「各人」と「各自」。
似ていますよね…。
といいますか、もしかして同じ意味なのだろうか…。
「参加費を各人持参してください」でも、「参加費を各自持参してください」でも違和感はありません。
本当に、同じ意味として、同じ使い方でよいのだろうか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「各人」と「各自」には意外な違いがありました!
本記事では、「各人」と「各自」の意味と使い分け方法について、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「各人」と「各自」の使い分け!
最初に、「各人」と「各自」の意味と使い分け方法を簡潔にお伝えします。
ただし、「各自」はある組織内の特定のメンバーに対して使う言葉。
一方の「各人」は、どのような場面でも使える言葉で、しばりはありません。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「各自」の意味とは!
「各自」は、「おのおの」「めいめい」「一人一人」という意味。
言葉の意味自体は、「各人」と違いはありません。
ただし、「各自」はあるグループに属するメンバーに対して使う言葉です。
したがって、よく使われるのが社内向けの通知文書など。
たとえば、「忘年会の参加費については、必ず各自持参してください」といった使い方をします。
この場合の「各自」は、その組織の忘年会に参加するメンバー限定といこと。
あるグループ内のメンバーだけに使う言葉ですので、基本的に不特定多数には使いません。
たとえば、世間一般から広く公募する場合などは使わないのが一般的。
さらに、「各自」は相手を敬う言葉ではありません。
したがって、その組織のメンバーが仮に上司ばかりの場合は「皆様」や「皆様方」を使うのが無難でしょう。
それから、「それぞれのくらい」という意味である「各位」も敬った言葉です。
②「各人」の意味とは!
「各人」も、「おのおの」「めいめい」「一人一人」という意味。
「各自」と同じ意味です。
ですが、「各自」はある組織内の特定のメンバー限定でしたが、「各人」は広く使うことが可能。
ですから、前の項目でも触れましたが、世間一般から広く公募する場合などは「各自」ではなく「各人」を使います。
たとえば、「応募ハガキには、各人のアピールポイントを必ず記入してください」といった使い方。
これは、不特定多数に対して発信しています。
もちろん、「各人」をある組織内の特定のメンバーに対して使うことも可能ですよ。
「忘年会の参加費については、必ず各自持参してください」を「忘年会の参加費については、必ず各人持参してください」でも大丈夫です。
また、「各人」の尊敬語も「皆様」「皆様方」「各位」です。
相手を敬う場合は、「各人」も「各自」と同様に、「皆様」「皆様方」「各位」を使いましょう。
③「各人」と「各自」の違いを整理!
それでは、ここで一度「各人」と「各自」の意味と使い分け方法を整理します。
「各人」「各自」ともに、意味は「おのおの」「めいめい」「一人一人」のこと。
意味は同じです。
ただし、あるグループのメンバーに対して使うのが「各自」。
一方の「各人」は、どういった場面でも使うことができます。
2.「各人」と「各自」の辞書での意味!
続いて、辞書による「各人」と「各自」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「各人」の辞書での意味!
【各人】
・おのおのの人。めいめい。各自。一人一人。「―各様(=めいめいのやり方などが異なること)」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
②「各自」の辞書での意味!
【各自】
・おのおの。めいめい。各人。一人一人。「―が責任を持つ」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、意味は説明どおりですが、使い方までの説明はありません。
3.「各人」と「各自」の使い方!
次に、「各人」と「各自」の使い方を例文で紹介します。
①「各人」の使い方!
・職場では各人がそれぞれの目標を目指している。
・幸福の解釈は、各人の考え方によって異なる。
・各人のお好みで自由に組み合わせてください。
・規則は各人の生活を守るためのもの、生活を犠牲にして規則を守るのは本末転倒。
②「各自」の使い方!
・各自で気象状況をみつつ、十分な準備をすることが必要。
・各自が主体となって働きやすい服装を選ぶことと定義している。
・最後にはフォトグラファーから各自が撮影した写真の講評を受けた。
・社長訓示をビデオメッセージとして各自がモバイル端末で視聴した。
4.「各人」や「各自」には似た意味の言葉がたくさんある!
「各人」や「各自」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「各人」と「各自」の意味と使い分け方法についてでした。
「各人」は、「一人一人」のことで、どのような場面でも使用可能。
「各自」も「一人一人」のことですが、ある組織内の特定のメンバーに対して使う言葉で、使う場面が限定的です。
意味はどちらも同じなのですが、使う場面に違いがありますので気を付けましょう。