「モノクロ」と「白黒」。
「モノクロ写真」ということもありますが、「白黒写真」ということもありますよね。
これは、現代では少なくなりましたが「映画」も同様です。
では、この「モノクロ」と「白黒」は同じ意味なのか？？
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ！
本記事では、「モノクロ」と「白黒」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください！
1.「モノクロ」と「白黒」の意味の違い！
まずは、「モノクロ」と「白黒」の意味の違いを端的にお伝えします。
「白黒」とは、色の「白」と「黒」のこと、また「是か非か」「善か悪か」という意味もあります。
まとめると、こういった違いになります。
それでは、両者の意味をさらに詳しく紐解いていきますね。
①「モノクロ」の意味とは！
「モノクロ」とは「モノクローム」の略。
そして、この「モノクローム」は、そもそもは絵画のこと、しかも色を1色だけ使って描いた絵画のことなのです。
1色だけの絵なので、背景色を含めると実質的に2色ということですね。
たとえば、黒い絵の具を使って、白いキャンバスに描くと「白」と「黒」になります。
これだと「白黒」ですね。
また、白いキャンバスに赤い絵の具を使って描いても「モノクローム」ということ。
これは、青い絵の具であろうと、緑であろうと「モノクローム」です。
こういった部分が「白黒」と違う部分ですね。
ちなみに、単色の絵画というと「黒」と「白」が多くなることから、そこから派生して、白色と黒色の写真や映画、テレビなどのことを「モノクローム」という意味として定着しました。
ですから、「白黒テレビ」と「モノクロテレビ」の意味が共通していると言えますね。
また「黒」以外で、イカ墨のことを「セピア」と言いますが、この色の単色の写真や映像なども「モノクローム」といわれています。
これは、「セピア調」や「セピア色」ともいわれて、よく遠い昔をイメージさせる色として使われます。
イメージは、下の写真のとおり。
ちなみに、「白」と「黒」だと下のようになります。
②「白黒」の意味とは！
「白黒」は色の「白」と「黒」の2色のことであり、1色のことではありません。
実質、「モノクローム」はキャンバスの色を含めると2色になってしまうのですが、元々は1色のこと。
そして、「白黒」は絶対に「白」と「黒」でなくてはいけません。
「モノクローム」の方は絵の具の色が1色であれば何色でもいいですし、キャンバスの色も定義はないのですね。
ただし、「モノクローム」から派生した意味の白色と黒色の写真や映画、テレビなどについては、「白黒写真」と「モノクロ写真」というように意味は共通しています。
また、セピア色の写真などを「白黒」と言えるかどうかは、微妙ですね。
「これは白黒ではない！」「厳密にはセピア色だ！」という意見もあるのですが…。
まあ、でも白っぽい色と黒っぽい色の組み合わせですし、「白黒」という人も多いのではないかな～と思うのですが…。
わかりません…。
③「白黒」は色の以外の意味もある！
「白黒」は、色以外に「是か非か」「善か悪か」といった意味もあります。
「そんなに言うなら、この際、白黒ハッキリさせる！」
といった使い方をします。
この「白黒」は、囲碁の勝負が語源になっています。
白い碁石と黒い碁石で勝負をしますが、この勝負がもとになっているのですね。
ちなみに、「白」が善で、「黒」が悪ということになっています…。
④「モノクロ」と「白黒」の違いを整理！
ということで、ここで一旦「モノクロ」と「白黒」の違いを整理します。
1色の色で描かれた絵のことを「モノクロ」といいます。
そこから派生して、「白」と「黒」だけの写真や映画・テレビなどのことも「モノクロ」というようになりました。
色の「白」と「黒」のものを「白黒」。
また、「是か非か」「善か悪か」という意味でも「白黒」が使われます。
2.「モノクロ」と「白黒」の辞書での意味！
続いて、辞書による「モノクロ」と「白黒」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「モノクロ」の辞書での意味！
【モノクロ】
・モノクロームの略。
引用元：旺文社国語辞典
モノクロームの略となっていますので、「モノクローム」も調べてみました。
【モノクローム】
①単色画。
②白と黒だけの写真・映画・テレビなど。白黒。モノクロ。
引用元：旺文社国語辞典
単色画ということで、1色の絵ですね。
意味②は白黒写真や白黒映画のこと。
②「白黒」の辞書での意味！
【白黒】
①白と黒。「目を―させる（＝驚いて、または苦しんで目をきょろきょろさせる）」
②物事のよしあし。是と非。無罪と有罪。黒白（こくびゃく）。「―をはっきりさせる」
③写真・映画などで、色彩のついていないもの。モノクローム。「―映画」
引用元：旺文社国語辞典
意味①は色の「白」と「黒」のこと。
意味②が、囲碁が語源になった「善か悪か」という意味。
そして意味③は「モノクロ」のことです。
3.「モノクロ」と「白黒」の使い方！
最後に、「モノクロ」と「白黒」の使い方を例文で紹介します。
①「モノクロ」の使い方！
・モノクロ画像表示装置の表示デバイス。
・モノクロディスプレイを操作する。
・遠い昔の映画はモノクロで音声さえもなかった。
・現在はデジカメが普通だが以前はモノクロフィルムやカラーフィルムを使っていた。
②「白黒」の使い方！
・乳牛であるホルスタインの体は白黒模様だ。
・白黒プリンターからカラープリンターへ買い替えた。
・裁判で白黒を争う。
・こうなったら徹底的に調べて白黒つけよう。
まとめ
以上が、「モノクロ」と「白黒」の意味の違いと使い分けについてでした。
「モノクロ」は「モノクローム」の略で、1色の色で描かれた絵のこと。
そこから派生して、「白」と「黒」だけの写真や映画・テレビなどのことも「モノクロ」というようになりました。
「白黒」は、色の「白」と「黒」。
また、「白黒」は「是か非か」「善か悪か」という意味でも使われます。