「共有」と「共同」。
「共」という字が共通点で、似ています。
「共」は、「共に…」「二人共々…」といった使い方をしますので、「一人じゃない」というイメージ。
では、「共有」と「共同」では何がどう違うのか…。
…、決定的な違いがあるようですよ…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「共有」と「共同」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「共有」と「共同」の意味の違い!
最初に、「共有」と「共同」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「共同」とは、複数の人が一つの同じ目的のために力を合わせること、また、複数の人が同じ条件でかかわること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「共有」の意味とは!
「共有」は、一つの物を複数の人が自分の物として持つこと。
つまり、ある物を複数の人で所有することです。
たとえば、「共有財産」という言葉がありますよね。
共有財産の一例をあげると、夫婦二人で築き上げた財産があります。
これは、二人が協力して購入した不動産や、二人で貯めた預貯金などのこと。
こういった二人で築き上げた財産は、夫だけの物でも、妻だけの物でもありません。
夫婦二人の財産が「共有財産」ですね。
要するに、夫婦二人で所有している財産であるということ。
あとは、「秘密を共有する」といった使い方もします。
これは、一つの秘密を二人だけで持つということ。
二人だけも物であり、他の人に渡すものではないということですね。
②「共同」の意味とは!
「共同」は、複数の人が一つの同じ目的のために力を合わせること、また、複数の人が同じ条件でかかわること。
まずは、「複数の人が一つの同じ目的のために力を合わせること」の方から説明しますね。
これは、「二人で一緒に、目的達成に向けて頑張ろう!」といったイメージです。
具体的には「共同経営」という言葉があります。
これは、会社の経営を複数の人間で行うということ。
つまり、通常社長は一人なのですが、社長が二人以上いるということですね。
それから、「共同」には「複数の人が同じ条件でかかわりをもつ」という意味もあります。
たとえば、「共同アンテナ」や「共同墓地」といったものも。
「共同アンテナ」はみんなで使うアンテナであり、「共同墓地」は複数の人で使う墓地のこと。
いずれも、「複数の人が同じ条件でかかわりをもつ」ということですね。
ちなみに、前の項目で「共有」を説明しましたが…。
この「共有」は、「『共同』で所有する」という意味です。
つまり、「複数の人が同じ条件でかかわり、一つの物を自分達の物として持つ」ということ。
「共有」は、「共同」の「共」と「所有」の「有」が合わさった言葉です。
③「共有」と「共同」の違いを整理!
それでは、ここで一度「共有」と「共同」の意味の違いを整理します。
一つの物を複数の人が自分の物として持つのが「共有」。
複数の人が一つの同じ目的のために力を合わせのが「共同」。
また、複数の人が同じ条件でかかわることも「共同」です。
ちなみに「共有」とは、「共同」で物を所有するということですよ。
2.「共有」と「共同」の辞書での意味!
続いて、辞書による「共有」と「共同」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「共有」の辞書での意味!
【共有】
①二人以上の人が共同で所有すること。「土地を―する」↔専有
②[法]同一物の所有権が二人以上に属すること。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですが、意味が2種類に分かれています。
意味②は法律用語の「共有」ですが、意味は同じですね。
②「共同」の辞書での意味!
【共同】
①二人以上の人が共通の目的のために力を合わせること。
②二人以上の人が同等の資格・条件でかかわりをもつこと。「―経営者」
引用元:旺文社国語辞典
「力を合わせる」と「かかわりをもつ」の2種類の意味があります。
3.「共有」と「共同」の使い方!
最後に、「共有」と「共同」の使い方を例文で紹介します。
①「共有」の使い方!
・マンションの部屋を3人で共有している。
・情報を共有するために契約を締結した。
・時代の空気を共有する。
・現在は土地を共有しているのが現実。
②「共同」の使い方!
・最優秀賞の受賞は共同研究の成果だ。
・この共同浴場は誰でも利用可能です。
・共同声明に署名する。
・共同事業に取り組む。
まとめ
以上が、「共有」と「共同」の意味の違いと使い分けについてでした。
「共有」は、一つの物を複数の人が自分の物として持つこと。
「共同」は、複数の人が一つの同じ目的のために力を合わせること。
また、「共同」は、複数の人が同じ条件でかかわることでもあります。