「有効」と「有用」。
この似ていてまぎらわしい二つの言葉…。
違いがよくわかりません…。
でも「クレジットカードの有効期間」とはいいますが、「クレジットカードの有用期間」とはいわないような…。
ということは、何かが違うということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「有効」と「有用」には明確な違いがありました!
本記事では、「有効」と「有用」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「有効」と「有用」の意味の違い!
まずは、「有効」と「有用」の意味の違いを端的にお伝えします。
「有用」とは、役に立つことですが、主に使い道があるという意味で使われる言葉。
一言であらあわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「有効」と「有用」の違いをわかりやすく!
「有効」と「有用」は、どちらも「役に立つこと」であり、この部分は共通の意味。
違いは、「有効」は「効力があるので、役に立つこと」で、「有用」は「使い道があるので、役に立つこと」です。
ですから、「効力」と「使い道」の違いです。
「有効」は、たとえば「クレジットカードの有効期間」といった使い方をします。
クレジットカードは使用できる期間、つまりそのカードの効力が発揮できる期間が決まっていますよね。
これが、「クレジットカードの有効期間」ということ。
この「有効期間」は、「効力」をあらわしているのであり、「使い道」のことではありません。
ですから、「クレジットカードの有用期間」とはいいません。
一方の「有用」の方は、「彼は、対策を立てる上で有用な人材だ」といった使い方をします。
これは、この「彼」が「使い道がある人材である」ということ。
人に対して「使い道がある」というのも少し失礼かもしれませんが、「有効」との違いを強調するためにあえて「役に立つ」ではなく「使い道がある」にしました。
ちなみに、この「彼」は「効力」を持っていませんので、「彼は、対策を立てる上で有効な人材だ」とはいいません。
それから、「有効」と「有用」を共に使える場合があります。
たとえば、「有効な工具」と「有用な工具」といった使い方。
この工具がドライバーの場合は、以下のようになります。
「有効な工具」は、「ネジを回すことに効力を発揮する工具」ということ。
「有用な工具」となると、「ちょうどドライバーが欲しかったので、使い道がある工具」という意味になります。
ちなみに、「有効な工具」「有用な工具」共に、「役に立つ工具」という部分では意味は同じ。
余談ですが、「有効」と「有用」を区別するには、双方の反対語を比べればわかりやすいですよ。
「有効」の反対語は「無効」。
「有用」の反対語は「無用」。
「無効」は「効力が無くなった…」ですが、「無用」は「使い道がないので、いりません…」ということです。
②「有効」には他の意味も!
「有効」には、「役に立つこと」以外の意味があります。
それは、柔道の「一本」「技あり」「有効」の「有効」のこと。
要するに、柔道の判定のことです。
柔道は「一本」で勝敗が決しますが、きれいに技が決まらなかった場合は「一本」ではなく、ポイントが加算される仕組み。
「一本」に満たない場合は「技あり」。
そして、「技あり」にも満たない場合が「有効」です。
ポイントは「技あり」よりも「有効」が少ないのですね。
ちなみに、昔は「効果」という判定もありましたが、現在は廃止されました。
将来的には、「有効」という判定も廃止されるといった噂もあるようです…。
③「有効」と「有用」の違いを整理!
それでは、ここで一度「有効」と「有用」の違いを整理します。
効力があることで、役に立つことが「有効」。
使い道があることで、役に立つことが「有用」。
どちらも「役に立つこと」ではありますが、「効力がある」と「使い道がある」といった違いがあります。
2.「有効」と「有用」の辞書での意味!
続いて、辞書による「有効」と「有用」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「有効」の辞書での意味!
【有効】
①効力・効果のあるさま。役に立つさま。「―期間」「時間を―に使う」↔無効
②柔道で、かけた技が「技あり」に近いと認める判定。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
②「有用」の辞書での意味!
【有用】
・役に立つこと。使いみちの多いこと。また、そのさま。「―な人材」↔無用
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「有効」と「有用」の使い方!
次に、「有効」と「有用」の使い方を例文で紹介します。
①「有効」の使い方!
・正社員の有効求人倍率は前月比0.02ポイント低下の1.03倍だった。
・自動車検査証の有効期間を7月1日まで延長すると発表した。
・今日もまた会議ばかりで、有効な手立てを決められないでいる。
・柔道で、両者がポイントを取れない中、残り40秒で有効を取られた。
・自分が覚えやすく、他人から推測されにくいパスワードを作る有効な手段がある。
②「有用」の使い方!
・ゴムの破壊メカニズムを考える上でも有用な検証方法の一つになると判断される。
・教科を学ぶ意義や有用性についての意識の欠如が指摘されている。
・このアプリは、特に初歩段階の算数や言語スキルの習得に有用であったという。
・周りの人たちにもこの有用な情報を知らせたい。
・大量のニュースから有用なニュースだけを抽出する。
4.「有効」や「有用」には似た意味の言葉がたくさんある!
「有効」や「有用」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「有効」と「有用」の意味の違いと使い分けについてでした。
「有効」と「有用」は、どちらも「役に立つこと」です。
ただし、「有効」は「効力があるので、役に立つこと」
「有用」は、「使い道があるので、役に立つこと」です。
「効力」と「使い道」の違いです。