「申告」と「申請」。
「申」が共通の文字で、似ていますよね…。
といいますか、もしかして同じ意味か?と思ってしまいます…。
でも、「選手交代を申告する」と言いますが、「選手交代を申請する」とは言いませんよね…。
ということは、「申告」と「申請」の意味は違うということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「申告」と「申請」には明確な違いがありました!
本記事では、「申告」と「申請」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「申告」と「申請」の意味の違い!
最初に、「申告」と「申請」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「申請」とは、要望などを願い出ることで、最終目的は許可や認可を得ること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「申告」の意味とは!
「申告」は、申し出ること。
「申請」は前提に「要望」が存在しますが、「申告」は「要望の有無」は関係ありません。
つまり、自分や嫌であっても「申し出ろ!」と命令されて仕方なく申し出ることも「申告」。
もちろん、何かの要望があって申し出ることも「申告」です。
ただし、「申告」は「申請」と違い、許可や認可を得るという目的は基本的に存在しません。
ですから、「申告」は「願い出ること」ではなく「申し出ること」なのですね。
わかりやすいたとえとして、「確定申告」という言葉があります。
「確定申告」とは、国民が納める税金の額を確定するために、所得額や控除額などを申し出ること。
「確定申告」をしないと「脱税」となってしまいますので、国民は仕方なく「申告」します。
つまり、「要望」のために申し出ることではありません。
それから、「選手の交代を申告する」といった使い方をします。
これは、試合中に「選手を交代したい」という「要望」があり、そのために審判に申し出ること。
ただし、これは許可や認可を得るというものではありません。
一見「審判が許可する」ように見えますが、あくまでもルールに従って選手の交代を申し出て、それを審判が確認するというもの。
時々、審判が選手交代を認めない場合がありますが、これはルールに従っていないということです。
ですから、「申告」はあくまでも許可を得るためのものではありませんよ。
②「申請」の意味とは!
「申請」は、要望などを願い出ること。
そして、その主な目的は許可や認可を得ることです。
必ず、前提に「要望」があることがポイント。
たとえば、初めて海外旅行をする時に必要なのが「パスポート」。
そこで、パスポートを発行するためにすることが「パスポート申請」です。
要するに、「私にパスポートを発行してください」という要望を願い出るのですね。
そして「パスポート申請」をすると、その「申請」を受け取った市町村は、問題ないと判断し許可してパスポートを発行します。
ちなみに、パスポートの発行を許可されないケースもありますよ。
過去に武装組織に拘束された経験のある人が、パスポートの発行を拒否されたケースもあります。
それから「助成金申請」という使い方をします。
これは「助成金をください!」という要望を、公的機関に願い出ること。
その「申請」が許可されれば、晴れて助成金を受け取ることができるわけですね。
③「申告」と「申請」の違いを整理!
それでは、ここで一度「申告」と「申請」の違いを整理します。
「申告」は、申し出ること。
前提に要望がなくても「申告」ですし、要望があったとしても「申告」です。
「申請」は、要望などを願い出ること。
許可や認可を得ることが主な目的になります。
2.「申告」と「申請」の辞書での意味!
続いて、辞書による「申告」と「申請」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「申告」の辞書での意味!
【申告】
・申し出ること。特に、官庁などに報告したり届け出たりすること。「確定―」「―もれ」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「申請」の辞書での意味!
【申請】
・役所や属する組織の機関に許可・認可などを願い出ること。「―書」「ビザを―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりです。
3.「申告」と「申請」の使い方!
次に、「申告」と「申請」の使い方を例文で紹介します。
①「申告」の使い方!
・約7億円の相続財産の申告漏れを指摘されていたことわかった。
・入国時に健康状態の自己申告の徹底を呼びかける。
・残業時間は月約170時間だったが、上司から過少申告を求められたという。
・2回にわたって税金の無申告を指摘されていた。
②「申請」の使い方!
・当会研修会を修了し、所定の申請をすると単位が認められる。
・特許申請をした細菌やウイルスを除去する方法。
・モンゴル政府に国籍離脱の申請をしていることが判明した。
・東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
4.「申告」や「申請」には似た意味の言葉がたくさんある!
「申告」や「申請」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「申告」と「申請」の意味の違いと使い分けについてでした。
「申告」は、申し出ること。
「申請」は、要望などを願い出ること。
「申請」は許可や認可を得る目的がありますが、「申告」の意味にはそういった目的は基本的にありません。