いい意味で)細かい差異も軽視せず、徹底的に追及する。「ワインの産地に―」
引用元:旺文社国語辞典
悪い意味と良い意味があり、内容も説明どおりですね。
3.「執着」と「こだわり」の使い方!
次に、「執着」と「こだわり」の使い方を例文で紹介します。
①「執着」の使い方!
・高級ブランドで全身を「武装」、ブランド品に対する執着は現在も続く。
・結婚情報誌などに踊らされて、結婚への執着が強くなっている。
・復縁への淡い期待を抱きながら右往左往する男の「愛と執着の30日間」を描く。
・お金に執着すると、視野が狭くなり冷静な考えができなくなることもある。
②「こだわり」の使い方!
・フランスはイスラム女性のスカーフにこだわり、是非論が紛糾する。
・細かいこだわりが労働時間の増加を招いていた。
・細部までこだわりを見せる熟練職人の逸品ネックレス。
・こちらの店舗では、地元素材を使ったこだわりのパンが並ぶ予定だ。
4.「執着」や「こだわり」には似た意味の言葉がたくさんある!
「執着」や「こだわり」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「執着」と「こだわり」の意味の違いと使い分けについてでした。
「執着」は、一つのことに心がとらわれて、それから離れることができないこと。
「こだわり」は、ある物事に心がとらわれること。
さらに「こだわり」は、物事に妥協することなく、とことん追求するという意味もあります。
「執着」の方は離れられなくなるので、よりしつこいという意味合いが強くなります。