「納税」と「納付」。
この違いって、まぎらわしいですよね…。
もしかして、同じ意味では?と思ってしまいます。
確かに、「納税の義務」といいますし、「税金を納付した」ともいいますよね…。
同じ意味なのか???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「納税」と「納付」には明確な違いがありました!
本記事では、「納税」と「納付」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「納税」と「納付」の意味の違い!
最初に、「納税」と「納付」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「納付」とは、官公庁などの公的機関に金品を納めること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「納税」の意味とは!
「納税」は、官公庁などの公的機関に税金を納めること。
「納税」と「納付」はどちらも納めることなのですが、「納税」は「税金」に限定されます。
ですから、税金以外のものを納める時には「納税」を使ってはいけません。
ところで、税金を納めることが「納税」なので、「税金を納税した」といった使い方は間違いですよ!
この文章では、「税金を、税金を納めた」といっています。
「頭が頭痛だ」のような、おかしな日本語ですよね。
正しい使い方は、「税金を納めた」か「納税した」です。
②「納付」の意味とは!
「納付」は、官公庁などの公的機関に金品を納めること。
「納付」は「税金」限定ではなく、「金品」になります。
税金も金品の一つなので、税金を納めた時に「納付」といっても間違いではありません。
ちなみに、税金以外で公的機関に納めるものといえば、「手数料」「代金」「保険料」などがあります。
「手数料」であれば、たとえば住民票や戸籍謄本といったものの発行手数料など。
その役所によると思いますが、いくらか手数料がかかります。
この手数料は税金ではありません。
あと「代金」であれば、不動産などを競売で落札した場合、その代金が発生します。
「保険料」では、年金保険料など。
こういったものを納める場合も、「納付」です。
前項で、「税金を納税した」は間違いといいましたが、「税金を納付した」は間違いではありませんよ。
③「納税」と「納付」の違いを整理!
それでは、ここで一度「納税」と「納付」の違いを整理します。
官公庁などの公的機関に、税金を納めることが「納税」。
官公庁などの公的機関に、金品を納めることが「納付」。
大きな「納付」の意味があり、その中に「納税」の意味が含まれるということです。
2.「納税」と「納付」の辞書での意味!
続いて、辞書による「納税」と「納付」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「納税」の辞書での意味!
【納税】
・税金を納めること。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「納付」の辞書での意味!
【納付】
・役所などに税金などを納め渡すこと。「税金を―する」
引用元:旺文社国語辞典
「税金など」と表現しているとおり、税金以外も含むということです。
3.「納税」と「納付」の使い方!
次に、「納税」と「納付」の使い方を例文で紹介します。
①「納税」の使い方!
・ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営しています。
・税務調査において経営内容が優良で適正な申告と納税がされたことが証明された。
・バンス検事は控訴中にもかかわらず納税記録の閲覧を求めていた。
・感染症の影響で納税が難しくなった場合の特例猶予制度が多く適用された。
②「納付」の使い方!
・労働保険料が口座振替納付できるようになります。
・減収を余儀なくされた事業主を対象に、厚生年金保険料の納付猶予の特例が設けられた。
・競売の代金は期限迄に一括納付する必要がある
・国際特許出願における手数料の納付期間を1カ月猶予すると発表した。
4.「納税」や「納付」には似た意味の言葉がたくさんある!
「納税」や「納付」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「納税」と「納付」の意味の違いと使い分けについてでした。
「納税」は、官公庁などの公的機関に税金を納めること。
「納付」は、官公庁などの公的機関に金品を納めること。
ところで、「納める」という漢字を使ってきましたが、似た言葉で「収める」があります。
「収める」は、「手中に収める」「カバンに収める」「ハードディスクに収める」といった、自分のものにする、中に入れる、記憶媒体に入れるという意味。
「納める」は、「購入代金を納める」「ひつぎに納める」「仕事を納める」といった、金品を渡す、入るべきところに落ち着く、終わりにするという意味です。