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【受理・受領・拝受・授受・収受】意味の違いを徹底解説!使い分けガイド!

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ビジネスメールや公的な書類でよく見かける「受理」「受領」「拝受」「授受」「収受」。なんとなく使っているけれど、「この言葉って本当に合ってる?」と不安になったことはありませんか?

似ているようで微妙に違うこの5つの言葉は、それぞれ使うべき場面や意味がはっきりと分かれています。

この記事では、それぞれの言葉の違いを中学生でもわかるようにやさしく解説。正しく使い分けるコツや、誤用しやすいポイント、便利な例文も紹介します。
ビジネスメールや書類作成で「できる人」と思われたいあなたに、ぜひ読んでほしい内容です!

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目次

「受理」「受領」「拝受」「授受」「収受」の意味を簡単に整理しよう

「受け取る」という意味を持つこれらの言葉、一見似ているようですが、実はそれぞれ使う場面や意味が大きく異なります。まずは全体の違いをざっくりと整理して、イメージをつかんでいきましょう。

ビジネスでよく出てくる言葉たち

ビジネスメールや公的な手続き、法律文書などでよく見かける「受理」「受領」「拝受」「授受」「収受」という言葉。どれも「受け取る」という意味に関係していますが、実はそれぞれ使われる場面や意味に違いがあります。ただ何となく「かたい言い回し」と思って使っていると、間違った場面で使ってしまう可能性もあるため注意が必要です。

たとえば、役所に提出した書類が「受理されました」と言われるのと、上司から「資料、拝受しました」と言われるのとでは、ニュアンスが大きく異なりますよね。こうした違いをきちんと理解することで、社会人としての信頼感や文章の正確さがぐっと高まります。

この5つの言葉は、いずれも漢字で構成されているため「難しそう」と感じるかもしれませんが、意味と使い方を1つずつ整理していけば、ちゃんと理解できます。この記事では、それぞれの言葉の定義や使用例、違いを中学生でもわかるように解説していきます。

それぞれの言葉の語源と基本的な意味

  • 受理:正式に受け付けること。特に公的機関での使用が多い。

  • 受領:物や金銭を確かに受け取ること。ビジネス現場で使われる。

  • 拝受:相手からのものをありがたく受け取る敬語表現。

  • 授受:やり取りそのものを表す言葉。授ける・受ける両方含む。

  • 収受:金銭や物品を受け取って保管するニュアンス。税務・法務に多い。

似ているように見えて、背景にある「誰が」「どんな立場で」「何を」受け取るのかという文脈がそれぞれ異なります。

使われる場面の違いとは?

言葉 主な使用場面 特徴
受理 行政・法的手続き 正式に受付したという意味
受領 ビジネス・書類関係 物品・金銭の受け取り
拝受 丁寧なメール表現 相手への敬意が込められる
授受 契約・取引などの流れ 「やりとり」全体を表す
収受 法律・税務関連 金品の受け取り+管理

このように、使われるシチュエーションが違うため、意味が近くても代用できないケースが多くあります。たとえば、上司からのメールに「受領しました」と書くより「拝受しました」のほうが丁寧ですし、役所に「収受されました」と言うのは、ちょっとズレて聞こえてしまいます。

正しく使わないと誤解される理由

言葉は伝達手段であると同時に、相手への印象を左右します。たとえば、相手が敬意を払って「拝受」と書いているのに、こちらが「受領」と返すと、やや無愛想に見えることがあります。逆に、カジュアルな会話で「拝受しました」と言うと堅苦しすぎて浮いてしまうことも。

また、契約書や公的文書で「授受」と「収受」を混同すると、書類の効力に影響が出る可能性すらあります。言葉の選び方ひとつで、信頼性や正確さが問われるのです。

類語との違いにも注目しよう

さらにややこしいのは、これらの言葉の他にも「受け取り」「受付」「引き受け」などの類語がある点です。

たとえば「受領書」と「領収書」も似ているようで違いますよね。

そうした点も記事の中で整理していくことで、より深く言葉の使い分けをマスターできます。

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「受理」とは?公的な場で使われる正式な受け取り

役所や行政手続きの場面で見かける「受理」という言葉。ただの「受け取り」とは違うようだけど、どう違うのでしょうか?ここでは「受理」の本当の意味と使われる場面をやさしく解説します。

「受理」は誰が使うべき言葉?

「受理(じゅり)」という言葉は、普段の会話ではあまり使われませんが、行政手続きや法律関係のやり取りでは非常によく使われます。「受け取る」という意味を持ちながらも、単に物理的に受け取ることではなく、「内容を確認したうえで、正式に受け付ける」というニュアンスが含まれているのが特徴です。

たとえば、市役所や役所、裁判所などが、提出された書類や申請書を形式的・内容的に問題がないと判断したうえで「受理」します。つまり、「受理」は受け取る側、特に公的機関や組織が行う行為なのです。したがって、一般の個人や企業が「受理しました」と使うのは不自然な場合が多いです。

行政・法的手続きで使われる例

以下に「受理」が使われる典型的なケースを挙げます。

例文 解説
婚姻届が受理された 市役所が内容を確認し、正式に受け付けたという意味
離婚届が受理された 書類不備がなければこのように表現される
訴状が裁判所に受理された 裁判所が訴状の内容を確認して審理を開始する準備に入ったという意味

これらの例からもわかるように、「受理」は単なる受け取りではなく、「中身を確認した上で受付として成立している」状態を示す言葉です。

「受理される」と「受け取る」の違い

「受理される」と「受け取られる」は似ているようで違います。たとえば、あなたが役所に婚姻届を提出して、窓口の人がそれを手に取っただけでは、それはまだ「受理された」とは言いません。

実際に記入内容や提出書類を確認し、要件を満たしていると判断された時点で「受理」となるのです。したがって、書類が物理的に受け取られても、条件を満たしていない場合は「不受理(ふじゅり)」という扱いになります。

書類提出時の注意点

「受理される」ためには、書類の記入漏れや添付書類の不足がないことが前提です。よくあるトラブルとしては、以下のようなものがあります。

  • 署名や印鑑が足りない

  • 提出期限を過ぎている

  • 必要な証明書が添付されていない

これらのミスがあると、「提出したつもり」でも受理されず、手続きが進まないケースが多々あります。特に、婚姻届や転入届などは日付によって法律的な効力が変わるため、「いつ受理されたか」が非常に重要になります。

よくある誤用とその理由

「受理しました」という言葉は、つい丁寧な表現のつもりでビジネスメールに使ってしまいがちですが、これは注意が必要です。前述の通り、「受理」は行政機関などの正式な受付に使うもので、一般的な書類の受け取りに使うのは不適切です。

たとえば、顧客からの書類に対して「受理しました」と返信するのは、本来の意味からずれており、「受領しました」または「拝受いたしました」のほうが適切です。誤用すると、「この人は正しい敬語を知らないのかな」と思われてしまう可能性もあるため注意しましょう。

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「受領」とは?ビジネスでの「物や金の受け取り」

仕事のメールや請求書でよく登場する「受領」。でも、「受領しました」って本当に正しい使い方?ここではビジネスでの使い方や注意点を紹介します。

「受領書」って何?どんなときに使う?

「受領(じゅりょう)」は、ビジネスシーンで非常によく使われる言葉です。特に「受領書」という形でよく目にしますね。この「受領」は、主に物品や金銭、書類などを確かに受け取ったことを表す表現です。

たとえば、取引先から商品が届いたとき、それを確かに受け取った証拠として「受領書」にサインや印鑑を押すという流れがあります。これにより、後から「届いていない」「渡していない」といったトラブルを防ぐことができます。

使用例 意味
商品を受領しました 商品を確かに受け取りましたという意味
代金を受領しました お金を確かに受け取りましたという意味
受領印をお願いします 受領の証拠として印鑑を押してください

つまり「受領」は、相手から何かを確実に受け取ったという事実を記録・証明する際に使う言葉なのです。

「受領しました」の丁寧な表現

「受領しました」という表現は、ビジネスにおいては比較的かしこまった表現ですが、相手によってはさらに丁寧にしたい場面もあります。そのようなときに使える表現としては以下のようなものがあります。

  • 「確かに受領いたしました」

  • 「受領させていただきました」

  • 「頂戴いたしました」(場合によってはOK)

しかし、目上の方や取引先に対しては、「拝受いたしました」というさらに敬意の込められた表現が適しています(これについては次のセクションで詳しく扱います)。

また、ビジネスメールで「資料、受領しました。」だけだとそっけなく感じられることもあるため、以下のように一言添えるのがおすすめです。

「本日、資料一式を確かに受領いたしました。お手数をおかけし、ありがとうございました。」

このような表現にすることで、丁寧かつ信頼のある印象を与えることができます。

受領と拝受の使い分け

「受領」と「拝受」は、どちらも「受け取る」という意味ですが、立場や文脈によって使い分ける必要があります

表現 適切な使い方 説明
受領 同等または目下の相手に使う 事務的で客観的な言葉
拝受 目上・取引先などに使う 謙譲語で敬意を含む

つまり、「私は資料を受領しました」はOKですが、目上の方から届いた資料に対して「受領しました」と返すのは失礼にあたる可能性があります。このようなときは「拝受いたしました」と言い換えるべきです。

メールや文書での使い方例

以下に、ビジネスメールでの「受領」の使い方例をいくつか紹介します。

件名:資料受領のご連絡

○○株式会社
営業部 ○○様

いつもお世話になっております。
本日、○○資料を確かに受領いたしました。
内容を確認の上、必要があれば改めてご連絡させていただきます。

取り急ぎ受領のご報告まで申し上げます。

このように、「受領」はメールやビジネス文書でもよく使われますが、相手に合わせて敬語を調整することが大切です。

受領確認の正しいマナー

受領に関するやり取りでは、確認と記録をしっかり取ることがマナーです。たとえば、以下のような習慣が重要になります。

  • 受領した日付を明記する

  • 受領者の名前や署名を記入する

  • 内容物に誤りがないか確認する

  • 紛失や破損があった場合は即座に報告する

また、メールで受領を連絡する場合は、速やかに対応することが信頼感につながります。遅れてしまうと、相手が「ちゃんと届いたのかな?」と不安になることもあるため、即日返信がベストです。

「拝受」とは?敬語としての意味と使い方

目上の人からのメールや贈り物に「拝受しました」と書くことがありますが、この表現、実はかなり丁寧な言葉です。使い方を間違えないように、しっかり覚えておきましょう。

「拝受しました」の正しい使い方

「拝受(はいじゅ)」とは、「拝む(拝)」+「受け取る(受)」という漢字の組み合わせからも分かるように、「ありがたく頂戴する」ことを丁寧に表す言葉です。つまり、相手からの資料や贈り物などを「敬意を込めて受け取りました」と表現したいときに使います。

この「拝受」は、主にビジネスメールや礼状など、書き言葉として用いられることが多く、口頭で使うことはほとんどありません。また、自分が目上の人や取引先から何かを受け取ったときに使う、謙譲語(けんじょうご)の一種でもあります。

たとえば次のように使います。

「ご送付いただいた資料を拝受いたしました。誠にありがとうございました。」

ここで「受領しました」とすると、事務的な響きになりますが、「拝受いたしました」とすることで、相手への敬意がより強く伝わる文章になります。

受領と拝受の違いを具体的に

ここで改めて「受領」と「拝受」の違いを整理しておきましょう。

表現 敬意の度合い 使用場面 相手との関係
受領 普通 業務的な報告、確認など 対等または部下・同僚
拝受 高い 丁寧な連絡、礼状など 目上、取引先、顧客

つまり、「拝受」はあくまで相手に敬意を払うための言葉であり、フランクな関係やカジュアルなメールで使うと、やや堅苦しくなりすぎることもあります。言葉の選び方ひとつで相手との関係が変わるのは、ビジネスにおいて非常に大切なポイントです。

使っていい場面・ダメな場面

使って良い場面

  • 取引先や顧客からの資料・贈答品を受け取ったとき

  • 礼儀正しくお礼を伝えたいとき

  • 丁寧な文面で受け取り報告をしたいとき

避けるべき場面

  • 同僚や部下からのメールへの返信

  • 口頭での会話(「拝受しました」は話し言葉として不自然)

  • 自分より立場が下の人への返答(丁寧すぎて逆に違和感)

このように、「拝受」は誰に対して・どんな場面で使うかがとても大事です。間違って使ってしまうと、かえって相手に堅苦しさや距離感を与えてしまうこともあるので注意しましょう。

ビジネスメールでの定型文

「拝受」を使ったビジネスメールの定型文をいくつか紹介します。

資料を受け取った場合

件名:資料拝受のご報告

○○株式会社
○○様

いつもお世話になっております。
本日、貴社よりご送付いただきました資料一式を拝受いたしました。
内容につきましては後ほど確認の上、ご連絡差し上げます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

贈答品を受け取った場合

このたびはご丁寧なお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。
心ばかりの御心遣い、ありがたく拝受いたしました。
今後とも変わらぬお付き合いを、何卒よろしくお願い申し上げます。

このように、「拝受」は感謝の気持ちと敬意を伝える文脈に最適な言葉です。

宛名や宛先で使い方が変わる?

「拝受」という言葉自体の使い方は相手の立場に応じて変わりますが、特に注意したいのが「誰からのものを受け取ったか」を明確にすることです。たとえば、会社宛のメールであれば、以下のようにします。

「貴社よりご送付いただいた資料を、ありがたく拝受いたしました。」

一方で、個人名が宛名にある場合には、

「○○様よりお送りいただきました書類、確かに拝受いたしました。」

このように、宛名や相手の名前に合わせて文体を整えることで、より丁寧で正確な印象を与えることができます。

 

「授受」とは?やりとりそのものを指す言葉

「授受」は、聞きなれない言葉かもしれませんが、契約書や社内ルールなどでよく使われます。ポイントは「受け取る」だけでなく「渡す」ことも含まれることです。

「授受」は一方的な受け取りじゃない?

「授受(じゅじゅ)」という言葉は、日常会話ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ビジネス文書や契約書ではよく使われる言葉です。特徴的なのは、「授ける(与える)」と「受け取る」が一体になっている点。つまり、「授受」とは、物や情報のやり取りそのものを指しています。

「受領」「拝受」は受け取る側の視点ですが、「授受」はやりとりの動作全体を客観的にとらえる言葉です。たとえば、機密情報や金銭などのやり取りを「情報の授受」「金銭の授受」と表現します。

このように、「授受」は一方的な受け取りではなく、双方向の行為を表す言葉であることを理解することがポイントです。

契約ややりとりの文脈で使うケース

「授受」は、契約書や社内規定、ガイドラインなどの文章で頻繁に見られます。たとえば次のような文脈です。

  • 「個人情報の授受に関しては、適切な管理を行うこと」

  • 「金銭の授受が発生した場合、速やかに記録を行うこと」

  • 「秘密情報の授受にはNDA(秘密保持契約)を締結する」

このように、「授受」はやり取りそのものの存在や事実を明確にするための言葉として使われます。会話の中で使うことは少なく、あくまで「書き言葉」としての性質が強いのも特徴です。

授受の主語は誰になる?

「授受」は行為全体を表すため、特定の主語を必要としないケースが多いです。たとえば、「書類の授受を行う」と言えば、誰が渡して誰が受け取るかを文脈で判断することになります。

一方、より正確に表現したい場合は、「A社からB社へ商品の授受が行われた」のように、主語と目的語を明示することで、伝わりやすい文になります。

特にビジネスや法律関連の文書では、誤解が起きないように「誰が誰に何を授受したのか」をきちんと書くことが求められます。

「授受するもの」の具体例

実際に「授受」が使われるものには、以下のようなものがあります。

授受対象 内容・説明
情報 顧客情報、個人情報、技術情報など
金銭 商品代金、寄付金、補助金など
書類 契約書、請求書、納品書など
贈答品 ビジネス上の手土産や贈り物
電子データ デジタルファイル、メール添付資料など

とくに近年は、個人情報保護の観点から「情報の授受」が厳しく管理されるようになっており、授受の記録やルール整備が求められる場面が増えています

実務での使い方・例文

ここでは、「授受」を使ったビジネス文書や規定例文をいくつか紹介します。

  • 本契約に基づく成果物の授受は、指定されたフォーマットにて行うものとする。

  • 書類の授受に際しては、受領日を記載した受領証を提出すること。

  • 金銭の授受が認められた場合は、社内承認を経て記録を残すこと。

また、ビジネスメールでは以下のように使うこともあります。

「本日、御社より○○に関する書類の授受を完了いたしました。ご対応ありがとうございました。」

このように、「授受」は文書の中で形式的・客観的なやり取りを記録・表現するための重要なキーワードです。特にコンプライアンスや情報管理が重視される現代においては、正確な「授受」の記録が企業活動の信頼性を支える要素になっています。

 

「収受」とは?法律や税務でよく使われる表現

「収受」は、税務署や裁判所など公的な場面で目にする少し堅い言葉です。ただの受け取りと何が違うのか、具体的な使われ方を見ていきましょう。

「収受」って聞き慣れない?

「収受(しゅうじゅ)」という言葉は、普段の生活ではあまり耳にしない表現かもしれません。ですが、法律文書や税務関連の書類、行政手続きの中では頻繁に登場する言葉です。

「収受」は、「受け取る」という点では「受領」と似ていますが、大きく異なるのは「受け取ったものを自分のもとに収める(保管・管理する)」というニュアンスが含まれている点です。つまり、「収受」とは物や金銭を受け取ったうえで、それを管理・処理する行為を表しているのです。

たとえば、税金の書類に「税務署が申告書を収受しました」と書かれていたら、それは「書類を受け取り、正式に処理の対象とした」という意味になります。

国税・公的機関での使用例

「収受」は、特に以下のような公的な場面で使用されます。

  • 税務署が申告書や納付書を「収受」する

  • 裁判所が訴状を「収受」する(※ただし「受理」が一般的)

  • 行政機関が申請書や報告書を「収受」する

実際に、国税庁の公式書類や自治体の手続き案内にもしばしば登場します。以下はその例です。

表現例 意味
確定申告書を収受しました 書類を正式に受け取り、処理対象とした
書類の収受日時は○月○日です 提出された日付をもとに手続きが行われる
収受番号 提出された書類に付けられる管理用の番号

このように、「収受」は受付+処理の対象として保管するというイメージを持つとわかりやすくなります。

受領との違いを見極めよう

「収受」と「受領」はどちらも「受け取る」意味を含みますが、ニュアンスに違いがあります。

項目 収受 受領
主な使用場面 法律、税務、行政 一般ビジネス、事務
意味 受け取って保管・処理する 受け取った事実を示す
誰が使うか 役所、官公庁など 会社員、一般事業者など

たとえば、取引先に「資料を収受しました」と送ると、少し堅すぎて不自然です。その場合は「受領」や「拝受」が適しています。

逆に、申告書や納税関係の話をするときに「受領されました」と表現するのはやや軽く感じられるため、公式な処理として「収受された」がふさわしいということになります。

法律文書での正しい用例

法律や行政の分野では、言葉の定義が非常に厳密に決まっており、「収受」という言葉もそのひとつです。次のような法律文書で見られる表現をチェックしてみましょう。

  • 「当該書類は、○月○日に収受されたものとみなす」

  • 「申請書の収受をもって、手続きが開始されます」

  • 「税務署が収受した証明書の写しを提出してください」

これらはどれも、受け取っただけではなく、正式に手続きの対象とされたことを示しています。

また、「収受日=正式な受付日」となるため、書類の提出期限などにも直接関わってくる重要な要素です。特に、税務処理などでは収受日の違いによって、延滞税や加算税が発生するかどうかが決まるため、非常に重要な情報となります。

「収受しました」の使い方に注意!

「収受しました」という表現は、丁寧で堅い印象を与えるため、あくまで公的な立場や文章で使うのが基本です。以下のような誤用には注意が必要です。

❌ 取引先の資料を受け取った → 「資料を収受しました」

👉 ビジネス文書としては堅すぎ。代わりに「受領しました」や「拝受しました」が適切です。

✅ 税務署が申告書を受け取った → 「申告書を収受しました」

👉 公的な文書では正しい表現です。

このように、「収受」という言葉は、使う人・場面・文脈によって適切さが大きく変わります。正確な理解と使い分けが求められる、まさに「知っていると信頼される」表現と言えるでしょう。

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まとめ:「受理・受領・拝受・授受・収受」を正しく使い分けよう

5つの「受け取る」に関する言葉——「受理」「受領」「拝受」「授受」「収受」は、どれも似たような漢字で構成されていますが、それぞれ使う場面や意味合いはまったく異なります。

  • 「受理」は、公的機関が書類などを正式に受付けたときに使う言葉です。個人や会社が「受理しました」と使うのは基本的に不自然です。

  • 「受領」は、ビジネスでの物やお金の受け取りに使います。対等な関係や事務連絡でよく使われる表現です。

  • 「拝受」は、「受領」より丁寧で、目上の相手に敬意をもって受け取ったことを伝える表現です。主にビジネスメールやお礼状で使用されます。

  • 「授受」は、やり取りの行為全体を表す言葉で、契約や情報の流通に関する書類・ガイドラインでよく使われます。

  • 「収受」は、公的機関が受け取ったものを管理・処理するニュアンスを持ち、税務や法律関係の文書で使用されます。

それぞれの言葉を誤用すると、文章の信頼性が下がったり、相手に違和感を与えたりする可能性もあります。しかし、意味と使用シーンをしっかりと理解すれば、あなたの文章はぐっと洗練されたものになります。

言葉は「相手との信頼を築く道具」です。ぜひこの記事で紹介した内容を参考に、TPOに合った表現を使いこなしてみてください。

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