故事成語である「竜頭蛇尾」。
読み方は「りゅうとうだび」であり、「りゅうとうじゃび」ではありませんよ。
四字熟語でもあります。
「頭は立派な龍で、尾が弱々しい蛇である」という意味です。
つまりは、「最初は盛んで勢いがあるが、終わりに近づくにつれて勢いが無くなってしまう」ということのたとえ。
では、この「竜頭蛇尾」、どのような場面でどのように使うべきなのか?
ということで、「竜頭蛇尾」の使い方を例文で紹介していきます。
特に、簡単な短文でわかりやすく紹介しますので、ご期待ください。
1.故事成語「竜頭蛇尾」の例文を簡単な短文で!
・試合序盤から猛烈なラッシュでKO勝利目前だったが、相手にうまくしのがれて試合中盤以降はガス欠で竜頭蛇尾に終わった。結局は判定負け…。
・マラソンで1万メートル日本記録保持者が、スタートから猛烈なダッシュを試み大きな差をつけてリードしたが、レース終盤で息切れ。竜頭蛇尾で優勝はならなかった。
・今期の新ドラマは、第一話で強烈な面白さに引き付けられた。でも第二話以降はダラダラした展開で、結局は竜頭蛇尾、駄作だった。
・ものまね歌合戦をみたが、前半は物凄くうまい名人芸だったのに、後半は今一つで竜頭蛇尾に終わった。
・販売初日は長蛇の列だったのに、翌日以降は閑古鳥が鳴いてしまっている…、なぜ竜頭蛇尾になってしまったのか…。
・ゴルフを始めると言って、道具とウエア全て揃えたようだが…、飽きっぽい彼はきっと竜頭蛇尾に終わると思うよ。
・スワローズの開幕ダッシュは良かったのだが、主力選手の怪我が続き後半は失速、結局優勝はならず竜頭蛇尾に終わってしまった。
・子供手当てや高速道路無料化などの公約を掲げて政権交代を果たしたが、結局は公約が実現されず支持率がダダ下がりで竜頭蛇尾だった。
・選挙期間が始まってまだ3日目だ。竜頭蛇尾とならないようにこれからも元気を出して頑張ろう。
・入学した当時は学年でトップクラスの成績だったのに、卒業が近づくころには学年最低レベルの成績だった。本当の竜頭蛇尾だね。
2.故事成語「竜頭蛇尾」の由来とは!
「竜頭蛇尾」の由来は、中国の仏教書である「碧巌録(へきがんろく)」と「恵徳傳燈録(けいとくでんとうろく)」。
二つの書物が存在するのですが、どちらにも同じエピソードが載っています。
陳尊者(ちんそんじゃ)という僧侶が、旅の途中でたまたま他の僧侶と出会いました。
そこで、二人が口論となり、僧侶が陳尊者を激しく叱り飛ばします。
その激しさに陳尊者は、その人物を相当な高位の僧侶だと思いました。
しかし、その後の口論では陳尊者の質問に僧侶が答えられなくなっていきます。
そこで、陳尊者はこの僧侶は修行など積んでおらず、偽者であることを見抜きました。
陳尊者は「竜のように見えたが、真の僧侶ではなさそうだ。おそらく蛇の尾であろう」と発言したのです。
これが「竜頭蛇尾」の由来です。
「悟りを開いた僧侶のようだが、実際は偽者である」といった意味から、「最初は威勢があったが、最後は威勢がなくなっていく」という意味で使われるようになりました。
まとめ
以上が、「竜頭蛇尾」の例文についてでした。
参考にしていただければ幸いです。
「竜頭蛇尾」と同じ意味で「虎頭蛇尾」があります。
また、似た意味では「羊頭狗肉」がありますが、この意味は前後の違いではなく「見かけと、中身の違い」をあらわしています。
あと「竜頭蛇尾」は、「腰砕け」や「拍子抜け」ともいいますね。