「除去」と「撤去」。
すごく似ている言葉です…。
しかも…。
「道路の障害物を除去する」
「道路の障害物を撤去する」
といったように、どっちも違和感がありませんよね…。
しかし、この「除去」と「撤去」なのですが、使い方にある決まりがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「除去」と「撤去」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「除去」と「撤去」の意味の違い!
最初に、「除去」と「撤去」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「撤去」とは、主に物や建造物などを取り除くこと。
一言で表現と、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「撤去」の意味!何を取り除く?
「撤去」は、取り除くことなのですが、主に建造物や物が対象となります。
たとえば、家にあるエアコンが故障して使いものにならなくなった時。
エアコンを取り外して捨てますよね。
これが、「壁からエアコンを撤去する」ということ。
建造物であれば、「倒産した会社の社屋の撤去が始まった」といった使い方をします。
会社の社屋が「撤去」されると、その場には何も残りません。
何も残すことなく取り除くことが、「撤去」ということですね。
②「除去」の意味!取り除くものとは?
「除去」も、取り除くことなのですが、主に邪魔な物やあってはならない物などが対象となります。
たとえば、嫌なニオイなど。
「衣類の嫌なニオイを除去する」
といった使い方をします。
それから、人工呼吸器などを使用している場合「痰を吸引して除去する」といった使い方もしますよね。
まさに、「邪魔なもの」「あってはならないもの」です。
そして、「邪魔なもの」や「あってはならないもの」は、「物」でよね。
「物」ですので、「撤去」で取り除く「物」とかぶる場合があります。
たとえば、「道路の障害物を除去する」といった使い方。
この場合は、「道路の障害物を撤去する」といった使い方もできます。
これは、「障害物」が邪魔なものであるから「除去」「撤去」どちらも使えるということ。
あとは、下のような場合も。
「台風で落下した看板を除去した」
「台風で落下した看板を撤去した」
どちらでも、大丈夫ということですね。
③「除去」と「撤去」の違いを整理!
それでは、ここで一度「除去」と「撤去」の違いを整理します。
取り除くことで、主に邪魔なものやあってはならないものが対象となるのが「除去」。
同じように取り除くことで、主に建造物や物が対象となるのが「撤去」。
「除去」は、目に見えるものの他に「ニオイ」「ばい菌」「ウイルス」「危険」「不安感」といった目に見えないものも多いです。
一方の「撤去」は、目に見えるものだけが対象となります。
2.「除去」と「撤去」の辞書での意味!
続いて、辞書による「除去」と「撤去」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「除去」の辞書での意味!
【除去】
・(じゃまなものなどを)とりのぞくこと。のぞきさること。「不純物を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
②「撤去」の辞書での意味!
【撤去】
・建造物などを取り払うこと。
引用元:旺文社国語辞典
「建造物など」ということで、説明したとおりの内容です。
3.「除去」と「撤去」の使い方!
次に、「除去」と「撤去」の使い方を例文で紹介します。
①「除去」の使い方!
・不安を除去するための有効な対策。
・作業にかかる前に危険要因を全て除去することが大切。
・製品紹介で、空気中のウイルス除去の仕組みを説明する。
・アスベストを除去しながら工事する。
・倒壊した道路標識を除去する。
②「撤去」の使い方!
・車が放置されて2週間たつが強制的な撤去が可能か。
・電気配線の撤去が終了した。
・事務所と工場ともに撤去された。
・緊急事態条項がないため道路の障害物が撤去できない。
・倒壊した道路標識を撤去する。
4.「除去」や「撤去」には似た意味の言葉がたくさんある!
「除去」や「撤去」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「除去」と「撤去」の意味の違いと使い分けについてでした。
「除去」は、主に邪魔な物などを取り除くこと。
主に、あってはならない、嫌なものが対象となります。
「撤去」は、主に物や建物などを取り除くこと。
目に見える、「建造物」「物」が対象となります。