故事成語である「臥薪嘗胆」。
四字熟語でもあります。
「わざと痛くなるよう薪の上に寝て、そばに苦い胆を置いてなめて、復習の心を忘れないようにした」ということ。
つまりは、目標を達成するために、苦労を重ねて努力するという意味です。
では、この「臥薪嘗胆」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「臥薪嘗胆」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、小学生にでもわかりやすいように簡単な短文で紹介しますので、ご期待ください。
1.「臥薪嘗胆」の例文を小学生にでもわかりやすく!
・あいつは嫌な上司だが、いつまでもこの部署にいるわけではないだろう。この辛い時期を乗り越えて将来のために臥薪嘗胆で頑張ろうよ。
・今この大会で優勝できたのは、カラオケやアルコールなどの好きなものを断ち、好きなことを犠牲にして臥薪嘗胆で頑張ったからだ。
・うちの息子は昔から努力家で、友達と遊ばずにその時間を全て練習に当てた。そういった幼少時代からの臥薪嘗胆があったからプロになれたのだと思う。
・最近の社員は少しの辛さも我慢せずにすぐに退職してしまう。世の中はある程度臥薪嘗胆の気持ちも必要だと思うのだが…。
・地道な聞き込み捜査を続け、3年の歳月を経てやっと犯人逮捕につながった。捜査の間は臥薪嘗胆の思いで頑張ったかいがあった。
・この大学を目指す人たちはみんな臥薪嘗胆の思いで頑張っている。お前のように遊んでばかりだと合格するのは厳しいと思うよ。
・明後日はいよいよタイトルマッチなのだが、明日の計量時間まで2キロくらいの減量が必要だ。これからは水抜きしながら臥薪嘗胆の気持ちで落とすよ。
・せっかく臥薪嘗胆でトレーニングを積んできたのに、マラソン大会本番になって疲労骨折してしまった。頑張り過ぎたのが裏目に出てしまった。
・彼は世界有数の資産家だが、若い頃は住むところもなく屋外で一夜を過ごすのも日常茶飯事だった。そういった臥薪嘗胆の時代があったから今の彼があるのだと思う。
・怪我をしてから復活するまで2年かかった。臥薪嘗胆の思いでリハビリを続けてきたのが大きいと思う。
2.「臥薪嘗胆」の由来とは!
「臥薪嘗胆」の由来は、中国の歴史書「史記」。
昔、呉(ご)という国と越(えつ)という国が争っていました。
呉の国王である闔閭(こうりょう)は、勾践(こうせん)率いる越の軍との戦いで傷を負い絶命してしまいます。
その時、闔閭は息子の夫差(ふさ)に対し「必ず敵をとってほしい」と伝えました。
夫差は、父の敵をとるために勾践を打ち倒すことを誓ったのです。
そして夫差は、この思いを忘れないよう、毎日わざと痛くて寝心地が悪い薪の上で寝ました。
その後、夫差は見事に越の国を打ち破り、降伏させることに成功しました。
降伏した越の国王である勾践は、その後、逆に夫差に対する復讐を誓うのです。
そして、降伏により辛い思いをしたことを忘れないよう、勾践はわざと動物の苦い肝をなめ続けました。
やがて、苦い肝をなめながら戦力を整えた越の勾践は、呉の夫差を倒すため侵攻します。
越の勾践は、呉の夫差を打ち倒し勝利をおさめました。
こういった、辛い思いを忘れないよう「薪に臥す(まきにふす)」、そして「肝を嘗める(きもをなめる)」ということで、「臥薪嘗胆」がうまれたのです。
まとめ
以上が、「臥薪嘗胆」の例文についてでした。
ご参考になれば幸いです。
「臥薪嘗胆」は、苦労を重ねて努力することですが、こういった努力系の言葉はたくさん存在しますよ。
たとえば「堅忍不抜」や「不撓不屈」など、相撲の口上にでてきそうですよね。
あと、一度敗れて再び巻き返す意味では、「捲土重来」や「名誉挽回」などがあります。