漢字の「蔵」といえば。
「蔵本さん」「大蔵さん」「蔵田さん」「武蔵さん」など、名字でもおなじみの漢字。
この漢字の「蔵」なのですが、まれに少し違った形の漢字を目にします。
それが下の「蔵」。
「蔵」に「にすい」のようなものが加わっています。
実はこの「にすい」のタイプは、「蔵」の旧字。
さらに、下のような「蔵」も。
上は普通の「蔵」で草冠が離れていますし、下は「にすい」の「蔵」でしかも草冠が離れています。
こういった「草冠が離れた」タイプの漢字は、実は「旧字」というわけではなく、現在も普通に使われている漢字。(※にすいの方は旧字ですよ)
元々の草冠は離れていたのですが、時代が進むにつれてくっついた草冠と並行して使われるようになりました。
このように、色々な形の「蔵」があるのですが…。
問題となるのが、パソコンに簡単に表示させることができないということ…。
ということで、こういった形の違う漢字の出し方を徹底的に調べてみました。
本記事では、「蔵」の旧字や草冠が離れた漢字をパソコンに表示させる方法について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「蔵」の旧字の出し方!
最初は、「蔵」の「にすい」のタイプの旧字から。
この「蔵」の旧字をパソコンに表示させるには、主に3つの方法があります。
それでは、それぞれの旧字の出し方を詳しく説明していきますね。
①「蔵」の旧字は変換できる?
実は、この「にすい」の「蔵」は変換だけで表示されるパソコンがあります。
たとえば「くら」と打った時に、たくさんの候補が挙がりますので、最後までたどってみてください。
パソコンによっては、普通の「蔵」と旧字の「蔵」が候補になります。
もし、「くら」で出てこなかった場合は、「蔵」がつく名字で変換してみてください。
具体的には、「くらもと」「おおくら」「くらた」「むさし」など。
こういった名字は、旧字が使われることが多いので、旧字が候補となる確率が大きくなります。
②「蔵」の旧字は文字コードで!
「蔵」の旧字は、「文字コード」を使うことで表示させることが可能。
パソコンの文字には、一つ一つの「文字コード」がついています。
この「文字コード」を、ワードなどに打ち「F5」のボタンを押すことで、その該当する文字が表示されますよ。
そして、「蔵」の旧字の文字コードが「85cf」「7322」「6936」の3種類。
どのコードを打っても「蔵」の旧字が表示されます。
また、アルファベットは大文字で「85CF」と打っても大丈夫。
一応、具体的な手順を説明します。
たとえば、ワードで「85cf」と打ち、そのまま「F5」を押すだけ。
「85cf」の後に、「エンター」を押してはいけません。
「85cf」と打ち、変換可能な状態のまま「F5」を押してください。
ですから、変換不可能となる「直接入力」ではなく、「全角英数」などの設定で打たなくてはいけません。
ローマ字変換に設定している方であれば、「全角ひらがな」「全角カタカナ」「半角カタカナ」などでも大丈夫です。
③「蔵」の旧字はIMEパッド手書きで!
「蔵」の旧字は、「IMEパッド」を使っても表示させることが可能。
それでは、手順を説明します。
ワードなどを開くと、パソコンの下の方に「あ」「A」のマークが出てきますが…。
この、「あ」「A」のマークを右クリックしてください。
右クリックで上のメニューが展開されますので、その中の「IMEパッド」をクリックしましょう。
クリックで、下のようなウインドウが表示されます。
上のウインドウの左の空白に、旧字ではない「蔵」をマウスで書いてください。
正しい書き順で、マウスを動かします。
すると、その右に旧字ではない「蔵」が出てきますので、その字を右クリックしましょう。
右クリックすると上のようなメニューが表示されますので、2段目の「異体字の挿入」をクリックします。
クリックすると、さらにその右に旧字体の「蔵」が表示されますので、その字をクリックしてください。
この作業で、ワードなどに「蔵」の旧字が表示されます。
最後は、ウインドウの右上の「×」を左クリックして消しましょう。
2.「蔵」の旧字の出し方を効率化!
「蔵」の旧字が変換のボタンだけで表示されればいいのですが…。
その度に、「文字コード」や「IMEパッド」を使って表示させるのは面倒…。
そんなわけで、一度表示させた「蔵」の旧字は、「単語登録」することをおすすめします。
登録する面倒はありますが、一度登録してしまえば以降は変換だけで旧字が表示されますよ。
それでは、手順を説明していきます。
ワードなどを開くと、パソコンの下の方に「あ」「A」のマークが出てきますが…。
この、「あ」「A」のマークを右クリックしてください。
右クリックで上のメニューが展開されますので、その中の「単語の登録」をクリックしましょう。
クリックで、下のようなウインドウが表示されます。
上のウインドウの、「単語」の空白に「蔵」の旧字を貼り付けます。
続いて、「単語」の下にある「よみ」の空白に「読み方」を打ってください。
読み方は「くら」と打つのが無難だと思いますが、「く」でも何でもかまいません。
最後は、一番下にある「登録」を押して完了。
ウインドウは、「閉じる」を押して消します。
一応ワードなどで変換を試し、登録がうまくいっているか確認してください。
「よみ」に入れた言葉で変換し、「蔵」の旧字が出てくれば登録成功です。
3.「蔵」や「蔵の旧字」の草冠が離れた字は?
最後は、「草冠」が離れた字の出し方を説明します。
これは、「正字の蔵」と「旧字の蔵」の共通の出し方。
その方法は、「フォント変更」です。
具体的には、「楷書体」や「隷書体」系のフォントに変更してみてください。
普通の「蔵」も、旧字の「蔵」も、どちらも同じように草冠が離れます。
「楷書体」や「隷書体」がベースになっているフォントでも、離れていないタイプもあります。
色々と試してみてください。
余談ですが、こういった草冠が離れたタイプの「蔵」の場合、前項で説明した「単語登録」は意味がありません。
草冠が離れたタイプと、草冠がくっついたタイプの漢字は、どちらも同じ漢字の扱いです。
したがって、単語登録は無駄になっていますので気をつけてください。
まとめ
以上が、「蔵」の旧字や草冠が離れた漢字をパソコンに表示させる方法についてでした。
「蔵」の旧字は、「①名字などで変換」「②文字コード」「③IMEパッド」といった方法で表示させることができます。
あと、一度表示させた「蔵」の旧字は、以降の作業を効率化する意味で「単語登録」をおすすめします。
草冠が離れた漢字を出す方法は、フォントの変更。
正字の「蔵」、旧字の「蔵」ともに、「楷書体」「隷書体」系のフォントに変更することで、草冠が離れます。