会話などでしょっちゅう使われる「なり」という言葉。
「なり」には、「鳴り」や「体つき」など様々な意味があるのですが…。
本記事では、上記以外の「接尾語的」に用いる「なり」に限定します。
接尾語的に用いる「なり」には、「①~するまま・~するとおり」「②~にふさわしい・~に応じて」「③~の形」「④~したとたん・~するとすぐ」「⑤~したまま」「⑥どちらか一方」という6つの意味があります。
では、この「なり」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「なり」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.「なり」の例文を簡単な短文で!
では、①~⑥の意味をそれぞれを分けて紹介します。
①「~するまま」「~するとおり」
・あなたの発言はいつも正しい。だからといって、私はあなたの言いなりにはならない。自分の考えで進んで行く。
・親が、何でも子供の言いなりなっていてはいけない。駄目なものは駄目であると、きちんと教えることも教育だ。
②「~にふさわしい」「~に応じて」
・すみませんが、一点だけ意見を言わせてください。これは私なりに考えていたことなのですが、当日は社員全員体制で臨むのはいかがでしょうか。
・練習は、その人なりのペースでおこなってください。体力が限界に近い状態で、無理に練習すると怪我につながります。
・部屋が狭いのであれば狭いなりに何とかやっていけるもの。これだけのスペースがあれば十分ですよ。
③「~の形」
・彼は、体を弓なりにして一生懸命ブリッジをつくろうとした。しかし、力のない彼には無理なこと。
・緊迫したピンチで、ピッチャーはなんと山なりに弧を描く超スローボールを投げた。バッターは完全にタイミングをはずされ空振り。
④「~したとたん」「~するとすぐ」
・専務は社長室に入るなり、事態の異常性に気が付いた。しばらくは、話し合いを聞きながら様子を見ることにした。
・フルマラソンを見事完走した彼女は、ゴールテープを切るなりその場に倒れ込んでしまった。
・いつも寝つきは悪い方なのだが、その日は横になるなりいびきをかきはじめた。よほど疲れていたのだろう。
⑤「~したまま」
・彼は、お得意様へ訪問すると外出したなり連絡がつかなくなってしまった。そのまま終業時間になっても帰ってこない。
・ルーブル美術館では、ミロのヴィーナスを見つめたなり動かなくなってしまった。感動しているようだった。
⑥「どちらか一方」
・この部屋はひどすぎる…。これでは何もできないので、まずこの散乱したものを捨てるなり片付けるなりしましょう。
・遅刻するぞ!!とりあえず、着替えるなり顔を洗うなりして!朝食は抜きでも仕方がないだろう。
・人は、仕事をしていると大なり小なりストレスを抱えるもの。「仕事量が思うようにいかない」「職場の人間関係が悪い」など、ストレスは様々。
2.「なり」を漢字で書くと?
「なり」を漢字で書くと様々な字が当てはまります。
たとえば、「成り」や「形」など。
ちなみに、「言いなり」の「なり」は「成り」を使います。
「成り行き」の「成り」ということ。
あと、「弓なり」や「山なり」は「形」。
ですから、漢字で書くと「弓形」「山形」となるわけです。
例文をたくさん紹介しましたが、その他の「なり」はひらがなで使うのが一般的。
例文は「接尾語的」に用いる「なり」を紹介しましたが、それ以外の「なり」では…。
端数がないことを意味する「也」や、仕事(なりわい)を意味する「業」があります。
まとめ
以上が、「なり」の例文についてでした。
参考にしてください。
冒頭でも触れましたが、「なり」には様々な意味があります。
前項でも一部を紹介しましたが、他にも「生り」「為り」などがありますよ。
一応、覚えておいてください。