漢字の「英」といえば。
「英語」「英国」「英才教育」といった使い方をしますが…。
その他に、「英(はなぶさ)さん」「森英(もりばな)さん」「英保(あぼ)さん」など、名字にも使われる漢字です。
そういった名字に使われる関係なのか、下のような少し形が違う「英」が使われることが…。
草冠が離れています…。
この漢字の「英」なのですが…、旧字体と思いきや…。
正確には、旧字体ではありません。
実は、草冠がつながっている「英」と同じ扱いで、つまりは正字です。
正字であることはいいのですが…。
問題となるのが、「えい」で変換してもパソコンに草冠が離れた「英」が表示されないということ…。
とういうことで、こういった形の異なる「英」の出し方徹底的に調べてみました。
本記事では、草冠が離れている「英」をパソコンへ表示させる方法について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.草冠が離れた「英」の出し方!
草冠が離れた「英」の出し方は、たった一つしかありません。
その方法は、フォントの変更です。
冒頭でも触れましたが、この草冠が離れた「英」は普通の「英」と全く同じ漢字の扱い。
同じ漢字なのですが、その字体のデザイン上の関係で草冠が離れているのです。
つまり、同じ漢字であるため、「文字コード」や「変換」といった方法で草冠が離れた「英」を表示させることはできません。
では、どういったフォントが離れた草冠なのか?ですが…。
「楷書体」系列か「隷書体」系列が有効です。
たとえば、上は「HG正楷書体-PRO」で下が「AR P隷書体M04」。
どちらも離れた草冠ですね。
フォント名に、「楷書」や「隷書」の文字が含まれた字体が全て離れた草冠というわけではありませんが、多くが離れていますよ。
フォントの変更を試してみてください。
それから、草冠がはなれた「英」は、「楷書体」系列や「隷書体」系列だけではありません。
以下のフォントも草冠が離れています。
「TT-曲水BN」
「TT-曲水BN_P」
「Microsoft JhengHei」
「Microsoft JhengHei Light」
「Microsoft JhengHei UI」
「Microsoft JhengHei UI Light」
「PMingLiU」
フォント変更する場合は、「英」だけフォントを変えると違和感満載の文書になってしまいますよ…。
できる限り、文章全体をフォント変更することをおすすめします。
2.なぜ草冠が離れているのか?
草冠がくっついている場合、書く時は三画で済みますが…。
それが、草冠が離れていると四画となり…少し面倒ですよね…。
この離れた草冠は、実は普通の草冠の前の形なのです。
しかも、その離れた草冠の前に使われていた草冠は下のとおり。
この草冠が、草冠の出発点。
二本の草が地面から上方向に生え、途中からそれぞれの草が三本に枝分かれしています。
普通の草冠だと「草」の形はしていませんが、この草冠だと漢字の成り立ちがよくわかりますよね。
昔々は、この形の草冠が使われていました。
時代が進むにつれて、この草冠も形状が変化します。
二本の草がそれぞれ三本に枝分かれしていますが、その三本のうちの両サイドの枝が上向きから横向きなったのが下の草冠。
これが、まさに離れた草冠。
そして、この離れた草冠が普通に使われるようになったのですね。
最初に紹介した複雑な草冠は使われなくなりましたが、この離れた草冠は現在でも正字。
そのため、フォントにも残っています。
さらに時代が進み、下の草冠が使われるようになりました。
今現在の草冠ですね。
おそらく、離れていると四画になり、書きにくいのでくっついたのではないでしょうか。
漢字は普通、物の形がもとに成り立っているのですが、現在の「草冠」の形状から草の形は想像できませんよね…。
ですが、こういった草冠の変遷を知っていただければ、草の形がもとになっていることがご理解いただけるかと思います。
まとめ
以上が、草冠が離れている「英」をパソコンへ表示させる方法についてでした。
草冠が離れた「英」をパソコンなどに出すには、フォントを変更するしか方法がありません。
「楷書体」系列や「隷書体」系列のフォントに変更すると、それだけで草冠が離れます。
ただし、「楷書体」系列や「隷書体」系列であっても、くっついた草冠もありますのでご了承ください。
ちなみに、草冠であれば「英」以外の漢字でもうまくいきますよ。